やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん癒し系〜 1
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〜ヒカルたん癒し系〜
月明かりに照らされて暗闇に白く浮かぶヒカルたんの体を、トーマスは飽きることなく見
つめていた。
ヒカルたんは何時間にも及ぶ行為に疲れ果て、トーマスのベッドでぐっすりと深い眠りに
ついている。だがそれでもまだ離れたくないと、トーマスの手をぎゅっと握っていた。
トーマスはこれが夢ではないのかとヒカルたんに抱きついた。暖かい肌の感触、穏やかな
寝息、せっけんの香りがする体。目を閉じても確かに感じるヒカルたんの存在に、トーマ
スは嬉しくて涙を流した。
「…トーマス、どうかしたのか?」
いつのまにか抱きしめる腕に力が入りすぎてしまい、ヒカルたんは目を覚ましてしまった。
トーマスは急いで涙をぬぐう。
「泣いてるのか?」
ヒカルたんは心配そうに見上げた。
「なんでもねーよ。ただちょっと…おまえがそばにいるのが嬉しくてさ」
トーマスは顔をヒカルたんの胸にこすりつけるようにして抱きついた。ヒカルたんはまる
で母親のようにトーマスの頭をなでる。
「何バカなこと言ってんだよ。オレ達ずっと一緒にいたじゃん」
笑いながらヒカルたんはそう言った。
それをトーマスは唇を噛み締めて聞いていた。
ヒカルたんは若゙キンマンとの記憶全てをトーマスに置き換えていたのだ。
トーマスにとって今夜は初めて共に過ごす夜であるのだが、ヒカルたんはそれに気づくこ
となく、いつものようにトーマスに抱きついて眠った。
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