少年サイダー、夏カシム 1
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2003年、夏。もうすぐ8月になるというのに、気温は未だに30度以下だった。時折顔を出す太陽も、今は雲に隠れるばかりで頼りない。
和谷はコンビニから出ると、どんよりとした不安定な空を見上げた。本来ならギラギラと太陽の光が照りつけ、蒸し暑い空気の中をセミたちが大合唱する頃なのに、冷夏のためか、その光景はどこにもなかった。それどころか街中では早くも秋物を身に付けている者までいる。
和谷はやれやれと思うと、歩き出した。この寒い夏のせいか、進藤ヒカルが風邪をひいたのだという。和谷はそのお見舞いに、ヒカルの家へと向かっていた。
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