俺様キングダム出張所 俺的遊戯批評15
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トロピコ 〜その3 俺様キューバを率い革命家となる編
メディアクエスト
無駄になった睡眠時間 40時間
俺様満足度 S
ゲーム快感度 B
お買得度 A
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トロピコ第三弾はコンセプト・キューバ作戦だ。偉大な革命家、カストロを模して、この輝けるカリブ海に浮かぶ南国の島を共産主義の赤き巣窟にしよう。
ということで、俺は親愛なる祖国ソ連の情報機関KGBによってプレジデンテに任命された、農夫出身でけちで病的なうそつきの行政官だ。とにかく尊敬してくれたまえ。島の首都を勝手にスターリンミーリャに変更する。
ゲーム開始当初は、相変わらず島民同志諸君は貧乏くさい生活をしておる。彼らの生活を改善し、世界のプロレタリアートの希望として社会主義政権を50年に渡って保つことが俺様の目標なのだ。
ということで、とりあえず同志諸君にはポイ捨て禁止条令を施行する。島はキレイに。
まずは俺様の手による島の計画経済を成功に導くために、五カ年計画を発動する。五カ年計画とは、俺様の宮殿の近くをタバコ農場でいっぱいにすることだ。同志諸君、タバコを作ってくれたまえ。そのタバコは輸出され、クレムリンに住むバカども・・・じゃない、親愛なるソ連の指導者たちの肺に届き、ガン患者を量産する。その代わり島には豊かな資金をもたらすことだろう。
島民の同志諸君が教会を建てたいと申しておる。分かってないな、諸君は。宗教は麻薬であり、これは共産党としては否定する立場なのだよ。その分、快適な無料アパートを建設してやるから、安心して居住してくれたまえ。
診療所と外務局舎を建てた段階で、突然「草ばかり眺めていては島民は満足しません。今必要なのは娯楽です」とかナレーターが言い始める。こらナレーター。俺は書記長だぞ。喧嘩売ってるのか。
アパートやマンションなど住宅をがんがん建てて無料で開放したところ、失業者や年金生活者が汚ねぇ生活してやがる。まあいいや。インフラも整えようということで道路を整備してみたが・・・誰一人道路じゃないところを歩きやがる。アホか。何で野原を歩いて道路を歩かないんだ、同志諸君は。
そうこうしているうちに、選挙を求める声が挙がっているらしいことが分かる。馬鹿野郎。この島は共産党独裁なんだぞ。選挙なんか誰がやるかバーカ。ということで選挙見送りにしたところ、島民同志が至るところでがっかりしている。分かってないな、諸君は。しょうがないから党員専用のパブとレストランでも作ってやろう。
あ、何か反政府活動が起きている。しょーがねーな、鎮圧するか。くそ、森に逃げやがった。目ざわりな。どれ、兵器庫と監視塔を建ててやろう。はっはっは、反政府軍が最強の我が軍に蹴散らされて敗走しているぞ、ざまあみろ。む、お陰で島内の軍国主義者が喜んでおるようだな。よし、それでは軍を強化して監視を強めよう。
高校を作ってそこでは軍国教育を施し、新聞社を建てて軍国新聞を発行する。共産主義の赤き旗のもと、軍人による軍人のための社会主義国家の完成を目指すのだ。それらの施設を支える産業としてより一層のタバコ産業の振興を行い、タバコ工場を作り缶詰工場を作り製材所を作る。第三次五カ年計画は順調に推移している。共産主義に栄光あれ。
む、どこからか島民の間で貧富の差に喘ぐ声が漏れ伝わってくる。書記長的にはどうでもいいんだが、共産主義的にはなんか平等にしないと気の毒な気がしてきた。でも労働者諸君の賃金を上げると苦しいから、医者とか教授とか高給取りの賃金を減らして平等にしてやろう。財政も安定し平等も促進できるのだから一石二鳥だ。見ろ、所得格差も50%台になったぞ、ありがたく思え。
あれ、島の経済が縮小しているだと? 何故だ、俺の五カ年計画は完璧なはずだ。計画経済において縮小の二文字はありえない。お前らが働かないのがいかんのだ。どれ、工場や建設組合の労働条件を「過酷な労働条件」にしてやろう。キリキリ働け。
・・・んー、どうも気力が感じられないな。諸君は一体何をしているのだ? ある工場労働者に張り付いて調査してみると、何故かバーやパブを行ったり来たりしている。同志は働く気があまりないらしい。氏ね。とりあえず首にした上で刑務所にぶち込んでやるとほどなく他の島に亡命していった。軟弱者め。
何だか島の人口が減っている気がするぞ。特に移民も来ない。満足しているのは共産主義者と軍国主義者だけだ。労働者の楽園への道のりは遠い、もっともっと共産主義の信念を貫けるよう努力する以外ないだろう。ということで、出国禁止令を出して島民の流出を防ぎ、大学においても軍国教育を徹底させる。
発電所ができたので偉大なる俺様の記念番組を朝から晩まで垂れ流し、軍人を増やして一層の統治水準の強化を図る。
選挙をしたいという声をさらに踏みにじったところ、アメリカから自由な選挙を妨害するとはけしからんとかいう抗議が来た。どれ、アメリカを賞賛する声明でも出して様子を見るか。はっはっは、愚かな資本主義者め、騙されて関係が修復されたぞ。今のうちにさらなる支配を徹底するのだ。
ほどなく発電所ができたので、病院を建てたり俺様番組を放送するためだけにテレビ局やラジオ局を設置する。労働者たちの憩いの場を提供するために高級レストランを作ったところでハタと気がつく。こいつら収入がないから高級レストラン作っても無駄じゃん。なんだか悲しくなってきた。でも閑古鳥が鳴いてもしょうがないから安値で高級料理を泣く泣く労働者に喰わせる。少しは満足したか?
さらに島の経済が縮小している。何故だ。相変わらず同志諸君は呑んだくれている。労働の気力が湧かないだと? 党に対する反逆か? こうなったらしょうがない、ソ連が培った伝統、禁酒令を出してやろう。これで酒を飲むことで生産性が下がるなんてことはないはずだ。おかげでパブやキャバレーがガラガラになってしまった。これも革命のためだ、我慢してくれたまえ。つーことでコックとか踊り子を全面解雇して閉鎖する。
島民の幸福度が30を切ったあたりから、暴動が頻発するようになる。CIAが不安定工作でもしているんだろうか。どの派閥が人数が多いかを確かめたら宗教関係者が多いようなので、苦渋の決断で教会を建ててやる。その代わり、島の遠いところにな。
何だか決定的にアメリカとの関係がこじれたようで、アメリカの砲艦がウロウロしている。きゃー。助けてソ連。空港ができたあたりでソ連と同盟を結んでみよう。あ、何だかソ連の軍人が勝手に上陸して軍事施設を作り始めたぞ。おい、そこはホテル建設予定地なんだぞ。どいてくれ。そんなに広大な敷地を使わないでくれ。あーあ、軍事施設の周辺は公害だらけだ。この汚染をどうしてくれるんだ。環境主義者も怒り始めたぞ。ロシア人なんか呼ぶんじゃなかった。これじゃキューバ危機ってよりキューバの危機だよ。
しょうがない、安ホテルでも建てて急場をしのぐか。うわ、ソ連の貧乏人・・・違った、労働者諸君が次々とやってきたぞ。何か全然金を落とさない。労働者の楽園なんだから少しは銭を使ってくれ。頼むよ。こうなったらしょうがない、質より量だ、安ホテルをがんがん建立しよう。凄い量のロシア人がブラブラしている。しかも全然金持ってない。いいのか、こんなので。
いつの間にか、島民の二割が軍人という香ばしい状態になったところで50年が経過。
プロレタリアの島を目指す予定が、貧乏なタバコ園の島になってしまった。俺の人生は一体なんだったんだろう。共産主義の夜明けはまだ遠いのだろうか。
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