ずるい自分。わかってるの。
 好きなのはサスケ君。気になるのはカカシ先生。
 でもね…でも本当に側にいたいのは……あの人。



 いつも笑ってる…強い心のあの人。



 ずるいよ…自分が恵まれてるからこそ思った欲張りな文句。
 だって…みんな素敵過ぎるの。

 サスケ君はクールでかっこいいし……。
 カカシ先生は、あの強さと大人の雰囲気にドキドキするの。


 でもね……きっと……ずっと側にいたいって思うのはあの金色のこ。



 キツネの仔なのよ…だから近づいちゃ駄目。
 よっぽど私が嬉しそうにあのこの事話してたんだろうって思うの。母さんが言いにくそうにそうわたしに言ったわ。
 でも…これは口外無用の掟なのよ?
 あのキツネもきっと知らない筈だから…サクラも言っちゃ駄目よ。


 最初は吃驚して…それから納得した。
 あぁ…だからあのこはみんなに嫌われてたんだ。





 可愛そう。
 最初に思ったのはそれ。
 だってあのこのせいじゃないでしょう。
 なのに…みんなに嫌われてるなんて……。














 母さんの嘘つき。
 あのこが知らないなんて嘘。
 あのこはみんな知ってたわ。
 にこにこ笑顔で…私の好きな笑顔で、あの子は私にあの日言ったの。




「そんな目で見られるのって…はっきり言って迷惑だってばよ」






 信じられなかった。
 迷惑?……ドウシテ?
 わたし…どんな目であの子を見ていたの?








 半端な同情の目を向けてるって気がついたのは、いつだったかしら。
 そうね…きっとこれだったら私のことをいやがるわ。
 でもね…私はずっとずっと貴方のことが気になり始めていたの。


 にっこり笑って冷たい言葉吐いた貴方の顔が、いつもと違う風に見えたのは、きっと私の気のせいじゃないはずでしょう?





 演技してるの?自分を守るために?









 なら、私はそれを見破ってあげる。
 貴方の側にいる人だけが見れる表情なら…私は意地でも見てあげるんだから。







 私のことが好きっていってたのは嘘でしょう?
 傷ついたんだからね…覚悟しなさい。
 本当に私の事を好きにさせてみせるんだから。






 ずるい自分。わかってるの。
 貴方の事なんか一つも考えてないんだもんね。
 サスケ君のことを好きだって公言しておきながら…私は貴方を振り向かせようってほら、今日も必死。



 でも、それが女の子なのよ?
 ずるくって、卑怯で…そして壊れやすいんだから。

 だから…私は私の持てる力総てをフル動因させて貴方の側にいるの。





 迷惑なんて言わせない。
 迷惑だって思ってても、慣れさせてみせる。
 私に不可能はないのよ?










 だって私は…幸せな家庭に育った恐れを知らない子供なんですもの。







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