打とうか 1
(1)
碁の神様は…孤独なのだろうか。
ボクも、ずっと孤独だったのかもしれない。
いや、ボクは孤独である事にさえ、気付かなかった。
ただ訳のわからない焦燥感と、何かが足りないという思いだけが、ボクを苛んでいた。
それが何だったのか、進藤、キミに会ってはじめてわかった。
ボクは孤独だったのだと。ボクはずっと一人で寂しかったのだと。
でも、今は違う。
今、ボクの前にはキミがいる。
ボクの一手に応え、共に神の一手を目指して歩いて行くキミがいる。
打とう、進藤。何百局でも、何千局でも、繰り返し、飽きる事無く。
そうしてボクたちは神の100万年の壮大な計画の中に、小さな、僅かな足跡を残せるのかもしれない。
進藤、キミに会えてよかった。
キミはボクの生涯の―
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