失着点・展界編 1
(1)
携帯の着信音が鳴る音がする。ヒカルは即座に自分のではないと分かると
起き上がりかけた体を横にする。
「はい、もしもし、塔矢です。」
アキラが裸の上半身をおこし携帯を耳にあてて、何やら電話の向こうの相手と
打ち合わせの確認をしている。
ヒカルはむくりと起き上がると、やはり裸で電話中のアキラを背中から
抱き締め、耳を噛む。アキラはビクリッと肩をすくめながらもあくまで
冷静さを装って会話を続ける。
ヒカルは耳に舌を這わし、前にまわした手の指先でアキラの乳首を摘む。
「っん、あ…いえ、…何でもありません…、それで明日は…」
悪ノリしたヒカルはもう一方の手を毛布の下のアキラの下腹部へ伸ばした。
「…っ!…わ、…わかりました。それで時間は…」
アキラが片手でヒカルの手首を掴もうとするが、一瞬早くヒカルの手が
アキラのその部分をすっぽり包み、親指と人さし指で先端の果肉をくすぐる。
「…っは…はい、それで…っよろしくお願いします…。」
電話を切るなりアキラが振り返りキッと睨み付けてきた。
ヒカルは悪びれた様子も無く「ヘヘッ」と笑って舌を出してみせる。
だがどうやら本気でアキラを怒らせたらしく、アキラは無言でベッドから
出ると、バスルームの方へ向かった。
「おいおい、拗ねるなよ、塔矢ア。」
ヒカルも慌ててアキラの後を追ってバスルームに向かった。
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