pocket-sized Xmas 1 
 
(1)
 
クリスマスの朝、枕元に人の気配がする。 
アキラたんがもう起きたのだろうか? 
「アキラた〜ん・・・メリークリスマス・・・」 
目を閉じたまま布団から手だけ伸ばしてアキラたんのいそうな辺りをまさぐったが、 
いつもの元気のよい「おはようございます!」の声はなくて代わりに何かが手に当たった。 
・・・・・・? 
触るとそれは何やら丸みを帯びたフォルムで、すべすべしている。 
これ、何だろう・・・こんなもん部屋に置いてたっけ。 
記憶を辿りながら、滑らかな感触が気持ちいいその物体をサワサワ撫でていると 
やがてそれがぴくんと動き、頭上で小さなくしゃみの音が聞こえた。 
(えっ!?) 
一瞬で目が覚めて、バッと起き上がるとそこには 
クリスマスの朝の眩しい光を背にした、神々しいばかりの―― 
普通サイズのアキラたんがいた。 
 
「――ア、アキラたんっ!?」 
「はい、塔矢アキラです。はじめまして」 
普通サイズのアキラたんはにっこり微笑むと、ぺこんと頭を下げた。 
俺がサワサワしていたのは床の上に正座しるアキラたんの滑らかなお膝だったのだ。 
「あぁっ、えーと、その、はじめまして・・・っ?・・・ててていうかアキラたん、 
何も着てないじゃないか!風邪引いたうよ!」 
俺が慌てて今まで使っていた毛布を掛けてあげると、アキラたんはまた微笑んで 
ありがとうございます、と言った。 
耳元で聞くアキラたんの少しハスキーな深くて優しい声に、腰が砕けそうになる。  
 
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