高校三年生は部活やら進路やらで忙しい。
ここにいる、 も例外ではなかった。

Adagio

私は、吹奏楽部部長。武蔵森はサッカーで有名だが、
吹奏楽も結構有名だったりする。
お陰で、夏のコンクール前は忙しい。

「ああ、もうなんで先生いないかな。呼びに来いって言ってたのに・・・。」
先生に準備が終わったら呼ぶように言われていたのだ。
が文句を言いながら歩いていると、サッカー部のユニフォームを着ている人が居た。
「あっれー?渋沢と三上じゃん!」
二人がこっちを向く。
「あぁ、チビか。(デビスマ)。」
「うるさいわねぇー!」
「まあまあ。で、 は何してるんだ?」
渋沢が尋ねた。
「顧問を呼びにきたらいなかったのよ。」
「先生なら緊急会議が入ったとかなんとか言ってたぜ。」
「しかも、かなり長いらしいが・・・。」
「まじっすか?しょうがない。音楽室戻るわ。じゃね。」
「ああ、がんばれよ。」


「あいつ・・・・。」
「どうした?三上。」
「いや、なんでもない。」


「結局先生来ないし・・・。」
はため息をついた。
部長は最後の戸締りやらなんやらをやらなくてはいけない。
「ああまーた、窓開けっ放しだ・・・。」
そうこうして、 が学校を出るころには辺りは暗くなっていた。
「寮に戻ったら宿題やらなきゃ・・・。」
昇降口に来ると人影があった。
「あれー?三上の幻が見える・・・・。」
「ばーか。本物に決まってんだろ。」
「ああ、やっぱり?」
妙な会話を交わし、2人で寮に向かった。
「なんで、あんなとこにいたの?」
「星見てた(デビスマ)。」
「はあ?」
「それはいいとして、お前大丈夫かよ。」
「別にいつも通りだけど・・・・?」
「ほんとかよ。最近お前眉間にしわ寄ってるぜ。」
「え?そう?まあ、確かに最近大会近いから忙しいけど・・・。」
「それだけじゃねぇだろ?」
「え?」
「話してみろよ。まあ、話したくないならいいけどよ。」
「ほんと、大丈夫だって。」

―やさしくされると余計に涙がでてくる―

「お前が大丈夫って言うならいいけどよ・・・たまには泣けよ。」
そう言って三上は泣きそうな を抱きしめた。

―なんか三上って落ち着く。頭をなでてくれる手のリズムが心地いい―

 

「ありがとう、三上。」
すっかり泣き止んで が言った。
「ああ。何があったかは無理に聞かねえけど、話したくなったら言えよ。聞いてやるから。」

―その時三上の顔が耳まで赤かった。私は期待をしてもいいですか?―

「うん。ありがとう。」
は微笑んだ。
「じゃ、帰るぞ。」

―そう言ってつないだ手は暖かかった。―

END


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終わった・・・。ほんと、私をよく知っている方はわかるでしょうが、
自分の夢だね、これ。ほとんど自己満足かしら。ぐはっ。
しかし、みかみんが「星見てた」って・・・。書いててちょっと複雑・・・。
そして、タイトルのAdagioは音楽用語で「ゆっくりと」なんて訳されてますが、
実は「心地よく」という意味からきてるそうです。(ちょっと勉強v)








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