僕とヒカルたんのほのぼの初デート 1 - 2


(1)
「あの……ヒカルたんですか?」
「あ、うん、そうだよ」
「どうも、初めまして。なんか、ジャンピの印象と同じですね」
「あ、え、そう……」
「やんちゃで可愛いっていうか、なんか嬉しいです」
「ありがと」

 二人、いい雰囲気で横浜の中華街へと向かう。

「あの」
「はい」
「えっと、メールでの名前が番号になってるんだけど、ハンドルとか持ってんの?」
「ええ」
「どんなハンドル?」
「学生さんは名前がない、です」
「え?」
「学生さんは名前がない、です。まあ、名無しのハンドルですね」
「はあ……」
「ヒカルたんは、なにか食べたいものありますか?」
「えー……と、そうだなぁ……学生さんは名前がないさんは、なんかある?」
「餃子きぼーん」
「……え?」


(2)
「餃子きぼーん」

「餃子きぼん、っていうの? あの、どんな料理なの?」
「いや、料理の名前じゃなくて、餃子を食べたいっていうことです」
「はぁ……」
「あ、そうだ、ラーメソってどうよ?」
「え?」

「ラーメソってどうよ?」

「ラーメソってどうよって……いきなり言われても……ちょっと。
ラーメソって知らないんだよ……」
「僕があんまり美味しくないと思っているラーメンのことです」
「はぁ……そうなんだ……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「age」
「え?」
「いや、ラーメソってどうよに対する答えが聞きたいもので」
「はぁ……いや、ラーメン好きだけど、うまくないラーメンはあんま好きじゃない、ごめん」
「sage」
「……」
「もういいです、ってことです」
「……はぁ」

 こうして、二人の時間は過ぎていくのであった……。

 −姦(藁−



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