嘆きの少年王・訂正編 1


(1)
上体を押え込んだまま背骨の窪みにくちづけ、舌先で軽く愛撫すると、少年の身体が
びくんと跳ねた。
助けを求める少年の抗議の声に彼は耳を塞ぎ、背骨に沿って舌を這わせながら片方
の手で乳首を探り、摘み上げる。その刺激に少年が小さな声を漏らし、身を捩る。
そのまま乳首を玩びながら、ゆっくりと唇は背中から腰へと降りていく。
逃げようとする腰を抑え、双丘を割って谷間から秘められた最奥部へ向かって、たっぷりと
濡れた舌先をそろそろと降ろしていく。焦らすようなゆっくりとした彼の動きに、少年の腰が
震える。その反応に若干の違和感を感じつつも、入口への愛撫を止めず、とがらせた舌で
入口をつつき、弄り、ほぐしながら、唾液でそこを濡らしていった。
何かが違う、という気がする。彼の反応が素直すぎる。僅かに残された思考の隅でアラーム
が鳴る。だが呼び覚まされてしまった彼の獣性はそのアラームを無視して荒らぶり、捕らえた
獲物を責め立てようとする。
少年の拒否の声は何時の間にか彼の愛撫に応える甘い喘ぎ声と化していた。
だがその甘い声を妨げるように、耳障りな音が、彼の耳に聞こえたような気がした。
うるさい、と彼は思った。うるさい、邪魔をするな、と。
そしてその音には構わず少年への愛撫を続行しようとした。
が、その音に気を取られた彼の一瞬の隙をついて、少年は、自分の身体を押え込んでいた
彼の身体を蹴り上げ、そして彼の下からすり抜けて、振り返って彼を見た。
彼は蹴られた肉体の痛みよりも、突然逃げ出した少年が分からずに、半ば呆然として少年
を見詰めた。
怒っているのか、泣いているのか、それとも笑っているのか。
判別のつかぬような表情で、少年は彼を見詰めている。耳障りな音が更に大きく近づいてくる。
少年の顔を見ている内に彼の目は急に焦点が合ってきて、いままで目に入らなかった周囲
の光景の輪郭が明確になる。と同時に、耳に入る音が意味をなして聞こえてくる。
これは、誰だ。今、自分が襲い掛かっていた相手は。
彼の口から少年の名が漏れる。
その名は今やドア一枚隔てられた向こうから聞こえる声と同じものだ。



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