ねらわれた星

「こんどは、あの星の連中をやっつけて楽しもうぜ」
金属質のウロコで全身をおおわれた生物は、彼らの宇宙船のなかで、仲間にこう言った。
「よかろう」
 ほかの連中もウロコを逆立て、からだをくねらせながら、うれしそうに応じた。その指さ
すところには、月をひとつ持った緑の惑星がある。
「どうだい、ようすは」
彼らは高性能の望遠鏡をあやつって、その星の上をのぞいてみた。
「やあ、いるぞ、いるぞ。二本足を使って、ぞろぞろ動きまわっているぞ。ところで、今度
はどういう方法で、やっつけることにするか」
「そうだな。熱線で焼き払うのはやったことがあるし、このあいだの星では、凶暴ガスを吸
わせて、おたがいに殺しあわせる手を使ってしまった。なにかもっと、刺激的なやっつけ方
はないものかな」
「ああ、すごいやつでな・・・・・」
 彼らは攻撃方法を相談しあった。そのうち一人が小型の宇宙船に乗って、地上にむかっ
ていった。数時間ほどして戻り、報告がなされた。
「いってきました」
「ごくろう。うまくいったか」
「一匹つかまえて、その皮をはいできました」
「そうとう暴れたろう」
「もちろんですよ。ものすごい悲鳴をあげての、抵抗でした。だが、われわれのほうが力は
強い。それにしても、この星のやつら、なかなか死にませんね。皮をはいでも、まだ動きま
わって・・・・・」
「そいつは面白かったろうな。ところで、これからどうする」
「いま、皮を研究班に渡してきました。それを溶かすビールスを作らせています」
「それはいい。やつらの皮膚がビールスにおかされ、どろどろに溶けるのを、われわれはこ
こから見物できるわけだな。早く見たいものだ」
彼らはわくわくしながら、待った。そのうち、研究班が完成を知らせに来る。
「できました」
「よし、さっそくばらまこう」
彼らの宇宙船はその星を一周し、ビールスをまんべんなく、まき散らした。
「さあ、もうすぐ、やつらののたうち回って苦しむところが見られるぞ」
「そら、きいてきた・・・・・」
しかし、彼らは不満げな声で話しあった。
「おかしいぞ。やつらはあわてているが、だれも死なないじゃないか。死なないどころか、
なかには、むしろ喜んでいるやつもいるようだ」
「変ですね。なんだか薄気味わるくなってきた。もうやめて、引きあげましょう」
「ああ、別の星にいこう」
 彼らの去ってゆく星、地球上では、その時しかつめらしい顔の学者たちが、だれもかれも
が突然はだかになった現象を解決すべく、調査にとりかかりはじめていた。



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