あなたの名は・・・ 第二章

 

 

「さあ! どうだいティニー? なかなかいい格好をしているじゃないか?」
「ううっ・・・うう!!」
ティニーの姿を楽しそうに見るヒルダ・・・


地下牢での饗宴は続いていた・・・
今・・・ティニーは全裸にされていた。そして体を鎖によってX字になるように立たされ、拘束されていたのだ。
半ば、浮かされたような状態のため、手足を拘束する鎖が肉に食い込み、痛みを感じる。
目には黒いアイマスクがされており、また口はボールギャクによって塞がれている・・・
体の全ての裸をさらし、また口と目を塞がれているティニーは、淫らな姿を醸し出していた。
ティニーの顔がひどく赤くなっている。恥ずかしさと惨めさのために・・・

今、ティニーはヒルダやその男たちが自分を、どの様な目で自分を見ているのか分からない・・・
でも・・・これだけ恥ずかしい格好を晒しているのだ・・・
あまりの羞恥のために、泣きたくなるティニー・・・
これから自分がされる事を想像し、また助けを求められる状況でもないことが、さらに彼女の心に絶望をもたらしていた。

「では・・・はじめようかね・・・」

ヒュル・・・ビシンッ!!

何かがしなる様な音がしたと思ったら、その瞬間、彼女の背中に激痛が走った。
「ふぐっ!!!」
痛さに悲鳴をあげるティニー。しかしその悲鳴はボールギャクのせいで、くぐもったものに変わってしまう。
(な・・・なに!?)

・・・ヒュ!
また・・・何かの空気を裂くような音・・・

ビシンッ!!
「ふぐう!!」
また、背中に激痛が走った。ひりひりと痛みが押し寄せてくる・・・
「ううっ・・・」
「どうだいティニー? 鞭の味は?」
(・・・鞭・・・?)
今、彼女の背中を襲っているのは鞭だった。
背後から男が鞭を振るい、ティニーを痛めつけているのだった。


ビシンッ!!・・・バシンッ!!
「うっ・・・ふぐっ!・・・」
打たれる度に体が、ビクン! と震える。
(やめて・・・痛い!!)

どんどん赤くなっていく彼女の背中・・・
全裸の彼女の肌には、直接鞭が届く。そのため、痛みも衝撃も和らげることができなかった。
赤く変色していく彼女の背中とそれに伴う痛み・・・
その度に奪い去られていく体力と気力・・・
熱くなっていく体・・・
アイマスクによって視界を奪われているため、暗闇しか見えないティニーにとって、それらの刺激に意識を集中させてしまう。

ビシンッ! ビシンッ!! バシン!!・・・
少しずつ・・・鞭が振るわれる間隔が短くなっていく・・・
男が徐々にスピードを速めているのだ。
「ううっ!!・・・うぐ・・・うっ」
男は・・・どんどん狂気に任せて、ティニーを痛めつける。
赤い筋が、ティニーの背中に浮かび上がっていく・・・

「痛いかい? そりゃ痛いだろうね・・・くくっ・・・」
ヒルダは苦しむティニーを眺めている・・・
「いい様だよ・・・あの女と同じ様に・・・お前もいたぶる事が出来て・・・」
(・・・あの女?・・・)
苦痛の波に飲み込まれていながらも・・・ティニーはその言葉を聞くことが出来た。
「まったく・・・あの女も、本当に嫌な女だったよ・・・娘のお前を守るために、自ら私の陵辱に身を委ねたのだからね・・・泣かせるね・・・はん! 感動し過ぎて反吐が出る!」
(まさか・・・ティルテュお母様のこと・・・)
自分の母が、何をされていたのかを知り、愕然とするティニー。
(ティルテュお母様も・・・私を守るために・・・こんな仕打ちを受けたというの?・・・なんて酷い・・・)
幼く、無力なティニーの存在は、ヒルダにとって格好の標的だった。
ティルテュは、それを防ぐために・・・自分から身を捧げたのだった。

自分の存在が、母を苦しめていた・・・
その罪悪感に苛まれるティニー・・・
(私が・・・お母様を・・・)

・・・でも・・・
(・・・でも・・・許せない・・・)
そう・・・自分の存在が守るために身を呈してくれた母を・・・
(この・・・女・・・ヒルダを・・・・)
狂気に・・・欲望に任せ、陵辱したヒルダを・・・
(許せない!!)

このヒルダだけは許せなかった。
今まで、身内の人間と戦うことに、戸惑いを覚えていたティニーが・・・
はじめて自分が・・・この叔母に殺意を覚えた瞬間でもあった。



「まあ・・・あんたも結局は母と同じ運命になるんだからね・・・あの女もとんだ無駄骨をおったもんだよ・・・」
(くっ・・・お母様を侮辱しないで・・・)
「さあて・・・私もお前を可愛がってあげようかね・・・」
そう言うと、ヒルダはティニーの両胸を掴み上げた。
「うっ!!」
視界を奪われているティニーは、思いかげない方向からの責めにうろたえた。
「ほほっ・・・可愛い胸だね・・・」
ゆっくりと・・・ゆっくりと・・・こねるように揉み回していく・・・
「ううっ!・・・ん・・・」
(ダメ! やめて・・・)
先ほどと同じように・・・胸を責められるティニー。
しかし、先ほどと違って目が塞がれているため、体に与えられる感触をとても意識してしまう・・・
暗闇の中で・・・刺激だけが自分を襲っているような感覚に陥る・・・

・・・ぺロ・・・
「んひっ!!」
突然、自分の乳首を、何か生暖かいものが滑った。
・・・ぺロ・・・ベロン・・・
「・・・ふひ・・・んふっ!・・・」
(私の・・・乳首が・・・)

ヒルダは、ティニーの乳首を舐め上げているのだ。
ティニーの乳首に舌を合わせ・・・何度も・・・何度も・・・舐めあげる。
「んふう・・・ううっ!・・・うは・・・」
舌を舐めあげると同時に、胸に当てた手に力を入れる。
舐められ・・・唾液により、てらてら光る乳首・・・
揉まれ・・・妖しく形を変える乳房・・・
・・・強制的に感じさせられる自分・・・

「んはっ!・・・ううん・・・ん・・・」
首を横に振って・・・自分の中で生まれてくる感覚を振り払おうとするティニー・・・
でも、何度も・・・胸を責められて、その度に体が熱くなっていく・・・

「可愛いよ・・・快感を感じてしまうお前がね・・・ふふっ・・・でもね・・・」

ヒュン!・・・バシッ!!

「はぐう!!」
また・・・鞭に打たれるティニー。

「お前を・・・ただ感じさせるつもりは・・・ないんだよ・・・」

ビシッ!! ビシン!!
「はぐ!・・・んは!!・・・かはっ!」
でも、胸を責められるのも止まる事はない。
力強く・・・何度も舐められ、揉まれるティニーの乳房・・・
「んっ・・・ふぐっ!!・・・うふ・・・くふぁ!・・・」
悲鳴と・・・甘い声を交互に出してしまう。

体の前で行われる甘い感覚を呼び起こす責め・・・
体の後ろで行われる体を傷つけ、苦痛を与える責め・・・
二つの、一見両極端に思われる責めを同時に行われる。

彼女の口に収まっているボールギャクの穴からは、耐えず涎が流れ出していた・・・
分泌され、口内に溜まっていた涎が溢れ出していたからだ。
口から垂れた涎は、糸を引き・・・滴り落ちていく・・・
涎は床に落ちたり、彼女の胸に落ち・・・その箇所を湿らせていく・・・

「なんだい、なんだい?・・・こんなに涎なんかながしちゃってさ・・・これじゃ、おしめの取れない赤ん坊と一緒だよ。」
乳首を解放し、顔を上げたヒルダは、そのままティニーの顔に自分の顔を近づける・・・
もちろん、目を塞がれたティニーには、目の前にヒルダの顔があるとは分からない。
ヒルダは今度は、ティニーの口の周りに舌を這わせた。
「うっ?」
(なに?)
いきなり自分の口を舐められ、ティニーは驚く。
ボールギャクから洩れる涎をすくい、味わうように動かされるヒルダの舌・・・
(舐められている・・・口がヒルダに・・・いやだ・・・やめて!!)
ヒルダに口を舐めまわされていることを察したティニーは、顔を横に振り、ヒルダを振り払おうとする。
しかし、ヒルダは、彼女の双丘を揉んでいた両手の内、左手を解放し、逆にその手でティニーの顎を掴んで、顔を動かせないようにした。

「諦めの悪い子だね・・・」
ティニーの抵抗を封じたヒルダは、羞恥で赤くなるティニーの顔を舐め回した。
鼻や頬に舌を這わせ、またうなじにも舌を這わせた。
うなじを責める光景は、美姫の首筋に牙を突き立てる吸血鬼を連想させる。
「うっ・・・んふっ・・・」
首筋を舐められ、甘い声を上げてしまう・・・

それでも・・・
ビシッ!!
「・・・んがあ!」
彼女は、ただ快感だけを与えられることはなかった・・・

「どうだい? 快感と苦痛・・・どっちが好きだい?」
一通り、ティニーの顔を嬲ったヒルダは尋ねる。
ティニーはひたすら顔を振って、拒絶の意思を表す。
「なんだい? これだけじゃ物足りないって?」
その意思表示を自分の都合のいい様に解釈するヒルダ。
「ううっ!!・・・うう!!」
ティニーは懸命に首を振り、それを否定する。

「では・・・物足りないお前のために・・・そろそろ・・・」
呟きながら・・・乳房を責めていた右手を・・・
「うううっっ・・!!!」
(やめてえええぇぇぇ!!)
彼女の股間に持っていったのだった・・・
「たっぷり・・・ここも・・・感じさせてあげるよ・・・」

(いや・・・嫌だ!! お願い・・・やめて!)
彼女は懸命に、股間に当てられた手を払おうとする。
しかし・・・鎖で四肢を拘束されているティニーに、それが払えるはずもなく・・・
「うひっ!・・・くははっ!・・・」
ただ、ヒルダの責めを受け入れるだけだった・・・

苦痛や性感の刺激で、女の体が震える度に、手足の鎖が肉に食い込む・・・
鞭とは違う痛みが彼女を襲う。
(手足が痛い・・・痺れてくる・・・)
宙に浮かされた状態だけでも痛いのに・・・
望みもしなく動いてしまう体のせいで・・・さらに痛みは増していった。


そんなティニーを尻目に、ヒルダの右手はクリトリスと秘口を同時に責めていた。
人差し指で彼女の秘口の淵をなぞり、親指でクリトリスを転がしていた。
「ううっ!!・・・んっはあ!」
(こんなところを・・・責められるなんて・・・)
視界のないティニーのとって、今はヒルダの手と舌、そして背後の男が振るう鞭だけしか・・・感じることができない・・・
自分が・・・このまま闇に溶けていってしまいそうな・・・
そんな気がしてしまう・・・

「もう・・・濡れているじゃないか・・・なんてはしたないんだよ・・・お前は・・・」
既に、彼女は秘所は湿り気を帯びていた・・・
汗と愛液が彼女の秘所にたっぷりと溜まっていたのだ。

(違う・・・やだ・・・こんなこと・・・)
認めたくなかった・・・
こんなことで・・・こんな人達に・・・

自分に起きている変調を、自分が汚されているのに・・・感じてしまっていることを・・・
ティニーは信じたくなかった・・・


「うぐっ!・・・うう・・・んううふ・・・」
クリトリスと秘所を丹念に弄られていく・・・
クリトリスを回すように転がし、また時々、押しつぶすように潰してみたりした。
秘所に対しては、淵をなぞっていた人差し指は徐々に彼女の中に進入していった・・・
進入し、ほぐすように・・・掻き回すように指を動かしていった。
着実に・・・彼女の性感を引き出していくように・・・

「うっ・・・ふっ・・・んはあ!」
「気持ち良いんだろ?・・・そうなんだろ?ティニー・・・」
(違う・・・ちが・・・う・・・)
「分かってるんだよ! 感じていることぐらい!」
ヒルダは一気に、人差し指と中指を彼女の膣内に挿入した。

「はぐぅ!」
何者も侵入した事がない場所に、初めて異物が侵入した。
一気に二本の指を入れられた秘所は、ギチギチと悲鳴をあげている。
彼女の秘所は・・・二本の指を受け入れるだけでも、痛みを感じるほど狭かった。
「狭いね・・・まあ、これからほぐしてやるよ・・・」
二本の指が、彼女の中で円を描くように動かされる・・・
愛液が出ているためか、掻きまわすたびに、ヌチャ、ネチャといった湿った音が発生する。
「ほほっ・・・これだけいい音がでるとはね・・・」
円運動をさらに速めるヒルダ。

(やめて・・・もう・・・もう・・・)
ふと・・・彼女の目を塞ぐアイマスクが濡れていることに気づくティニー・・・
それは額の汗が流れてきた事と、彼女自身の瞳から涙が出ている結果だった。
自分が泣いていたことに初めて気づくティニー。
苦痛と屈辱・・・快感と恥辱・・・
無垢な少女には、あまりに酷い行い・・・
悲鳴をあげることすらできない彼女には・・・今は、ただ泣くしかなかった。

でも・・・そんな彼女の心とは裏腹に・・・
彼女の体は加害者の思惑通りに、鞭による責めに苦痛による悲鳴と、ヒルダの責めで与えられる快感による喘ぎを出してしまう。
それが、彼らを喜ばせることになるのに・・・

「ふふっ・・・随分ほぐれてきたね・・・」
その通りだった。
先ほどの指を入れたときの固さはなくなっており・・・指も動かすことに抵抗はなくなっていた。
指がなめらか動けば動くほど・・・彼女は大きなうねりに飲み込まれていく。
「ん・・・ふっ・・・ううはあ!・・・あふ」
ほぐされた秘所と溢れた愛液は、ティニーが望んでいない快感を高めていく・・・

「では・・・そろそろ・・・本格的に・・・」
ヒルダは、屈んで股間の前に自分の顔を持っていった。
左手の人差し指と親指で、彼女のクリトリスを摘み上げた。
「あふん!!」
そして・・・摘み上げて、指と指の間にあるクリトリスを舌で責めた。
「あううう!!・・・くっ・・・あん・・・」

秘所を掻き回す右手は、今度は突き上げるような挿入に動きを変えた。
指を3本に増やし、何度も出たり入ったり繰り返す。

ヌチャ・・・ヌチャ・・・クチャ・・・

「はううう!・・・んっ・・・んっ・・・うう!!」
(動かさないで・・・やめて・・・助けて!!)

ビシッ!! バシ! バシンッ!! バシン!! 
後ろからティニーを襲う鞭も、さらに激しさを増した。
もう・・・彼女の背中で、蚯蚓腫れがない部分などなかった。
どす黒く変色しているティニーの背中・・・
ほんの少し前には、彼女の肌は白く、美しい肌だったのに・・・

苦痛と快感・・・
二つの刺激が、ティニーを追い詰めていく・・・
「ああ!!・・・うっは!・・・くううぅぅぅ・・・んんあぁ!」
股間からは秘所が水音を出し、背中は鞭によって肉が悲鳴をあげる。

秘所に挿入を繰り返す指・・・
すでに愛液が充満しているために、挿入するたびに愛液が水飛沫をあげる。
ヒルダの手はティニーの雫によって、ベトベトに濡れていった。
太ももの内側も自らの愛液でべっとり濡れており、滴り落ちたそれは床に水溜りを形成している。
ジュブ!・・・ジュブ!・・・ギュチュ!・・・
「くはああぁ!!・・・うはあ!!・・・ああ・・・」
「そろそろ・・・イクんじゃないかい? ティニー・・・」
(えっ・・・イク・・・って・・・)
「随分切羽詰っているみたいじゃないか・・・いいよ・・・イカせてやるよ」
ヒルダは・・・ティニーの中の指の動きを速めた。
同時に、背中を打つ鞭も速くなる。

ジュブ!・・・ニュチュ・・・グチュ!・・・グチュ!・・・ネチャ!
ビシン!  ビシンッ!! バシン! ビシン! ベシンッ!

「あぐうっ!!・・・うはあ! あふう・・ううぅぅ・・・ぐはっ!・・・あっ・・・あああううぅぅ・・・んん・・・はぐぅ!!」

彼女を拘束する鎖が、チャラチャラと音をあげる。

視界がない中で・・・全ての抵抗ができない中で・・・
着実にティニーは、感じされられ・・・傷つけられていった・・・
そんな中でも・・・彼女の体は・・・
「ああうう! あっ・・・あっ!・・・んんはあ!」
(何?・・・私・・・のなか・・・で・・・なにかが・・・)
絶頂を迎えようとしていた・・・

「存分にヨガリな・・・この雌豚!」
ティニーに屈辱の言葉を投げつけるヒルダ。
そう言いながら、彼女は手の動きを最高潮にする。
鞭もヒルダにならって、どんどん速くなる。

「ああふう・・・うはあ!・・・あふう・・・ぐっ・・・んっ・・・あうう」
彼女の中で大きくなっていく何か・・・
それを抑えようとするティニー・・・
でも、責められることによって、それは否応なしに大きくなっていった・・・

「あぐうう!・・・たふ・・・ぐは!・・・あっ・・・あっ・・・あああぁぁ!!」
(・・・ダメ・・・もうこれ以上は・・・ああ・・・誰か・・・誰かあぁぁぁ!!)

悲痛な心の叫びも・・・くぐもった悲鳴をあげても・・・
彼らの責めはとまることはなく・・・
ひたすら・・・ティニーは昇り詰められるしかなかった・・・

「ああ!・・・あうううあ!!・・・あぐう!・・・んんんあ・・・」

そして・・・彼女が限界を迎えた時・・・

ヒルダは、ティニーのクリトリスに歯を立て・・・背中の肉は、ついに耐え切れなくなり、皮が裂け、血が飛び散った・・・


「あああああぐうううぅぅぅぅぅ!!!」

苦痛に満ちた絶叫とも、感極まった嬌声とも聞こえる叫びを出しながら・・・
ティニーは達したのだった・・・

彼女の足元の床には、彼女の秘所が吐き出した愛液と、背中の傷から流れ出した血が混ざり合い・・・不気味な色をした水溜りを形成していた・・・




「はははははっ!!! とうとうイッたんだね〜・・・ティニー!」
ヒルダの高い声が響く・・・
しかし・・・ティニーはその言葉に、特に反応はしなかった。
いや、聞こえていないのかもしれない・・・
今のティニーは人形のようにうな垂れており、体も鎖に支えられていなければ、崩れ落ちていただろう。

「おい! お前たち! 外してやんな!」
その声に男たちは、ティニーの戒めを外していく・・・

手足の鎖を外した途端、ティニーの体は床に倒れた。
うつ伏せに倒れこむティニー。

男たちは、その彼女を抱え、上半身を起き上がらせた。
そして、ポールギャクを外し掛かった。
ベルトに手をかけ、留め金を外す。
零れ落ちるボールギャク・・・
「・・・ぷふぁ!」
塞がれていた口が解放され、思わず声が洩れる・・・

零れ落ちたボールギャクは、ティニーの唾液を存分に含んでいたため、床に小さな染みを作る。

続いて、アイマスクに手がかかり、後ろの結び目を解いた。
アイマスクを外して、うつむくティニーの顎を掴み、上を向かせた。

ティニーの目は、焦点を失っていた。
涙を出していたのか、赤くなった瞳は、目の前のものでさえ何も映していないように見える。
消耗しきった表情・・・紅潮している頬・・・
それは・・・ヒルダの望みどおりの表情だった。
「・・・あ・・・う・・・うっ・・・」
呆けた表情で、呆けた声をかすかに出す。

「どうだい? 気持ち良かったかい? ティニー・・・」
顎を掴んだまま尋ねるヒルダ。
しかし、ティニーは視線を逸らし、何も応えようとはしなかった。
その反応を示したティニーに対して・・・
「あはっはっはっ!なるほどね・・・相当気持ち良かったみたいだね。何しろ声も出せないみたいだからね・・・」
自分なりの解釈をし、笑って話し掛けるヒルダ。

「・・・ううっ・・・」
あまりの惨めさと、恥ずかしさ・・・罪悪感に泣きそうになるティニー・・・

そんなティニーに対して・・・
笑っていたヒルダの右手が上がっていった・・・
そして・・・

ピシン!!
「ああっ!!」
突然、ティニーに平手打ち浴びせるヒルダ。
それをまともに受けたティニーは、再び床に打ちつけられる。
「あぐう!!」
平手打ちの痛みと、石畳に打ち付けられた痛みに、悲鳴をあげるティニー。
倒れたティニーのおさげを掴み、ぐいっ と持ち上げるヒルダ。
「うっ! い・・・いたい!」

一転して、ヒルダは声を荒げながらティニーに喋る。
「ふんッ! 汚らわしい・・・汚らわしいんだよ! お前は・・・」
髪を掴み上げる手に入れる力を強めるヒルダ。
「なに犯されて、昇り詰めているんだい・・・恥ずかしくないのかい? ふんっ! 雌豚とはお前みたいな女のことを言うのだろうね・・・」
屈辱的な言葉を叩きつけていくヒルダ。
「くっ・・・私は・・・」
必死に、その言葉に抗おうとするティニー・・・
しかし、ヒルダは髪を掴んだまま、さらに平手を浴びせた。

パシン!!

「あうっ!!!」
頬が赤く染まるティニー。
「豚が人間の言葉を喋るな!! まったく・・・虫唾が走る・・・」
・・・ヒルダの狂気が・・・暴走をし始めた。
「お前みたいな奴には・・・たっぷりと罰を与える必要があるみたいだね・・・」
その言葉が、耳の中に入ってきた時・・・
ティニーは凍りついた。
(そんな・・・まだ・・・)
既に、気力も体力も奪われたティニーには、その言葉はあまりに残酷で、衝撃的だった。

「たっぷりと・・・罰を与えてやるよ・・・たっぷりと・・・おい! 持ってきな!」
そう言うと、男たちは、牢屋の外に出て行った。
そして、三人掛りで、何か木でできた大きな物を持ってきた。

「・・・そ・・・それは・・・」
ティニーは、この様な物を見たことがなかった。
自分の腰ぐらいまでの高さがあるその物体は、異様な形をしていた。
三角錐の形になっている木材に、脚が付いているだけの物なのだが・・・

「これは・・・三角木馬と言って、お前みたいな雌豚にはぴったりな代物なんだよ」
「三角・・・木馬・・・」

ティニーは、それがどのように使われるものなのかは知らない。
しかし、とてつもない不安がティニーを襲う・・・
「さてと・・・お前がどんな声で鳴いてくれるのか・・・楽しみだねぇ・・・」
ヒルダが嬉しそうに言った。
「いやだ・・・お願い! もう・・・イヤ・・・」
「覚悟するんだよ!」
ティニーの声に耳を貸さないヒルダ。
男たちが、これからの饗宴のためにティニーの身体に群がる・・・

(もう・・・私・・・)
今の・・・ティニーにできることは・・・
・・・絶望に身を委ねる事だけだった・・・












イシュタルは宮殿に戻り、内部の人間からティニーの捕らえられているという地下牢の位置を突き止めた。
しかし、そこには現在ヒルダがティニーに対して拷問を行っていると言う・・・
(早く・・・助け出さないと・・・)
ヒルダの実の娘であるイシュタルは、母の狂気を知っていた。
できるだけ、早く助けなければ・・・ティニーは・・・
(・・・ティニー・・・)
自分の従姉妹である少女を心配するイシュタル。


(・・・でも・・・)
助け出すことはできる・・・とイシュタルは考えている。
しかし・・・

(ティニーを助け出すと言うことは・・・ユリウス様に反抗するということ・・・)
ユリウスが、ヒルダの行為を容認した以上・・・
その行為から、ティニーを助け出すということは、ユリウスに逆らうということでもあるのである。
自分も反逆者とされ、追われる身になるだろう・・・

恐怖が体を駆け抜けていく・・・
しかし、それは反逆者となるから・・・ではない。

(ユリウス様から・・・離れることが・・・怖い・・・)
という想いが、彼女の中にあるのである。
『怖い』という形容は正しくないかもしれない。
彼から離れるという行為自体が、イシュタルにとって未知の恐怖なのである。


なぜなら・・・

(なぜなら・・・私は、ユリウス様の人形だから・・・)


(・・・今まで、私はユリウス様の行いや望みに対して・・・何も言えなかった、何も反対できなかった・・・)
圧政・弾圧・虐殺・子供狩り・・・それらの所業に、イシュタルは何もできなかった。
一番・・・ユリウスの近くにいる存在の自分が・・・

(なぜ・・・いつも意見を言うことができなかったの?・・・イシュタル・・・例え聞き入れられなくても、誤ったことを正すように言うべきではなかったの?)
いつも・・・イシュタルは、何も言えないし・・・何もできなかった・・・

(それどころか・・・その行いに・・・命令されるがままに手を貸すなんて・・・)
そう・・・イシュタルは本心でなかったとはいえ、子供狩りを行い、帝国の反乱者たちを、その強大な力で葬ってきたのだ。
悪魔に魂を売ったとまで、噂されるようになった。

(悪魔に魂を売った・・・か・・・  ふふっ、その通りなのかもしれないわね・・・今まで、多くの悲しみを作り上げてきた人間なのだから・・・)
今までの戦い・・・今までの殺戮・・・今までの謀略・・・
それらで死んでいった・・・殺していった人々の顔が脳裏をよぎる。

(今まで、本当に多くの人を手にかけてきた・・・私の手は血で汚れすぎている・・・)
自分が・・・もう救いようのない人間であることを、イシュタルは重々承知していた。

しかし・・・
(でも・・・あの子だけは助けたい・・・)
さっきの少年が、自分の幼馴染を守ろうとしたように・・

そう・・・幼き頃より共に育ち、いつも自分を信じてくれたティニーだけは、なんとしても助けたかった。

たとえ、それがユリウスに逆らうことになっても・・・

自分とティニーの間にある絆を守るために・・・










「あぐうううううぅ!! やめてええぇ!! 助けてええ!!」

地下牢に、絶叫が響き渡る・・・
ティニーに対して・・・非常な責めは続いていた。

「どうだい?お前みたいな雌豚にはお似合いだろう?」
「ひぐっ!・・・くっ・・・ああああ!」
ヒルダの問いにも、まったく顧みる余裕はなかった。

今、ティニーは三角木馬の上に跨がされていた。
先端の鋭角になった部分がティニーの股間を傷めつける・・・
両足にはそれぞれ、鎖によって分銅が吊り下げられていた。
それらが、さらに痛みを強めていた。
両手も抵抗できないように、縄で後ろ手に締め上げられていた。

「うぅ!・・・ぐは! ああぐうあ・・・」
全身を覆うほどの脂汗が流れ落ちる。
あまりの苦痛で、ただ絶叫しか上げる事ができない。

体をよじって、その苦痛から逃れたい衝動に駆られる。
しかし、動けば動くほど・・・木馬の先端はティニーの股間に食い込み、さらに痛みが増した。
でも、体を動かさないようにしようとしても、痛みが彼女の体を震わせてしまうのだ。
「くああっ!・・・いや・・・いやああぁ!!」
彼女は懸命に頭を横に振って、苦痛を振り払おうとする。
しかし、そのような行為で苦痛が消えることはなかった。

「ふふふっ・・・ティニー痛いのだろう? 泣きたいのだろう? いいんだよ、泣いて・・・声を上げて、情けなく泣くがいい・・・あはっはっはっ・・・!」
ティニーの苦しむ姿・・・痛みの声を味わうことができて・・・
今、ヒルダは心底満足していた。

(痛い・・・苦しい・・・もう・・・いやだ・・・)
股間から全身を貫く衝撃が走るたびに、ティニーは追い詰められていく・・・

「助けてやってもいいんだよ?ティニー・・・お前が、自分のことを『雌豚』と認めることができたらねぇ・・・」
ヒルダはティニーを心底貶めようとする・・・

「いやだ・・・絶対に嫌!・・・」
ティニーは首を、ぶんぶんと振って、拒絶の言葉を懸命に出す。
首を振るたびに、汗が振りまかれる。
既に、ティニーは度重なる陵辱と苦痛のために半狂乱になっていた。
半狂乱のために理性は遠のいていたが、それでも屈したくない気持ちが強いのか、それでも拒絶の言葉を出していた。

「ふん・・・ここまでされていて、まだそんな事がいえるんだねえ・・・いいよ・・・それじゃ、もっと楽しいことをしてやるよ! お前たち! たっぷりと教えてやんな。 自分の立場ってやつをね!」
ヒルダが、周りの男たちに命令する。
その命に男たちは全員、鞭をもった。
今度は、一人ではなく三人全員が・・・である。

「ひっ!!」
その光景に・・・ティニーは恐れおののく。
(また・・・鞭を・・・)
先ほどの、悪夢がまた繰り返されようとしていた。

鞭を持った三人は、木馬の周りを周回する。
そして、周回しながらティニーに鞭を振るった。

ビシン! ビシン! バシン!!  

「あぐうううう!!」
今度は、三本の鞭がティニーの体を襲う。
胸、左肩、そして先ほど散々に打たれた背中に、それぞれが命中した。
打たれた部分が赤くなる・・・
特に背中は、既に裂けてしまうほど打たれていたので、その激痛は凄まじいものだった。
「うっ・・・くうぅぅぅ・・・」
ヒリヒリする感覚に、ティニーは苦痛の吐息を漏らす。

男たちは、何度も何度も鞭を振るう。

ビシン! バシン! ベシン! バシンッ! バシン!

「あぐああぁ! くはああぁ! やめて・・・うっ・・・くわあああっ!」
体の全ての部分に鞭を打たれるティニー・・・
体だけではなく、今度は顔面にも容赦なく鞭が振るわれた。
ティニーの幼いが美しい顔に、醜い蚯蚓腫れが発生する。
裂けた背中にも鞭が襲う。
一度は凝固して、出血が止まりかけていた傷口が、また衝撃を受けたことにより開いてしまう。
背中を赤い筋が垂れていく・・・

ヒュン! 
鞭の一撃がティニーの頭を襲った。
「くああぁ!」
その一撃で、ティニーの左のおさげのリボンが弾けた。
ティニーの髪が解け、広がっていく・・・
「ほう・・・意外とリボンを解くと大人っぽいじゃないか?」
鞭を振るった男が素直な感想を言った。
髪が解けたティニーには、意外な大人の魅力が現れていた。

そんな中でも・・・責めは続く
鞭が責める度に体が震え、その動きでさらに股間に木馬が食い込んでくる・・・
「ひぐう・・・くふ・・・うううううぅぅぅぅっ・・・!」
既に股間の肉は、これ以上ないほど悲鳴をあげていた。
これ以上、食い込んだら・・・
(裂けちゃう・・・裂けちゃうよ!!)

男たちの鞭も、さらに激しさを増していた。
既に、彼女の体で鞭が届いていない場所などなく、体中が赤き筋に覆われていた。
背中だけではなく、左の太ももや、右の乳房が裂けて、流血していた・・・
そこから流れた血は・・・彼女の体と木馬を血で染めていった・・・

「あらあら・・・これだけされても・・・まだ意識があるだなんて・・・意外だね。あの泣き虫のお前が・・・」
ヒルダは感心したように言った。
だが・・・
「これじゃ面白くないんだよ・・・」
そう言うと、ヒルダは先ほど運ばせてきた道具箱に手をやり、何かを取り出してきた。
それは今、自分の足に吊り下げられている分銅だった。
「もっと増やしてあげるよ。」
鞭で打たれ意識が朦朧とした中でも、その言葉ははっきりと聞こえた。
「・・・そっ・・・そんな・・・やめてええぇぇ!! もういやだああぁぁっ!!」
力の限り・・・泣き叫ぶティニー・・・
瞳からは、心と体の痛みのために涙がこぼれる。

「うるさいんだよ! このガキ! お前はあたしの玩具なんだよ!! いちいちあたしのするにことに口ごたえするな!! 」
ヒルダの目と心には、もう正気というものは存在していなかった。

ヒルダは自分でティニーの元に行き、その両足に新たに一つずつ分銅を新たにつけた。
その途端、さらに股間への痛みが増した。
「!!・・・くああううぅぅぅ!!・・・やめてえぇ! はずしてえぇっ!! とって・・・おねが・・・い・・・ですから・・・」
「ほらほら・・・食い込んでいくよ・・・」
楽しそうにティニーの股間を見やるヒルダ。
股間にくっきりと木馬が食い込み、あまりに痛々しそうに見える。

「さて・・・ほかにも面白いことを・・・」
と言うと、ヒルダは再び道具箱の中から何かを取り出した。
小さな箱であった。
ヒルダはその箱の蓋を開ける・・・中には赤っぽい粉が入っていた。
「ただの辛子をすりつぶしたやつだよ・・・これをね・・・」
ヒルダは手で掴み、それをティニーの背中に塗した。

「!?・・・ぎゃあああうううぅぅぅ!!!」
激しい痛みが傷口から起きる。
傷口が燃えるような感覚に襲われる。

「しみるかい? そりゃしみるだろうね・・・傷口に辛子なんて塗られたらね・・・」
そう言いながら、ヒルダは全身にそれを塗りたくり始めた。
全身を鞭で打たれ、傷だらけになっているティニーの体中で激しい痛みが発生した。
「ああああああぁぁぁぁううううぅぅ!!」
全身が燃えているような・・・そんな感覚に陥る。
「痛いだろう? 熱いのだろう? ふふっ・・・まだまだ、やってやるよ・・・」
ヒルダが一旦、ティニーから離れると・・・また男たちが鞭を振るい始めた。
「ぐわあああ!・・・きゃあああぁ!・・・あっ・・・ぐわあああぁぁぁ!!!」
ティニーから発せられるものは悲鳴と言うより、断末魔に近いものになっていた・・・
苦しみもがき・・・体が激しく痙攣する・・・
木馬に晒されていた股間も、いつのまにか限界を超えて裂けていた。
股間から・・・血が流れ落ちていく・・・

もう・・・彼女の体は・・・血と傷で覆い尽くされていた・・・
美しさを称えていた彼女の体には・・・もう以前の面影は無かった。

(もう・・・だめ・・・私・・・)

彼女は、既に体力も消耗し、気力も尽きていた。
痛みに・・・陵辱に・・・もう抗うことできなくなっていた。

人形のように・・・
ただ、成すがままにされるだけだった。

そう・・・

自分がこのヒルダたちに破壊されるまで・・・














(ティニーの髪って・・・とっても綺麗だよね!)

・・・?

(こんなにしなやかで、みずみずしい髪・・・とっても美しいよね・・・)

(そんな・・・フィーの髪だって、とても綺麗よ)

(ありがとうティニー! ・・・それにしてもティニーって、これだけ長いと手入れが大変でしょう? 結構難しいそうな髪型だし・・・)

(うん・・・少し、手入れは大変かもね・・・でもこの髪型、とても気に入っているの・・・)

(そうなんだ・・・はあ・・・ティニーの髪って私から見ても魅力的だな・・・長くて女の子っぽいし・・・)

(フィーも少し伸ばしてみたら?)

(ダメダメ! 私、髪の手入れが苦手なの・・・だからショートにしているの)

(そうなんだ・・・)

(でも・・・本当は一度伸ばしてみたいけどね・・・えへ!)
フィーがはにかんだ笑いを見せる・・・

(きっとフィーも似合うわよ! だってフィーってとっても魅力的だから・・・)

(ありがとう・・・じゃ戦いが終わったら、一度伸ばしてみようかな・・・?)

(その時は、私に髪の手入れをさせてね。)

(うん! お願いね。)



その時・・・

(フィーが伸ばすのか・・・ううむ・・・想像できないな・・・)
突然、男の人が聞こえた・・・

(・・・それって・・・どういう意味? アーサー?・・・)
フィーが少し膨れた表情をしながら、その男に言葉を投げかける。

(言葉通り・・・フィーがどんな感じ風に変身するのか、想像できないから・・・)

(私だって分からないわよ! だから挑戦してみたいんじゃない!!)

(挑戦?・・・なるほど・・・女の子っぽくなる挑戦か・・・)
アーサーが納得したように、うんうんと頷いている・・・

(なによ!! それじゃ、まるで私が女の子っぽくみえないって言ってるようなものじゃない!!)

(・・・・そんなことは言ってない・・・)

(言ってるようなものよ!)

フィーとアーサーが問答を繰り返す。
すかさず、ティニーが間に入る・・・
(兄さんもフィーも・・・喧嘩しないで!)

(・・・ふん、ティニーに免じて今日は許してあげるわ。 でも、妹はこんなにいい子なのに、なんで兄はこんなに捻くれているんだが・・・)

(・・・フィーの方が酷いこと言ってるぞ・・・)
アーサーはちょっと傷ついたようだった・・・

そして・・・
もう一人・・・別の男が現れた・・・
(フィー・・・ちょっと言いすぎだぞ!)
フィーの兄・セティだった。

(お兄ちゃん! だってアーサーが・・・)

(でも、言い過ぎだぞ。)

(・・・うん)
実の兄にたしなめられ、フィーは静かになる。

でも・・・
(うんうん! セティに言うとおりだ。 まったく兄はこんな良い人なのに、それに比べて妹は・・・)

(・・・アーサー・・・本当に殴るわよ!)
フィーがぶるぶる震えている。

(やめて! フィー!)
ティニーが懸命にフィーを抑える。


そして・・・フィーを抑えるのに、しばらくの時間を擁した。



(ところで・・・喧嘩の原因は?)

フィーを抑えたセティが尋ねる。

(アーサーが私の髪のことでおちょくったのよ!)

(フィーの髪?)

(そう! 私がティニーのように髪を伸ばしたいっていったら、アーサーがおちょくるのよ!)

(ティニーの髪のように・・・か・・・)

(私だって女の子よ! 綺麗な髪に憧れるわ! ティニーの髪のような・・・ねえ?お兄ちゃんもティニーの髪って綺麗だと思うでしょう?)

(・・・ああ・・・ティニーの髪はとても綺麗だ・・・本当に・・・)

(えっ?・・・そんな・・・セティ様・・・)

(ちょ、ちょっと・・・ティニー! 顔が赤くなりすぎよ!)

(だ、だって・・・)

(あっ! すまない・・・ティニー・・・)

(お兄ちゃんも謝らないの!)

(二人して・・・赤くなっている・・・)

セティとティニーは、顔を真っ赤にさせていた。
そんな二人を見て・・・アーサーとフィーは笑っていた。

ささやかな・・・ほんの一瞬の幸せの光景・・・








(私の髪・・・誰かに・・・よく相談していたような気がする・・・)









(どう? ティニーこんな髪型は?)

鏡を覗き込んでいた幼き頃のティニーは、後ろの女性を振り返った。
(・・・うん! とってもいい! ありがとう、イシュタルお姉様!)

(ティニーの髪って、さらさらしていて・・・とても気持ちがいいよ)

(イシュタルお姉様の髪のほうがすごいよ! このお城の中で・・・一番綺麗な髪をしていると思うもん!)

(それはいいすぎよ。 ティニー・・・)

(あとね・・・笑顔も一番可愛いと思う!)

(何をいっているの? 一番笑顔が可愛いのはティニーよ。私が保証してあげる!)

(そんな・・・うれしい! イシュタルお姉様!)

(だから・・・もっとティニーは魅力的になると思うわ。だから常日頃から髪のお手入れとか気をつけなきゃダメよ。 分からなかったら何でも教えてあげるから。)

(うん! 分からなかったら、色々教えてください! イシュタルお姉様・・・)

そしてティニーは、鏡をもう一度見る・・・

(やっぱり・・・少し・・・お手入れが大変そう・・・)

(・・・うん・・・そうかも・・・)
イシュタルも少し心配になる。

(・・・分かったわ。 これから朝になったらティニーの髪を整えに来てあげる。手入れに慣れるまで、私が直に色々と教えてあげるから・・・)

(本当!?・・・うれしい!)

イシュタルに抱きつくティニー・・・

(!! ちょ、ちょっとティニー・・・)



(イシュタルお姉様! だ〜い好き!!)














(ごめ・・・ん・・・なさい・・・)

激しい苦痛と、絶望の中・・・
彼女は、自分の思い出の中に出てきた人たちに・・・謝っていた・・・


(フィー・・・アーサー兄様・・・セティ様・・・そして・・・イシュタルお姉様・・・)

激しさを増す陵辱の中で・・・

ティニーは、自分が本当に大切に思う人たち・・・自分を大切に思ってくれた人たちとは・・・もう会うことができなくなってしまったことを感じていた・・・

もう・・・自分は・・・ここで最後を遂げてしまうのだと・・・



(・・・フィー・・・ごめんね・・・髪のお手入れ・・・してあげられそうもないの・・・)

朦朧とした意識の中で・・・

(・・・アーサー兄様・・・もっと母上の事とか・・・色々とお話したかった・・・)

ティニーは自分の大切な人たちに別れの言葉を述べる・・・

(・・・セティ様・・・私は・・・あなたの事が・・・)

自らの想い・・・そして・・・

(・・・そして・・・イシュタルお姉様・・・今までたくさんの思い出・・・たくさんの優しさを・・・私に下さってありがとうございました・・・今まで、本当に色々と助けてくださったのに・・・ここで朽ちる私を・・・許して・・・ください・・・)

大切な人と過ごした日々を・・・振り返った・・・



(本当に・・・ごめんなさい・・・)




そして・・・彼女の意識は・・・

暗闇の中へと落ちていったのであった・・・

 

 

あなたの名は… 第三章

 

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