裏階段 三谷編 1


(1)
薄暗い明かりの下で、ベッドに横たわる彼のシャツの胸のボタンを一つずつ外した。
(…細いな。)
それが彼に対する印象の全てだった。
アキラも進藤も細身だが、成長期に差し掛かり、会う度に逞しく変化していく彼等に比べると
目の前の少年は同年代でありながら、大人になる為の何か一つをプログラムから
外されてしまっているように少女のような華奢な骨格を留めたままでいる。
威嚇するような、煽情するような派手な赤色のシャツの間から露になっていく肌は
呼吸をする事を忘れているかのように静止して白く浮かび上がり
大人と子供のというより、人と精霊の中間にいるような妖しさを漂わせていた。



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