混沌との戦いを終え、何とか異界を守ったリサ達だったが、その戦いはあまりにも多くの犠牲を出した。
伯爵と融合し、少しでもその力を抑えようとした雲。
風の力になりたくてソイルになったルーとモーグリ。
そして自らもソイルになった風・・・。
戦いに勝ったと言うのに誰もが心から喜べなかった。
素直に喜べない仲間達を横目に、シドはシルヴィアに近づいて行った。
「何処に行くの?」
まさにシルヴィアに乗り込もうするシドをみつけて、ミィレスが近づいて来た。
「いえ、ちょっと・・・」
言葉を濁しシドは操縦席に急いだ。
数分後、シルヴィアが飛び立って行ったのに気づいたリサは、先ほどシルヴィアがあった場所から戻って来た
ミィレスに話しかけた。
「シド・・・あの場所に行ったの?」
「多分そうだと思うけどね・・・」
半ば呆れた物言いでミィレスが飛び立ったシルヴィアを見ながら答える。
「そう・・・」
同じく、リサもシルヴィアを見ながら少し寂しげに答えた。
シドの向かった場所、それは先の戦いで風が居なくなった場所であった・・・。
瓦礫が少ない場所にシルヴィアを着陸させて、シドは外に降り立った。
多少崩れてきているが、大体の景色は変わっていなかった。
シドが毎日のようにここに来る理由、それは風の生死の確認だった。
アイやユウ、そしてリサに頼まれているのもそうだが、自分自身風の安否は気になっていた。
何でこんなに風の事が気に掛かるのかは分からないが、じっとはしていられなかったのだ。
これが「恋心」だと言ってしまえばそれまでなのだが・・・。
毎日この場所で同じ時を過ごしているので、自然とここの景色は見慣れていた。
ガウディウムの残骸が散らばっているこの景色は何の変化もなく、今日も風の安否は分からないままだった。
辺りを散策してみたが、いつも通り何の手がかりもないようなので、シドは諦めて帰ろうとしていた。
もはや生きている事の希望すら薄らいだ中でシドはふとある異変に気づいた。
通路があった。
今まで瓦礫に隠れていて見つからなかったのだろう通路が、上から落ちてきたと思われる岩によって姿を
現したようだった。
「こんな所に通路が・・・」
はやる気持ちを抑えて、シドは通路の中に入って行った。
ひんやりと冷たい空気が流れるその場所に、人がいる気配はまったくなかった。
しかし、シドはそんな事は全く考えずどんどん奥に進んで行く。
狭い通路を抜けると、開けた場所に出た。
周りは暗くてよく見えない。
シドは持って来てあったライトを付けた。
その場所には何もなく、ライトは無人の空間を浮かび上がらせてるだけだった。
落胆の色を隠せないシドは、必死になって辺りを照らしていた。
不意に何かの影を捕らえた。
「風っ?!」
シドがその影に駆け寄り、抱き起こした。
紛れもなく、その影は風だったのである。
「風!!大丈夫ですか?!」
何度も揺さぶるように、シドは風の名前を呼ぶ。
「・・・っ」
微かに息をもらす風を見て、シドは安堵する。
「良かった・・・生きてた・・・」
ため息のように出した言葉と共に、涙が頬を伝う。
「さぁ、風帰りましょうっ!」
そう言うとシドは風を抱き上げ、来た道を戻って行った。
それからは大騒ぎだった。
アイとユウは風の側で泣きじゃくってるし、リサも片時も風から離れなかった。
その風はと言うと、かなり疲労が激しかったのか、3日間も眠り続けた。
4日目の朝、風は目を覚ました。その様子に皆は喜び、早速復帰祝いの準備に取りかかっていた。
周りでガタガタしていておちおち寝てもいられないと思った風は、重い体を起こした。
丁度その時、シドが部屋に入って来た。
「あ、風。もう起きて大丈夫なんですか?」
「・・・ああ」
風は短くそう答えると窓に目をやった。
「ああ、みんな風の復帰祝いをするんだって準備をしてますよ。行ってみますか?」
シドが風を覗き込むように言う。
「・・・いや、い・・・」
と、断りの言葉を言おうとしたところにアイが部屋に入って来た。
「あ〜っ!!風のおじさん、もう起きてる〜!!ねっ、一緒に来てっ!!」
ベットに駆け寄ると風の腕をつかんで放さなかった。
「こりゃ、一緒に行くしかありませんよ?風」
困った表情で助けを求めてた風だか、シドの一言でしぶしぶアイに従った。
会場に行くと、すでに面々は出来上がっていた。
何故かみんな顔を赤らめて、大騒ぎをしていたのである。
「はい、どうぞ風」
この大騒ぎについていけず、一人離れた所に座っていた風に、シドは飲み物を2つ持って来た。
「・・・それは?」
風が不審がってカップの中身を聞く。
「これですか?なんでもハヤカワ夫妻から頂いたらしいですよ?お世話になりましたって。あちらの世界の
飲み物で[おさけ]ですって」
そう言ってシドはそのカップを手渡した。
「これね、なかなか美味しいですよ」
にっこり笑いながら自分のカップに口を付ける。
シドの飲んでる姿が本当に美味しそうに見えたので、風もカップに口を付けて液体を流し込んだ。
「ゲホッ・・・っ!!」
途端、風がむせかえった。
どうやら風にはこの[おさけ]は苦手な物だったらしい。
「ちょっ!!大丈夫ですか?!」
慌てたシドは風をさする。
段々と風の顔が赤らんでいき、しまいには目が虚ろになって来た。
「大丈夫ですか?部屋に戻ります?」
と風に訪ねた。
風はコクンと一回頷くと、シドにもたれ掛かっていた。力が入らないのである。
「わわっ、風?!」
普段、人にもたれ掛かるような真似をしない風に驚きつつ、その顔が妙に色っぽかったのでこのままここに
いたら危険だと思ったシドは、自分の肩に風の腕を絡ませて自分の部屋へ連れて行った。
途中でミィレスに会ったので、風の具合が良くないみたいだから部屋に連れて行く、と言い足早に会場を
あとにした。
風をベットに寝かせて、自分は風の足下に腰掛けた。
「風、大丈夫ですか?」
シドは風の顔に掛かる髪をどかしながら聞いた。
「・・・水・・・」
風か小さく答えた。
「ああ、ちょっと待って下さいね」
そう言ってベットから離れると、コップに水を汲んで来た
「水ですよ、どうぞ」
シドが水を渡そうとするが、風は一向に手を出さない。
仕方ないので、コップを風の口元まで持っていった。
「風?水ですよ?」
しかし、口も開かない。
「困りましたね・・・」
しばらく考えていたけど、意を決してコップの水を口に含むと、風の唇に自分の唇を重ね水を流し込んだ。
「・・・んっ」
不意に流れ込んできた冷たい液体に、風はビクッと体を震わせた。
「風?」
あまりにも無抵抗な風だったので、シドが心配そうに風をのぞき込む。
「・・・暑い・・・」
見ると風の髪は汗ばんだ額に張り付いていた。
「じゃぁ、ちょっとマントを取りますよ?」
そう言ってシドは風のマントを外していく。
普段はマントの下に隠れている華奢な体が姿を現した。
その腰の細さにシドはドキッとしていた。
マントを取られても何の抵抗もせず、なすがままの風の胸にシドは手を置いてみた。
心臓の鼓動が手越しに伝わって来る。
ここまで触られても無抵抗な風にシドの行為は次第にエスカレートしていった。
上半身の服をたくしあげ、2つの胸の突起をあらわにし、指の腹でこすってみる。
「・・・っ!!」
その瞬間、風の体が跳ねた。
「な・・・に?」
朦朧とする頭でシドに問いかける。
「何でもありませんよ」
シドは優しくそう答えると、今度は胸の突起を口に含んだ。
「あっ!!」
指とは違う感覚に、風は身を震わせる。
普段とは違う風の態度にシドは満足し、片方の胸を触っていた手を段々と下に滑らせていく。
ベルトを外して先に進み、半ば勃ちあがりかけてる風自身を握り込む。
「あっ!やめっ・・・」
その刺激に抵抗しようとシドを押しのけようとするが、シドにまんまと両手を捕らえられキスをされる。
「んっ、ふっ・・・」
必死で逃れようとするが、シドの前では無駄だった。
「んっ!!」
そうこうしているうちに、シドの舌が風の歯列をわり、風の舌を絡めながら口内を犯していく。
「はぁ・・・っんんっ!!」
口内を犯しながら、シドは風自身も追いつめる。
「風・・・、すごくやらしい顔してますよ」
クスクスと笑いながらシドがそう言ったかと思うと、風の身に付けていたすべての物を取り外し、風自身を
くわえ込んだ
「やぁっ・・・・っ!!」
根元までくわえ、舌を絡ませながら貪り風を追いつめる。
「っ、やぁ・・・ああっ!!」
風の息がどんどんと荒くなる。
それに合わせるかのように、グチュ、グチュとわざと音を立てて攻める。
「んっ・・・や・・・ぁっ・・・」
シドの愛撫によってはちきれんばかりに反り返った風自身は、破裂寸前になっていた。
「っ・・・!!も、もうっ!!」
風が我慢出来ないといったふうに、シドにすがりつく。
「達ってもいいですよ」
シドはそう言うと、一気に風を煽った。
「んっ・・・・あ、あぁぁぁぁっ!!」
ドクッと、風自身から白濁した液がシドの口の中に放たれた。
ゴクッと喉を鳴らしながら、シドはその液を飲み込んだ。
風はと言うと、今までの行為で疲れたのか、はたまた[おさけ]の力か、
しばらく荒い息使いをしてたかと思うと、すぐに寝息に変わっていった。
その風を見たシドはふと我に返り、微妙な罪悪感に駆られた。
寝ている風の体を拭き、服を着せてからシドはその部屋を後にした。
その後、シドはトイレ内で自分で処理をしたとかしないとか・・・・。(笑)
もちろん、翌朝風は何も覚えてない代わりに、頭痛に悩まされていた。
END