フジロックフェスティバルに行ってきました。
後半2日間（7月27日〜28日）の参加だったのですが、27日の夕方に両足をつってしまったため、当初の予定を大幅に縮小するはめになってしまいました。大本命のデートコースペンタゴンロイヤルガーデン（28日ホワイトステージのオープニングアクト）を見ることを最優先に、chari chariもDJ SHADOWも全部なしです。
28日も、デートコース〜を見て、昼食を済ませてからすぐに帰ったんですが、帰りのシャトルバスに向かう途中でかなり興味深い方々とすれ違いました（ここからやっと本題に入ります）。
28日は、フィールド・オブ・ヘブン（と、こ洒落た名前がついていますが、要は山奥です）に元ちとせが出演するのです。私がすれ違ったのは、その、元ちとせ目当ての方々でした。
元ちとせファンは、何故かコスプレ率が高いです。衣装はこんな感じで、髪型はこんな感じのお団子頭（リンク先の写真はネーネーズです。念のため）。「元ちとせのファンって、コスプレするんだー」と感心しつつも、フィールド・オブ・ヘブンまでの道のりの険しさと（会場入口から約30分。山あり森あり川ありで、まるでオリエンテーリングのようでした）、キャパの異常な狭さ（よく、このキャパでEGO-WRAPPIN'や元ちとせをブッキングしたものだと小一時間／略）を思うと、あの娘たちは無事に元ちとせの許まで辿り着けたんでしょうか。ちょっと心配になってきました。

さて。
人は、何故にコスプレをするのでしょうか？
所謂「レプリカ」（ヴィジュアル系のライブでよく見かける、メンバーのコスプレをしている方々のことをこう呼ぶ）と、二次元世界の登場人物のコスプレとではいろいろと違う部分も多いと思いますし、正直、後者の世界はほとんど知らないのですが、ちょっと考察してみたいと思います（レプリカ限定）。
コスプレの動機としては、だいたい次の2つが挙げられると思います。

［動機１］この衣装を着てみたい。この格好がしてみたい。
［動機２］特定の誰かのようになりたい（だから同じ格好をする）。

まあ、中には、「ライブに行くにはコスプレをしていかなくてはならない」と、何処からか間違って仕入れてしまった知識を実践しているうっかりさんもいらっしゃるみたいですが、これを「動機」の範疇に入れてしまうのはちょっとアレなので割愛させていただきます。
また、聞いた話ですが、腐女子なコスプレイヤーで、鈴木x佐藤萌えで本人は鈴木さんのファンなんですけど、鈴木さんの気を引くために（！）あえて佐藤さんのコスプレをするという、現実と妄想の区別くらい付けろやゴルァな方もいらっしゃるらしいですが、これは要するに「アナタに愛されるワタシになりたい♥」訳ですから、［動機２］の範疇に入りますね（これと似た話で、「ヴォーカルがロリコンのため、ロリータ大量発生」なんてのも現実にありました／苦笑）。
そんな感じのコスプレ界（？）ですが、コスプレ道を追求するコスプレイヤーさんの中には、追求しすぎておかしな方向に行く人もいます。
これは何かの雑誌で見た話ですが、女性のコスプレイヤーが男性ミュージシャンのコスプレをする場合、おのずと無理が生じてきます。で、彼女たちは、「何で自分は女なんだろう」「男の人が羨ましい」と思うらしいです。
「たまごが先かニワトリが先か」じゃないですけど、女性性の否定が先なのか、コスプレ道の追求が先なのかは正直云ってよく解りません。ですが、「女性性」を中心に見ていくと、いろいろと見えてくるものがあります。

女性ミュージシャンで、ファンのコスプレ率の高い人と云えば、椎名林檎さんが思い浮かびます。彼女の場合、彼女自身が自分の女性性と折り合いをつけるためにコスプレ三昧に走ってるという印象があります（苦笑）。ヘンな話、結婚→出産→離婚と続くのも、彼女にとっては女性性と折り合いをつけるための迷走なのかなと。
で、やっと冒頭の話に戻りましたが、元ちとせさん。
彼女の扱われ方というのも凄いものがありますが（苦笑）、「神の声」ですよ神の声。穢れなき乙女と神託を授かる巫女と森の妖精が手を携えてやってきたくらいのイメージです。彼女のコスプレをしてるお嬢さん方というのは、やはり「無垢でありたい」んですかね。「巫女的なものへの憧れ」も含んでいる気がしますけどね。

今日のネタは、「コスプレ嗜好から伺う”あらまほしき自己像”の追求」女性篇でございました。ほとんどデッチ上げに近い気もしますが（苦笑）。
この管理人、実はコスプレ経験皆無でして、出てくる話はほとんど「人づてに聞いた話」であることを特にお断りしておきます。

（註：この文章は、管理人の7月3日の日記を改訂したものです）
先日、某音楽雑誌になかなか気色の悪い文章が載っておりました。
以下に引用します。

彼女は、家族の借金返済のために
風俗店で働いていた。
彼は、彼女にその店で出会った。
始めはただのお客さんだった彼は、いつしか彼女のことを本気で愛していた。
彼の気持ちにうたれて彼女は仕事を辞め、2人はようやく結ばれるコトとなった。
けれども、結婚式をひかえたある日、何故か彼女は遺書も残さずに自殺してしまう。
彼女が自殺した理由は誰にもわからない。
でももし、いつまでもキレイでいたい、
愛されていたいという気持ちがあったのなら、
彼女は笑顔で天国にいったのだと思いたい。

「バスのうた」story by COO

この文章は、COOという女性シンガーのアルバムの広告で使われていたものです。引用部の太字部分は、実際の広告では見出しのように大きめの活字で組んでありました。

この文章、管理人は正直云ってものすごく不快なのですが、自分なりに、どこらへんがどう不快なのかを突き詰めてみます。
まず、この書き手は自分のつくった物語の世界に酔っているだけだと思うんです。
いえ、物語世界に酔うのはご本人の勝手ですが、ただ、あまりにも「家族の借金返済のために働く風俗嬢」に対して他人事でありすぎるのです。
しかも、この物語は「結婚前に元風俗嬢が自殺」で終わってしまいます。それが、書き手の「自分のつくった物語に対する他人事のような接し方」と相まって、絶妙な後味の悪さを醸し出します。
正直云って、このオチだと「何？ 風俗嬢は生きてしあわせになっちゃいけないって云うの？」と誤読する人間がいても全然不思議じゃないと思います。というか、管理人は誤読しました。
というわけで、「この不景気、誰だってこういう状況に陥る可能性はあるのにさぁ……書き手の視野が狭いっていうの？」と訳知り顔で日記のほうは締めていたのですが、本日、あることに気がつきました。

「この話、風俗嬢役が男だったら普通にスルーしていた気が……」

……やべー（滝汗）。

管理人、風俗嬢に対してはそこまで他人事のように思えないのですが、これがやおいネタなら完全に他人事です。自殺しようが馬事東風です。
……書いてて自分が嫌いになってきました。
このことに気がついてから、正直、心の中で誰かに謝りどおしなのですが……誰に謝ってるのかよく解りませんけど。

これを突き詰めていったらいろいろと嫌なものが出てくるような気がするんですけど……すいません、今日はここで逃げます。