Eternal Promise 1
(1)
――その夜、ボクは恐ろしい夢を見てしまった。
10年後、ボクは棋院にいた。
本因坊戦の最終リーグ、進藤とあたることになり、緊張の面持ちで。
棋院のロビーにいると、周りの人たちの声が聞こえる。
『進藤と塔矢、どっちが勝つかなぁ……』
『それにしても相変わらず塔矢さんはスラッとして、見目麗しいというか。それに比べて進藤さんは……』
『進藤君、ありゃ身体に悪いよ。もっと健康管理に気をつけないと……』
すると、問題の対局相手が現れた。
手にはトレードマークになった扇子を持って歩いてくる。
のっしのっし、と。いや…どすっどすっ、か? 彼が歩くたびに地響きがしそうな勢いだ。
「よぉ、塔矢」
若干、野太くなった声が、ボクの名を呼ぶ。
恐る恐る顔を上げると、そこにいたのは――。
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