風が心地よく吹いている屋上。
は一人で屋上にいるのが大好きだった。
なぜなら
は風になる魔法を知っていたから。
誰にも知られてはいけない魔法を知っていたから。
風に乗って
今日も
は屋上に行った。
しかしそこには先客がいた。
「三上・・・・。」
彼はいつも
の邪魔をする。
正確に言うと彼がいる時はいつも魔法は失敗する。
「よお。やっぱり来たな。」
得意のデビルスマイルを浮かべて言った。
「何よ、そのやっぱりって。」
「ん?この時間になると必ずここ来るだろ?」
「悪い?」
「別に。」
「で、なんで三上がここにいるの。」
「暇だから。」
「部活は?」
「お前バカか?今テスト期間だろーが。」
「そういえばそうか。」
「お前なんでいつもここにいんの?」
「秘密。」
風になるため、なーんて言えやしない。
「秘密っていわれると聞きたくなんのが人間なんだぜ、
?」
「なんと言おうと秘密は秘密。」
結局この日は魔法をかけることすらできなかった。
翌日も翌々日も必ず三上がいた。
バレないようにやるのなんて
にとっては朝飯前だが、
彼の前ではどうしても失敗してしまう。
ここ2,3日は失敗していて風になっていない。
にとっては精神的に苦痛が溜まるだけだった。
しかし、今日は誰もいなかった。チャンスだ。
はゆっくりと心の中で魔方陣を描く。
他の人にバレないための魔法も慎重にかけていく。
魔方陣が光りだす。そして光が
を包む。
そのときだった。
キイ・・・・
屋上の扉が開いた。
「
?」
「三上、・・・・どうしたの?」
「そ、その光は・・・・?」
「え?」
他の人には見えるわけがない。霊ではないので霊感が強くてもわかるわけではない。
バレないための魔法はしっかりかかっている。
「・・・・もしかして・・・・見えるの・・・?」
三上はコクっと頷く。
「・・・・・・。」
は無言で魔法を中断する。
「・・・・
、お前何者なんだ?」
三上が問う。
「・・・・人間よ。魔法がちょこっと使える人間よ。」
風になる魔法を使えるのは、
ただ一人。
本当は魔法なんて使ってはけないみたいだが、
はこれがまた厄介な体質を持っていた。
の体は普通の人間だが、風がないと生きていけない。
正確に言うと、風で作られるエネルギーが必要ということだが。
は全てを語った。
「へえ・・・・。」
「そうゆう三上は?何であの光が見えたの?」
「余計なものが見える人間。」
生まれた時から他の人には見えないものが見えた。
初め三上の両親は普通に霊感が強いのだと思っていた。
三上自身もそう思っていた。しかし、霊能者に見てもらったところ
そうではないことが判明。
「ま、俺も親もそんなに気にしてないけどな。」
「そっか・・・。」
体が熱い・・・・。いつも、三上がいる時に失敗したときと同じ。
「お前、体へーきかよ。俺がいて風になってねえんだろ?そろそろ帰るからよ。」
「大丈夫。三上・・・ありがと・・・・。」
「いえいえ、どういたいまして。」
・・・ん・・・・・?
2人の唇が重なる。
「/////////////////!!!」
の体の熱はさらに上がっていく。
「俺がただ暇だからってだけでここに毎日通ってたと思うか?」
「う、うん・・・・。」
「鈍感な姫君だ。(デビスマ)」
「へ?」
「気づけよな・・・・・。」
「分からないよっ!!」
「だから、
が好きなんだよ。」
「////////////////////////////。」
三上は
を抱きしめた。
の体の熱はもう限界に近かった。
思わず
は三上の耳元で囁いた。
「ねえ・・・一緒に風になろうよ。」
END
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パラレルちっくに・・・・。昔魔法使いに憧れていたんですよねえ・・・・。だからこういう話書きたかったんです。
人には見えないものが見えるっていう設定も大好きですvvでも三上が・・・・人には見えないものが見えるって
・・・・サッカーやってるときとかどうするんでしょうね・・・・。自分で設定しといてなんですが・・・・。
風っていいなあ・・・・風になりたいなんて曲ありましたけど・・・・。
あ、因みにBGMはラルクのDIVE
TO BLUEだったり・・・・・・。