カミサマ…俺は生き汚い人間デス。
単純でバカな自分を作るのが、
時々溜まらなく嫌なんです。
いつもと同じ朝がきて。
深い深淵から浮かびあがって。
1番最初に何をする?
伸びを一つ。
頭かいて…
ベットから降りて……。
顔洗いに洗面所へ
蛇口捻って流れる水に、自然と浮かぶ笑顔もいつもと同じ。
なにもない深淵の夢の続きの赤いミズ。
諦メデモナインデス。
慣レテシマッタダケナンデス。
伝わる感情…疎み。恐れ。畏怖。
なにも言わなくってもわかってるって…。
俺が怖いんでしょ?……俺の中のキツネが。
大丈夫だよ…俺はまだ力も何にもないバカな子供なんだから。
そんなに怖いんなら…早く俺を殺しにきなよ?
デモ…俺ハ殺サレナイケドネ?
黒い感情を消すために。赤いミズを両手にとって。
顔をそれで洗いましょう。
大丈夫…タダノミズ。
顔を上げれば、鏡に写るのは俺。
キツネじゃない……ウズマキナルト。
「……おはよってばよ」
にっこり鏡のナルトに向かって笑えば…ホラ、いつもの俺になる。
朝の俺の小さな儀式。
赤いミズで顔洗って…鏡のナルトに笑顔を見せる。
それだけで…ほら…俺は悪戯坊主のナルトになれる。
光の中に飛び出して。
見送る人は誰もいないけど、ドア閉め際に元気よく。
「じゃ、行って来るってばよ」
……元気のいいナルトになるために。
カミサマ、俺ハ生き汚い人間デス。
誰かに疎まれるのは平気だけど…疲れるのは嫌なんです。
そんな自分が嫌いです。
カミサマ、俺ハヒトデスカ?
ヒトダトシンジテイイデスカ?
ヒトリハ別ニ平気デス。
疎まれる視線も平気デス。
その視線を向けられる間は…。
俺の事を見てるんでしょう?
胸がちくりと痛むのは…
きっと朝日が強いから……。
神様なんて…ほんとはいない。