初詣妄想 1
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今日は、遅ればせながらアキラたんと初詣だ。
アキラたんと付き合って初めての新年。
もちろん今日祈るのは、アキラたんの幸せと、アキラたんの健康と、
そして最後にアキラたんと俺の円満な関係―――
「アキラたん!おはよう!明けましておめでとう!」
「あ、明けましておめでとう。それよりすまない、待たせてしまって…」
な、なんて謙虚なんだアキラたん…まだ10分前だというのに。
「ううん、いいんだよ、アキラたん。俺も今来たところだし、
アキラたんを待たせたくなかったし」
本当は30分位前から待っているんだけど、それは秘密だ。
アキラたんは大概、待ち合わせの10分前に着いて待っているけど、
よりによってこんな寒い時期に、
アキラたんを外で10分も待たせておくわけにいかない。
「じゃあ、行こうか?」
「うん」
アキラたんは極上の笑顔をくれて、俺も嬉しくて微笑んだ。
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