「お前が眼鏡をはずした顔と言うのを、そういえば、見たことがないな」
ある日の午後、プラチナがジェイドにそう話を切り出したことから、事は始まった。
「なら外してみますか? 面倒なんでプラチナ様がはずしてくださいよ」
「…眼鏡をはずすくらいだろう」
しかし、提案したのはプラチナである。
その機会を逃すのも、と思い、そっと外す。
「どうですか?」
「やはり眼鏡があるほうが見慣れているから、違和感があるな」
「なんか酷いコメントですねぇ」
相変わらずの口調で、そう軽く抗議の意を示す。
「裸眼だとやはり見難いですねぇ」
よほど見えにくいのか、目細め、プラチナの顔を見つめる。
「そうか、なら…」
自分が眼鏡をはずしたせいだからと、再びジェイドの片眼鏡を戻すためにプラチナが近づく。
「いいですよ、たまにはこうして裸眼でプラチナ様の顔を見てみることにします」
ぐいっと、近づいてきたプラチナの手を引き、自分の胸元に引き寄せる。
「何を…」
抗議の言葉を紡ごうとした唇を自身のそれによって塞ぐ。
一瞬の抱擁と接吻の後、身の危険を感じたのか今度は素早くプラチナを離した。
「すいません、手が出ました」
そして全く罪悪感がこもっていない声で、詫びの台詞を言った。
「おい…」
抗議の声を発しようとしたプラチナに、向かってさらに一言付け加える。
「近寄らないとちゃんと見えないもので」
「その後が余計だ」
「たまにはこういうのも良いかと思いまして。何事も経験ですよ、プラチナ様」
「ものは言いようだな…。…全く高くついた。最初から狙っていたんじゃないのか?」
疑いのまなざしで、ジェイドを見る。
「そんなことするように見えます?」
にっこりと悪びれもなく、言いのけるジェイドにプラチナは軽いため息を漏らす。
「それに今更だと思いますが」
「…今度は先に言え」
憮然とした表情ながらも、そこに殺気や怒気は篭っていないことをジェイドは知っている。
「はい、プラチナ様」
ジェイドは笑顔でそれに答えた。
…いろんなパターンを考えたんですが、なんとなくこれに収まってしまいました。
前回がだらだらと長かったので、今回はすっきりとしてみたのですが…短いかも…(苦笑)
内容がないともいいますけど…いえ、それは前の話もそうなんですがっ(自滅)
プラチナって純情(私の中では)だと思うので、先に言ってしまうと駄目かなーと思ったのでこんな感じになりました。
先に言えと促しているのは心の準備…と言うことで(妄想パワー全開)
色々心残りもあるのですが、ジェイプラなので、私的にはもういいです(笑)
狡猾、理知的な攻め方はまた今度にすることにします(逃げ)
次は弱みネタでやりたいかと…(笑)
追記。
これを書いたのは電撃若の小説発売前でした…。
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