高校生。わけあって一人暮らし。







大きな落し物







世間は夏休み真っ只中、 は制服で電車に揺られていた。
そう、夏休み恒例の登校日。といっても、もう終わって帰るところだ。
『帰ったら溜まった洗濯物を洗濯して、夕方はスーパーで・・・。』
外見は今時の高校生だが、頭の中はそこら辺の専業主婦状態。

は丁度ドアの前に立っていた。なぜかそこが落ち着くのだ。



  ○○駅〜○○駅に到着です。


アナウンスが流れ、同時にドアが開いた。
すると、大荷物を持った一人の中学生らしき男の子が入ってきた。
『うわ、背おっきー。中学生だよな・・・。でも・・・あいつに似てるな・・・。』
確かに私立武蔵森学園中等部の制服を着ているから中学生だろう。
その男の子は同じドアの の向かい側に立った。

少し茶色がかった髪、落ち着いた雰囲気・・・・。どう見ても中学生とは思えない。



  △△駅〜△△駅です。お忘れ物のないよう・・・・



『あ、降りなきゃ・・・・・あっ!!』



「わっ!!」




は思いっきりバランスを崩し転んだ・・・・・かと思ったら・・・。







「あ、あの・・・大丈夫ですか?」

あの大きい中学生が自分の下敷きになってるではないか・・・・。


「ああっ!!ごめんなさいっ!!あっ・・・降りはぐった・・・。」
「いえ・・・・。あ、次で降りても歩っていけるんじゃ・・・。」
「いいの。買い物したかっただけだし。」
「あ、それよりお怪我は?」
「少し擦り剥いたくらい。それよりごめんなさい・・・その・・・痛かったでしょ。」
「いえ、部活で慣れてますから。それよりどこで降りるんですか?」
「終点までよ。もう少しね。えーと・・・・名前は?」
「あ、渋沢です。」
「えーと・・・じゃあ、渋沢君は?」
さんと同じですよ。」
「へえ。・・・って私の名前言ったっけ?」
「名札ですよ。」
「ああ・・・そういえば。ところですごい荷物だね。部活の道具か何か?」
「部活もそうですけど、帰省するんで・・・。」
「へえ・・・・もしかしてサッカー部?」
「え?なんで分かったんですか?」
「いやあ・・・なんとなく。サッカー部の寮があるって聞いた事あって・・・。あっ!!」




  
間もなく終点□□駅〜どなた様もお忘れ物のないよう・・・・・





「ど、どうしたんですか?」
「渋沢君の手、血でてる!!」
「あ・・・これくらい平気ですよ。」
「いいから、家来て。消毒するからっ。」






そう言って は無理やり渋沢という名の中学生を自分のアパートに連れて行った。







「少ししみるかもだけど・・・。」
そう言って は渋沢の手にオキシドールを塗った。
「あ、どうも・・・。」
『うわあ・・・手大きい・・・・。』
「あの・・・どうかしました?」
「え?・・・いや・・・手が大きいなって・・・。はい、おわりっと。」
「ありがとうございます。」
そう言って渋沢は立ち上がった。
「もう少しゆっくりしていけば?」
「・・・じゃあ・・・お言葉に甘えて。」



「そういえば渋沢君ってポジションどこ?」
「ゴールキーパーです。」
「ああ、そんな感じするー。あと、キャプテンっぽいけど・・・・?」
「なんでそんなに分かるんですか?」


「うーん・・・似てるの。私の初恋の男の子に。」


「へえ・・・・。」
「その子私より2つ年下で、とにかくサッカーが上手くてね。武蔵森に入るのが夢だっていつも言ってた。」
でも、引越しで離れ離れになってしまった、
でもどうしてもその子に会いたくてこっちで一人暮らしをしている、と は言った。
「名前とか覚えてないんですか?」
「かっちゃんって呼んでたのは覚えてるんだけどね・・・。ってこんな話しちゃってごめんね・・・。」




「いえ・・・。もしかしたら近くにいるかもしれませんよ。」




「そうね・・・。無事に武蔵森に入ってればいいけど・・・。」
「きっと入ってますよ。あ・・・そろそろ帰らないと・・・。」
渋沢は立ち上がった。
「あ、そうね、帰省するところだったんでしょ?引き止めちゃって悪かったね。」
「いえ、こちらこそ長居してしまって・・・。」
「家はいいのよ。どうせ一人だから。なんならまた遊びにおいでよ。」
「じゃあきっとそのうち遊びに来ます。」


そう言って渋沢は帰っていった。









「しかしホントそっくりだったな・・・・。」






・・・・・RRRRRRRR






「あれ、電話っ・・・・はいもしもし。ってお母さん?」
元気?あのね、昨日渋沢さんとこからお中元が届いてねえ。』



「は?渋沢?」



『ほら、あんた小さい時遊んでた渋沢のかっちゃんちよ。』



「ええええ!!!???」



『何そんなに驚いてるの。今武蔵森学園でキャプテンやってるって言ったじゃない。』
えーと・・・ということは・・・さっきいたのは・・・似てる人ではなく本人・・・??
『何、あんた知らなかったの?バカねえ。』
「バカで悪かったわねっ。じゃあねっ。」




そう言って は無理やり電話を切った。










「ってことは・・・・ああ・・・もうばかっ。」











翌日









は渋沢の家を探しに出かけ・・・・ようと玄関を開けると・・・・






「どうも・・・。」





「っっっっっ!!!!!」

目の前に渋沢が立っていた。

、どうやら思い出したみたいだな。」
キャプテンスマイルがでている。昨日とは全然違うキャラだ。
「ばかっ!!なんで昨日言わなかったのよっ!!」
「いやあ・・・面白いなあと思って・・・。」
「最悪。・・・かっちゃんのばかばかっ。」
「はいはい・・・。それよりもうかっちゃんとか言うな。」
「へ?なんで?」
「もう俺たち恋人同士だろう?」
「は?どういうこと?」
「・・・ 鈍感。」
「うるさいっ!」
「名前で呼びなさいってこと。まさか、忘れたとか・・・・?」



「・・・・か、克朗・・・・。」




「良くできました。」



そう言って渋沢は にキスをした。



「//////////。」













私はこの夏、大きな落し物を拾いました。













END





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ああ・・・・似非キャプ万歳っっ!!最初と最後のキャプのキャラが違いすぎる・・・・。ごめんなさい。
電車に乗ってるときにふと思いついたもの。微妙にスランプ。
暑い暑い・・・・。ああ・・・・寂しすぎるっ!!私の心。
そして、侘しすぎる私の脳細胞。
やっと更新かとおもいきやこんな駄文で申し訳ないです。(といいながらアップするなー!!)

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