七彩 1
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白磁の肌に長い睫が蒼い翳を落としている。
眦は切れ上がって瞳は翡翠色に煌き、鼻梁は細く、品良く薄い唇は薄紅の
花びらのよう。
白皙の美貌と形容されて然るべき容姿の少年が、どこもかしこも美しく
創られた中のほんの一部、細長い手指の先で白石を摘む。碁盤の上に白い手の
甲がかざされ、摘んだ石を器用に並べる。指先から小さな碁石が離れる度に、
ぱちり、ぱちり、と小気味良い音があがった。
ぱちり。
盤面へと視線を落とし、静かに棋譜並べをする伏し目がちなアキラの表情を、
ヒカルは息を凝らしてじっと見詰めていた。
目の前に座るアキラは人形のように美しい。男なのに、クラスの女子以上に
綺麗だった。だから思わず言ってしまったのだ。ヒカルはつい、ぽろりと。
「オレ、おまえが好きだ・・・・・・・・・塔矢」
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