嘆きの少年王 1


(1)
豪奢な広い室内で、小姓たちに音楽を奏でさせていた少年王は、とつぜん演奏を
やめさせた。
「もうよい…!」
「どうか…なさいましたか、アキラ王よ。」
楽隊長が心配そうな顔で、少年王に近づき、尋ねた。
「レッドは…もう、ボクの事なんか忘れちゃったのかもしれない…」
アキラ王はポツリと呟いた。
「ボクよりも、イゴレンの仲間たちのほうが大事なのか、レッドは。」
アキラ王の伏せた睫毛がかすかに震えた。
「家老たちに悪気がなかったのはわかっているが、レッドに会えない日々は辛いんだ…。」
それはアキラ王を大事に思うあまりの失言であった。
だがそれがレッドを怒らせたのもまた事実であった。
「もう来ねぇよ!」
そう言ったレッドの姿を思い出すと、アキラ王は涙がこぼれそうになるのだ。
折角、この城にもきてくれるようになって、ボクはどんなに嬉しかったか。
それなのに、家老たちの、いや、それに気付きもしなかったボクも悪いんだ。
以前は敵対していたはずのこの城で、レッドがどんなに居心地がわるかったか。
それを気遣ってやれなかった、自分のいたらなさが悔しかった。
「もう2週間もボクは放置プレイだ。しかも来週もボクの出番はあるかどうか…。
ほった監督から台本も届かないし…。」



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