Shangri-La 1


(1)
駅前の碁会所で、アキラはヒカルと久しぶりに手合わせした。
検討に入ると、いつものように子供じみた口げんかが始まる。
お互いに引くことが出来なくて、
結局いつものように、ヒカルは碁会所を飛びだした。
あぁまたやってしまった、でもどうせいつもの事だ、しかたないな。
アキラは窓から、走って行くヒカルの後ろ姿を見送った。


翌日は棋院での手合日だった。
アキラはボードにヒカルの名前を見つけたが、ヒカルは姿を見せなかった。
今日はどうしたんだろう?と自分の勝敗を書き入れていたところで、呼びとめられた。
「塔矢君、ちょうど良かった。急で申し訳ありませんが、
今週末のイベント、協力をお願いできませんか?」
あぁ確かあいていたと思います、と答えながら手帳を開くと
依頼された当日の欄には確かに自分の予定はなく、
ヒカルの予定としてそのイベントが書き込まれていた。
「あぁ、あいています。いいですよ。」
「それは良かった。助かります。」
イベントの細かい説明があるから、と言われ、事務室へ寄ることになった。

エレベータを待ちながら、アキラは気になっていたことを口にした。
「ところで、今日進藤が不戦敗になっていますが?」
「あぁ…、お休みされたんですね。電話があったみたいですよ。
今日お願いしたのも、実は進藤君の代わりなんです。」
「え、今日も週末も休み、ですか?どうかしたんですか?」
「あ、えぇ…私は事情は知りませんが」
答えにくそうに返された事が、少し気にかかった。
後で電話しよう、と思いながら、アキラは促されるままエレベーターに乗り込んだ。



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