あなたの名は・・・ 第七章  番外編

 

 

「こら!待ちなさい、アーサー!」
「そうはいかないな・・・」
夜のドズル城の廊下をやかましい風が駆け抜けていった・・・

薄い紫が入った銀髪の青年を緑髪のショートカットの少女が追いかけていく。
フィーとアーサーであった。
「とっとと捕まりなさいよ!お仕置きしてあげるんだから!」
「だから、捕まるわけにはいかないんだよ。」
大きな声で叫びながら、二人は全力疾走している。
夜も深まり始めた時間でのことである。
周囲の者達にとって、迷惑この上ないことであった。

この二人がマラソンをはじめて20分ぐらいが経っていた。
事の原因はアーサーの妹ティニー、フィーの兄セティことであった。
ティニーが帝国より救出され、先ほど気絶した状態から回復したのだが・・・
その場に駆けつけたセティは彼女をしっかりと抱き締め、ティニーもそれを受け入れた。
二人は互いに思い合っていたのだ。
そんな二人をアーサーとフィーは複雑な気持ちを抱きながらも祝福し、二人だけにするために部屋の外に出たのだが・・・
そこで、いつもの調子を取り戻したアーサーがフィーをおちょくり、この展開になったのである。

「逃げるな!」
「じゃ、怖い顔をして追いかけるなよ・・・」
二人は今までに何度も同じような行動をとっており、あまり珍しいことでもなかった。
周囲の人間は二人のこのような行動や口喧嘩を一種のコミュニケーションと考えていた。
仲が良いほど喧嘩する・・・ということである。
だが、どんな風に仲が良いのか、それは殆どの人々には判断がつかなかった。
恋人のような、親友のような、相棒のような、喧嘩友達のような・・・
様々な関係にも見えるし、どの関係にも当てはまらないようにも見える。
恐らく、他人にも、そして当人たちにも分らないだろう。
互いの関係をどう思っているのか・・・
お互いに愛は確かめ合ったはずなのだが、それでも関係は変わったようには感じられなかった。
当人たちがそこまで深くは考えた事がないだけかもしれないが・・・



二人のマラソンは終結しようとしていた。
廊下を走り抜けていくうちに、彼らはアーサーに割り振られた部屋に近づいていった。
まだ、ドズル城を陥落させてから間がなく、整理も進んではいない部屋であった。
アーサーは全速力で走りながら、自分の部屋の存在に気づいた。
そして部屋の前まで到達すると、ドアを開けて中に逃げ込んでいった。
「逃がさないわよ!」
フィーも腕をブンブン振るいながら、アーサーの入っていった扉に数秒遅れて突入していった。
「追い詰めたわよ!!」
フィーは扉をバンと開いて、中に入った。
だが、彼女の視界には薄暗い部屋の中にあるベットや戸棚、そして月光が差し込む窓しかなかった。
「あれ?・・・確かにアーサーが・・・」
アーサーを追っていたフィーは狐につままれたような顔になった。

その時だった。
開いていたドアが勢いよく閉められ、何かがフィーを後ろから強く抱き締めたのだった。
「きゃ!なに!?」
さすがのフィーも驚き、心臓が破裂しそうだった。
「ホラ、捕まえた」
後ろから抱き締めた男がポツリと言った。
「なにすんのよ!アーサー!」
後ろから自分を抱き締める男の名を叫ぶフィー。

フィーを後ろから抱き締めたのはアーサーだった。
彼は部屋に駆け込んだ後、彼はドアのすぐ横にピッタリと張り付き、フィーが入ってくるのを待っていたのだ。
そして、入室してきたにもかかわらず、すぐ横のアーサーに気づかなかったフィーを後ろから抱き締めたのであった。

「こら!離しなさいよ!」
フィーは後ろから両手と一緒に体をアーサーに封じられてしまったために、体を激しく揺り動かして解こうとした。
「離せないよ・・・だって、フィーを離したら、俺が殴られてしまうから・・・」
「殴りなんて・・・私はそんな事をしないわよ。平手打ちをあげるんだから!」
「・・・あのね・・・」
フィーの言葉にアーサーは苦笑した。
彼は暴れ続けるフィーを紫の瞳で見つめながら・・・
「じゃ、こっちも一つ・・・」
アーサーは自分の中で暴れるフィーの両手を体を抱き締めている左手で掴んだ。
彼女の細い手首が二本とも左手に捕まってしまった。
そして、片方の右手はフィーの胸へと運ばれていった。
今の彼女の服装はいつもの天魔騎士の衣装で、戦闘時とは違い、胸当てやら肩当てがない格好であった。
天魔騎士は伝統的に下半身にタイツのようなストッキングを履いており、その上にスリットの入った白い服装を好んで使用していた。
その服の上に浮かぶ膨らみに、アーサーの手が合わせられた。
「!?・・・あ、なにをするのよ!」
「だって・・・今のフィー・・・怖いから・・・」
アーサーの手が、中に納まっている胸を掴んだ。
「ああぁっ!」
「・・・可愛いフィーになってもらおうと思ってね・・・」
そして、彼女の胸を愛撫し始めた。

優しいが力を入れ、胸を撫で回す。
「こら・・・あ、あく・・・やめなさいよ・・・」
「本当にフィーの胸って柔らかいね・・・服の上からでも良く分かるよ。それに・・・」
彼女の胸の頂きがあるであろう場所を摘みあげる。
「きゃん!」
「フィーって・・・本当に胸が弱いんだね。」
乳首を刺激され、フィーの体がガクガクと震えた。
服がアーサーに揉まれ、皺となって歪む。

さらにアーサーは目前で揺れるフィーの頭に顔を近づけた。
「あれだけ走ったからね。フィーから汗の匂いがする。だけど、いい香りもするよ・・・」
そう言いながら、彼女の耳に息を吹きかける。
アーサーの息を感じた途端、フィーはさらに震えた。
「フィーは・・・ここも弱点なんだよね・・・」
アーサーは、赤くなる耳朶を舌で舐めた。
「んんっ!・・・あ、ア・・・サー・・・ううん・・・」
「ほらほら・・・段々フィーが可愛くなってきた。」
アーサーはフィーの力と強気が弱まっていくのを感じていた。
自分を撥ね退けようとしていた腕も徐々に自分を支えるためにアーサーにしがみついているものに変わり、足もガクガクし始め、自分の体重のために揺れ始める。
「ふふ・・・耐えられなくなってきた?フィー・・・」
「あふん!・・・ば、ばかっ!」
「本当・・・可愛いな、フィーは・・・」
優しい口調のアーサーだが、彼女の体に対する責めは強くなっていった。
胸にあてられている手も擦る動きから揉む動きへと変化し、舌も耳を中心として、首筋や肩に舌を這わせていった。
「あん・・・ひゃ・・・ああぁぁっ!」
フィーも段々と抑えが効かなくなってきているみたいだ。
「フィー・・・感じてる?」
耳元に優しく語りかけるアーサー。
「馬鹿!!・・・う、きゃん!」
「気持ち良いんだね・・・」
アーサーはフィーの体を抱きかかえた。
天魔騎士として類まれなる才をもつ少女の体は小さく、そして軽かった。
「フィーは本当に軽いね。」
「はぁ・・・はぁ・・・当たり前よ!」
アーサーに抱き抱えられながらも、彼女は強い口調で言った。


アーサーはフィーを抱えてベットまで連れて行き、彼女を優しくベットの上に横にした。
「あ・・・?」
ベットに寝かされた彼女は途端に起き上がろうとした。
だが、アーサーはそれを許さず、両手を抑えて彼女を組み敷く。
「フィー・・・今夜は一緒にいたい・・・」
アーサーはとうとう気持ちを告げ、彼女を包もうとした。
「・・・なんだか悔しいな。いつの間にかアーサーのペースにはまってしまった感じで・・・」
「・・・ダメ?」
念を押して訊ねるアーサーにフィーは・・・
「・・・ごめん。今日は少し気が乗らないの・・・」
「乗らないって?」
「分らない。でも、なぜか気分が上がらないの・・・」
フィーも先ほどまで追いかけっこをしていながらHに突入する気分には、さすがになれなかったのだろう。

だが、アーサーはやる気満々であった。
「なら、その気分にさせてあげるよ・・・」
アーサーはいきなりフィーにキスを仕掛けた。
しかも、唇同士を合わせた瞬間に唇を挿し入れてのディープキスである。
「アーサー!・・・んんっ!」
フィーは言葉を喋ろうとした瞬間に口を塞がれてしまったために、曇った声になってしまう。
アーサーは挿し入れた舌でフィーの歯肉を撫で回し、さらに相手の舌を探して、それに絡ませる。
フィーは巧みに舌を絡ませてくるアーサーに対抗する事ができず、絡め取られてしまった。
唾液を存分に含んだ互いの舌は重なり擦れるたびに僅かな水音が発生する。
アーサーはさらに両手を使って、彼女の体を擦り始める。
左手で彼女の胸を揉み、握る。
服の上からだったが、それでも十分過ぎるほどの快感がフィーに与えられた。
「んん・・・うん・・・ううぅぅっ!」
そして、アーサーの右手は両足の付け根に伸びていった。
フィーは咄嗟に足を閉じたが、アーサーの手の方が一瞬早かった。
潜り込んだ手は彼女の急所を布地の上からまさぐった。
「ううっ!・・・ん・・・あはっ!」
激しい刺激の直撃を受けたフィーは激しく顔を振ったために、アーサーの口の呪縛から逃れ、はっきりとした嬌声をあげる。
アーサーは胸と秘所の両方を服の上から刺激し続ける。
段々と荒荒しい愛撫になってきたが、フィーの体も比例して熱くなっていく。
「やめてよぉ〜・・・あん・・・ああぁ・・・」
「・・・ダメ」
「ダメって・・ア〜サ〜・・・きゃふ!」
「面白いな・・・フィーは・・・」
アーサーはフィーの反応を楽しみながら、着実に彼女を燃えさせていった。
股間をまさぐる手は布地の上からクリの位置を確認した。
ストッキングの下にも下着を履いており、彼女の花芯の位置を特定するのは困難なはずだが、アーサーは彼女との経験の中でだいたいの察しがつくのであった。
二枚越しとは言え、クリを刺激されてフィーは痙攣するように震えた。
それに気を良くしたアーサーはさらに二本の指で強く押すように擦り続けた。
「あっ!・・・ひゃ・・・きゃん・・・」
フィーの両手は既に解放されていた。
だが、フィーはその手でアーサーを撥ね退けようとはしていなかった。
アーサーの肩に軽く添えられているだけである。
もう、抵抗するだけの力が出ないのか・・・それとも、抵抗する気もなくなったのか・・・

しばらく、アーサーがフィーを愛撫していく内に一つの変化が現れた。
アーサーはフィーの秘所を嬲る自分の指に湿り気を感じたのである。
彼が覗き込むと、彼女のストッキングに染みが浮かび上がってきていた。
彼女の秘所が垂れ流した愛液が下着を濡らし、ストッキングも濡らしているのだ。
「フィー・・・濡れてきたよ」
「ああぁっ!・・・え・・・ええっ!?・・・嘘・・・」
「なんだかんだ言って・・・感じているんだ。フィーも・・・」
「・・・うっ・・・」
アーサーの邪な微笑みにフィーはなにも言えなくなってしまう。

彼は再びフィーの顔に自分を近づけ、耳元で囁く。
「フィー・・・抱きたいんだ。君を・・・」
「・・・アーサー・・・」
「ダメ?」
「・・・・・・」
フィーは熱い吐息を吐きながら俯く。
アーサーの愛撫に逆らえなくなっている自分。
その自分に素直になるべきかどうか悩んでいるのだ。

だが、次のアーサーの一言が決定打となった。
「俺はフィーの事が大好きだから抱きたいんだ。フィーは・・・俺の事が嫌い?」

その一言はフィーを揺り動かした。
「・・・そんなことないじゃない・・・」

目を閉じ、首をブンブンと振った後、フィーは大きな声をあげた。
「あ〜ん・・・もう!分かったわよ!Hをしてあげる!それで良いんでしょう?」
口調や意気はいつもの調子に戻っていたが、顔は真っ赤になっていた。
「うん、いいよ。ありがとう・・・」
そして、アーサーは彼女の頬に軽くキスをする。

「・・・まったく・・・卑怯なんだから・・・」






「ああぁ・・・うふぁんっ・・・ひゃあぁぁっ・・・!」
「フィー・・・可愛いよ」
「・・・当たり前よ。私は可愛いの・・・あっ・・・」
月の光だけが差し込む部屋のベットで、アーサーとフィーは愛し合っていた。
二人は全裸になり、横になって互いの体を合わせ合っている。
フィーの体は月に照らされ、その白い肌が幻想的な蒼白さになっていた。
「綺麗だな・・・フィーの肌・・・」
その肌の至るところにキスをしていく。
「ありがとう・・・お世辞でも嬉しい・・・」
「お世辞なんかじゃないよ。フィーっていつも着込んでいるから分からないけど・・・女の子達の中で一番綺麗な肌の持ち主だと思うよ。」
「なに?女の子の肌ばかり見比べているの?スケベ・・・」
「だって・・・仲間の女の子・・・みんな露出度高いじゃん。見えてしまうのだから仕方ないよ。男はみんなそうだって・・・それにね・・・」
アーサーはフィーに覆い被さり、その胸を手と口で愛し始めた。
「あ・・・ふん・・・あ・・・」
「俺のフィーの肌が一番美しいって・・・確認できたしね。」
「・・・ほ、本当かな〜・・・」
アーサーに褒められフィーは茶化して見せたが、その表情は嬉しさを隠しきれてはいない。

アーサーは囁きかけながら、胸に徹底した責めを始める。
乳首を口に含んで舌で転がし、両手で二つの膨らみを優しく揉む。
「あ、あぁ・・・ふはふぁぁっ・・・」
フィーはそれだけで全身がとろけるような感じを受けてしまう。
優しいアーサーの愛撫はフィーを熱くさせると同時に、安らぎも与える。
まるで、夢の中にいるような感覚を、フィーはアーサーに抱かれているときに抱く事が出来るのである。
それは今までフィーを抱いてきたアーサーが彼女の体の事を知り尽くし、彼女を包む込む方法を経験から学び取ってきた成果でもある。

だが、フィーにしてはちょっと複雑な気分だった。
強気なフィーにとって、この時には憎たらしいほど上手なアーサーに自分が思うように感じられさせられてしまう事が・・・
何か納得できなかった。
だから、時には自分からアーサーに意地悪をしてしまいたくなる。
「でも、アーサーも慣れてきたようね・・・」
「・・・なに?」
「Hのこと・・・最初の時のアーサー・・・それは酷かったもんね・・・」
ギク、とした表情をアーサーは見せた。
「あれはトラキアの山中で迷子になった時だったよね。私が偵察に出たとき、マーニャが翼を痛めて、一人で帰還できなくなったんだけど、アーサーが無謀にも一人で助けにきてくれたんだよね。でも、互いに山中で迷子になっちゃってさ・・・仕方ないからキャンプをすることになった時にはじめてHしたんだよね。・・・あはは・・・あの時のアーサーって言ったら・・・」
「おいおい!フィー・・・」
どんどん顔が青ざめていくアーサーをフィーはいたずらっ子のような笑みを浮かべながら見ていた。
「私の裸を見てオドオドしちゃって・・・『こんな感じでいいのかな?』とか『自信ないよ』みたいなムードもない言葉を連発しちゃってさ。」
「仕方ないだろ・・・俺、あの時が初めてだったんだから・・・」
「私だってあの時が初めてだったわよ。私も心臓ドキドキしていたのに、アーサーったらまるで泣き出しそうな顔でいたんだよね・・・ビックリしちゃった。それで、あの時なんかね・・・」
「待て!それはストップ!」
「私の中に入れようとした時なんて・・・私のアソコに触れただけで爆発しちゃって・・・」
「・・・・・・」
「あの時のアーサーったら・・・あ・・・」
フィーは自分が調子に乗りすぎた事を知った。
アーサーの顔が冗談抜きで暗くなっていたからだ。
(しまった・・・)
彼女は自分の大切な男の触れられたくはない部分をついてしまったのだ。
確かに、笑い話で済むことかもしれない。
だが、アーサーにとっては辛いことであっただろう。
実際、彼はその場でしゃがみ込んでしまったし、その後、しばらくはHをする時にも恐怖を感じていたのが抱かれていたフィーには分かった。
それだけアーサーにとっては辛いことを、自分は掘り出して笑いの種にしようとしてしまったのだ。
自分の浅はかさと愚かさが憎らしかった。

「アーサー・・・ごめん・・・私・・・」
「フィー・・・」
「私って最低。アーサーの触れられたくない所を平気で笑いながら侵害して・・・調子に乗って相手の事も考えないで・・・私・・・ごめんなさい・・・」
フィーは目を瞑りながら自分の罪を詫びた。
相手をとても傷つけたと考えていたからだ。
「フィー・・・気にしないで・・・」
だが、そんなフィーにアーサーは優しかった。
「大丈夫だよ・・・俺はあの時の事は気にしていないから・・・それにあの時のことのおかげで、俺はもっとフィーを愛するために色々勉強しなくちゃ・・・って気持ちになったんだ。ただ、自分の想いだけを叩きつけるだけではいけないって感じたんだから・・・」
「アーサー・・・」
「だからさ・・・フィーが気にすることはないからさ。あはは・・・」
フィーは嬉しかった。
アーサーが傷ついていないというのは嘘だろう。
だが、アーサーはフィーが沈むのを恐れ、わざとああいう事を言ってくれたのだ。
自分の過ちを優しく受け止めてくれたアーサーの気遣いが嬉しかった。
(ありがとうアーサー・・・やっぱり、私はダメなんだ。いつも、アーサーを引っ張っているのは自分だと思っていたけど、そんなことはない。いつも、私の事を優しく見つめ、包んでくれているのはアーサーの方だったんだ。私がアーサーに依存しているんだ。)
自分にアーサーのような存在がいてくれることに、フィーは大きな喜びを感じていた。

「うん・・・ありがとうアーサー・・・そして、ごめんね」
涙を目に浮かべながら、アーサーに笑顔を見せるフィー。
「謝らなくていいよ・・・それよりも俺は・・・」
アーサーは彼女の花に手を持って行き、それに触れた。
「ああぁ!!」
「フィーの乱れるところがもっと見たい・・・」
アーサーは彼女の花も直に責め始めた。
先ほどからの愛撫で彼女のそこはこれ以上ないほど濡れており、アーサーはしばらく花の周りを嬲った後、躊躇なく人差し指を挿し入れた。
スムーズに中に入りこんだ指は彼女のGスポットを的確に擦りあげた。
「きゃふんっ!・・・ああぁ・・・ひゃあぁぁっ!」
さらにアーサーは全身を移動させ、彼女の股間に顔を埋めた。
充血し、実を覗かせているクリを見つけると、アーサーはそれを舌で嬲り始めた。
「ああぁ!・・・ぁ・・・アーサー!・・・ああぁぁっ!」
彼女の腰の揺れが激しくなっていく。
アーサーはさらに指を二本に増やして、彼女の急所を責め続けた。
さらに口を窄めて大きくなったクリを含み、丹念にしゃぶった。
「ダメ!・・・あぁ!・・・い・・・いい!いいよ!アーサー・・・ひゃあぁ!」
フィーは自分の足の合間にあるアーサーの顔を両手で押さえた。
自分の秘部に顔を押し付け、さらなる刺激をくださいと言わんばかりに・・・
アーサーは頭を押し付けられ息苦しくなったが、それでも責めを止めはしなかった。
むしろ、さらに舌と指の動きを速めた。
二つの動きが速くなれば速くなるほど、フィーは感じ、新たなる愛液を大量に溢れさせた。
「ダメ!・・・ああぁ、ダメ・・・イッちゃう・・・イッちゃうよおおぉっ!!」
フィーの腰が激しく痙攣した。
と同時に、秘所に挿し込まれた指がギュウギュウと締め付けられる。
だが、アーサーは指の動きを止めることはなく、さらに激しく力強くGスポットを擦った。

「・・・ああぁっ・・・い・・・く・・・ああああぁぁぁぁっ・・・!!」
その瞬間、彼女の体が絶叫と共に一段と激しく弓なりになって痙攣した。
フィーは絶頂に昇った瞬間だった。

「・・・あく・・・ふぁあ!・・・はぁ・・・はぁ・・・」
弓なりの状態の硬直が切れ、フィーは激しい息遣いと共にベットに身を委ねた。
彼女の胸が上下に動く。

「フィー・・・」
アーサーは顔を上げ、フィーを覗き込んだ。
そのアーサーに気づいたのか、フィーは呆けながらも目を開けた。
「アーサー・・・私、凄く感じて・・・」
フィーはボーっとしていたが、はっきりとアーサー見つめていた。
「よかった・・・俺もフィーを悦ばせる事ができて嬉しい・・・」
アーサーはホッと胸を撫で下ろした。

フィーは上半身だけを起こした。
絶頂の余韻がまだ体から抜けないフィーにとって、自分の体がこれほど重いとは思わなかった。
「アーサー、とても上手だったよ・・・でも、それだけじゃないんだよ・・・」
「えっ・・・?」
「女の子って・・・好きな人と一緒にいるだけでとても感じやすくなる・・・とてもHな体になるの・・・私がこんなに感じたのはアーサーが好きだから・・・アーサーの事を想っているからなんだよ・・・」
「・・・フィー・・・」
「いつも喧嘩したり、いつも憎たらしい事を喋っちゃうかもしれないけど・・・私はアーサーの事が好き・・・大好き・・・」
潤んだ瞳で、頬を赤らめて、自分を真正面で見つめ、自分の事を好きといってくれる少女。
その少女が自分の胸に飛び込んできた。
胸に顔を埋め、もう一度彼女は自分の気持ちを伝える。
「アーサー・・・大好き・・・これが私の気持ち・・・」
アーサーはこれほど自分の胸で自分を好きといってくれる少女を愛しいと感じたことはなかった。

「なんだか・・・俺達のイメージに合わないな・・・こういうの・・・」
「ふふっ・・・そうかもね・・・」
「でも、たまにはいいかもな・・・フィー・・・さっきも言ったけど、好きだよ。俺もフィーの事が・・・」
「・・・ありがとう・・・でも、好きって何度言われても嬉しい言葉だね。アーサー、もっと言って!」
「分かったよ・・・好きだよ、好きだよ・・・大好きだよ!俺はフィーが大好きだ!」
「・・・うれしい!」

二人はその後、もう一度キスを交わした。
深く舌を絡ませあった後、二人は再びベットに倒れていった。
もう、今の二人に言葉はいらなかった・・・




「あああぁぁ・・・!・・・んんっ!アーサー・・!!」
「フィー・・・フィー!!」
二人は今、繋がっていた。
ベットに横たわるフィーをアーサーは体をピッタリと合わせ、その剛直でフィーを貫いていた。
グチョグチョとした激しい水音が、パンパンという肉と肉が合わさり合う音が・・・そして、二人の熱の篭った声だけが、部屋の中に響いていた。
二人とも目は瞑っていた。
自分達が合体している場所と相手の体が合わさり合う肌の感触だけを感じていた。
「もっと!・・・ううぅぅっ・・・ああぁぁっ!!」
フィーの体をアーサーの大きなペニスが貫く。
もっとも深い所まで挿入され、フィーは打ち込まれる度に大きな声をあげながら悶えた。
自分もアーサーをもっと感じようと、また、もっと自分を感じてもらおうと思い、腰を揺り動かした。
その動きはアーサーにも至上の快感を与え、更なる快感を求めて腰の動きを速めていく。
「あん!あっ!・・・あっ・・・あああぁぁぁっ・・・!!」
フィーはアーサーの事を想い、これ以上ないほど感度が上がっていた。
数度のペニスの往復で、フィーはたちまち軽い絶頂に昇らされていく。
だが、たて続けに打ち込まれて来るペニスは、一度高まった絶頂の快感を引かせることなく、さらなる絶頂を呼んで来る。
「ああぁっ!・・・いいよ!・・・凄いよ・・・アーサ〜・・・ひゃああぁぁっ!!」
「フィー・・・凄い・・・俺も・・・感じる・・・フィーを感じるよ!」
「うれし・・・い・・・きゃああぁぁっ!!・・・もっと感じて・・・!!」
ジュブジュブと掻き回されて白くなった愛液が溢れ出してくる。
フィーが感じている証明である愛液はアーサーを受け入れ、滑らし、二人に快感を与える役目を果たす。
だが、その殆どは役目を満足に果たすことのないまま流れ出し、二人の股間を汚して、シーツに染み込んでいった。

二人の思考は既に停止していた。
ただ、自分の体が発する快感と温かい気持ちだけが二人を支配していた。

「ああぁ・・・熱い・・・もう、ダメ・・・おかしくなる・・・おかしくなるうぅ!!」
「はぁ!・・・はぁ!・・・フィ、フィー・・・んん!!」
「壊れちゃうよ〜!!アーサー!・・・あああぁぁっ!!くわあああぁぁ・・・!!」
二人の嬌声は既に獣のような絶叫に変わりつつあった。
自分の声を抑える様な理性は、二人には残っていなかった。
白くなる意識の中で、二人の頭の中には大切な人の名しかなかった。

「アーサー!!・・・アーサアアアァァァッ・・・!!あああぁぁぁっ・・・」

「フィー!!・・・もう・・・俺!!」

「私も!!・・・ああああぁぁっ!!しっかりと抱き締めて・・・強く・・・強くぅぅっ・・・!」

アーサーはしっかりと彼女を抱き締めた。
自分の想いを、全てフィーの中に叩きつけるために・・・

「くううぅぅぅ・・・!!」
先に果てたのはアーサーの方だった。
熱い想いがフィーの奥に放たれた。
ドクン!!・・・ドクドク・・・


そしてフィーの中でも何かが破裂した

「・・・うわああああぁぁぁぁっっっ・・・!!!」

絶叫と共に、フィーの意識は暗い中に落ちていった・・・







・・・プニ!・・・プニ!・・・

「・・・うん・・・」

・・・プニ!・・・プニ!・・・プニ!・・・

「ううん・・・うん?」

フィーはやっと自分の頬が何かにつつかれているのを感じた。
うっすらと目を開けていくと、目の前に見覚えのある顔が飛び込んできた。
どうやら、その目の前の人物が自分の頬をつついていたみたいだ。
「・・・おはよう・・・」
「まだ、夜だよ・・・」
「そうよね・・・私よりアーサーが早起きするはずないもの・・・」
「あのね・・・」

フィーはやっと視界がはっきりしてきた。
自分とアーサーはベットで向かい合いながら横になっている。
二人とも裸で、自分の体に残っている温かさから、先ほどの情事から殆ど時間が経っていないみたいだった。

「私・・・どうしたの?」
「失神したんだよ・・・あのままね・・・2分ぐらいだけど・・・」
「そうなの・・・」
フィーはいまだぼんやりした感覚が抜けないようだ。
全身が鉛のように重い。
あれだけ乱れたのだから仕方がないが・・・

「そうか・・・私は失神しちゃったんだ・・・なんか悔しいな・・・」
先ほどの行為の記憶が少しずつ蘇ってくるたびに、フィーはちょっと悔しい気持ちが湧き上がってきた。
「悔しいの?」
「うん・・・アーサーに抱かれて嬉しいはずなのに・・・なんだか分からないけど悔しいの・・・」
プーと膨れるフィー。
「・・・フィーは負けず嫌いだからね・・・」
「・・・そうかも・・・」
あっさりと、フィーはアーサーの見解を受け入れた。
負けず嫌いなフィーにとって、一方的に相手にリードさせられ、失神させられるまで昇らされた事は素直に喜べない物があるのだろう。
もちろん、その相手がアーサーだから、それを受容できるのであろうが・・・

「さてと・・・今日は色々と疲れたわ・・・もう、寝ないとね。」
フィーは足元に畳まれていた布団を自分とアーサーに掛けた。
そして、大きなあくびをフィーはする。
「大きなあくびだね。疲れた?」
「あれだけ運動すればね。それだけじゃないけど・・・」
確かに、フィーはこの頃、目まぐるしい忙しさと戦っていた。
直接的な戦闘の他にも、天魔乗りとして偵察や連絡にも駆り出されていた。
それだけでも激務であろうニ、彼女はさらに先ほどまでティニーの看病までしていたのだ。
疲れが溜まっていた。
それにも増して、アーサーとあれだけ乱れたのだ。
普通ならダウンしているはずであった。

「ああ〜・・・明日はちゃんと起きれるかな・・・」
「フィーっていつも早起きだもんな・・・」
「アーサーが寝ぼすけなだけよ。」

実際、フィーは解放軍の女性陣の中でも一・ニ争う早起きだった。
彼女は日頃から早朝に愛馬マーニャの世話を欠かした事がない。
他の女性たちでフィーに匹敵する早起きはパティであった。
彼女は毎日、朝早起きして解放軍の朝食やら誰かさんへの弁当を作り始めるのだ。
時には夜通し弁当の仕込をしていたという事があり、仲間達に恐れられた事もあった。
フィーとパティが解放軍女性陣の中では早起きの双璧で、それに続くのは朝の走り込みを欠かさないラクチェ、早朝礼拝を欠かさないラナとナンナであろう。
平均的なのはユリアやアルテナで、比較的朝が弱いのはリーンやティニーであった。
リーンの場合は夜遅くまで仲間達を元気にするために踊り続けているため、夜更かしが多いからであろう。
意外にもティニーも朝が弱かった。
寝坊することはなかったが、朝は眠気眼でいる事が多く、食事中にこっくん、という感じでうな垂れる事も多かった。

「そう言えば、ティニーは明日辛いだろうな・・・まだ、傷も完全には癒えてないだろうし・・・私が明日、起こしに行ってあげよう・・・お腹も空いてるだろうから食事も持って行こう・・・」
「そうだな・・・フィーは俺より早起きだろうから、持っていってあげなよ」
「アーサーが起きるのが遅すぎるだけよ!」
ちなみに、アーサーはヨハルヴァと並ぶ解放軍屈指の寝坊常習犯だった。

「でも、あの後・・・セティお兄ちゃんとティニー・・・どうなったのかな?」
「あの二人のことだ・・・今ごろもお互いに気持ちの一つも伝えられなくて、モジモジしているんじゃないかな・・・?」
「あはっ!・・・そうかも・・・」
二人は互いの妹と兄の事をよく理解していたつもりだった。
その二人が思い描いた光景は、互いに顔を赤くしながら、いまだに胸の内を伝えられずに右往左往しているものだった。
それが彼らの予測だった。


だが、その予測は見事に外れる事となった・・・



「まあ、なんにしても・・・今日は疲れたわ・・・もう、寝るね・・・」
全身の疲れを感じながら、フィーは眠りにつこうとした。
「フィーも相当眠たそうだね。明日は珍しく寝坊するんじゅないか?」
「ふぁああぁ〜・・・そうかもね・・・そうしよう・・・明日ぐらい、少し起きるの遅れたって・・・マーニャも許してくれる・・・」
フィーはそのまま、まどろみの中に落ちていこうとした。
だが、その時・・・
ガバッとアーサーがフィーに覆い被さってきた。
「きゃ!なにすんの!?」
「フィー・・・今、言ったよね。明日は起きるの遅れていいって・・・」
アーサーの顔が嬉しそうに尋ねていく・・・
その顔に、フィーはビク!と震え、「しまった!!」と心の中で叫んだ。

「なら、もう一回しよう!もっと愛し合おうよ!」
と嬉々として言いながら、アーサーはフィーの体を抱いた。

「こら!!これ以上寝るのが遅れたら寝坊しちゃうわよ!!」

「一回ぐらいは良いんじゃない?」

「良くない〜!!」

「フィー・・・好きだよ!!」

「人の話を聞きなさいよ〜!・・・ひきょうもの――!!」



・・・二人の夜は、まだまだ長くなりそうだった。

 

 

 

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