無題 1 - 2


(1)

「進藤…? 具合、悪いのか?顔色悪い。」
手合の開始時間ギリギリに、覚束ない足取りで対局場に駆け込んだところを
同じく遅刻寸前の和谷に呼びとめられた。
ビクリ、と、必要以上に反応してしまい慌てて平静を装う。
「へ、へーき。なんともない、ナイ。」
下半身からせり上がってくる痺れるような甘い疼きに耐え、不自然に中腰になりかかるのを
どうにか堪えつつ。
ぶんぶんと勢いよく顔の前で手を振り、笑顔を作って見せる。
冷や汗が頬を滴る。
かなりムリのある否定に和谷は曖昧な表情で首を傾げたがそれでも一応納得して
自らの対局の場へと向かった。

開始のブザーとほぼ同時に、対局者の前に辿りつく。
よりによって奥の端の席だった。
「遅れて、すみません。」
頭を下げながら、ガクガクと震え出しそうな腰をゆっくり落とす。
慎重に、正座する。
『中』のモノが飛び出さないように
刺激で 声が零れないように。

だが、ヘンに湿った熱い吐息は押さえられなかった。
内襞を微妙なリズムで擦り上げる異物がポイントを掠める度に ブルブルと体が震える。
今日の相手は、格下だった。
挙動不審なオレを見て、やはり具合が悪いと思ったらしい。
「あの、…大丈夫…ですか?」
「だ、だいじょうぶ。始めよう。」
対局時計を押した瞬間
ふと、視線を感じた。

---見ている。

斜め向かいから、塔矢アキラが、見ていた。
その口元が、薄く微笑を象った。
オレは弾かれたように目を逸らす。
激しい羞恥でカラダ中が充血するようだった。


(2)

『彼』は…楽しんでいる。

オレは歯を食いしばって 摩擦がもたらす疼きに耐えた。
前のモノの先端が濡れているのがわかる。
湿った下着が気持ち悪い。
甘い、淫猥な刺激に揺らめき出しそうになる腰をどうにか押さえつけ
意識を盤面に集中しようとする。
だが、後ろ…内部からの電動音が相手に聞こえそうで 気が気ではなかった。
ここで失態を晒せば、自分は棋院にはいられなくなるだろう。
その顛末を考えるだけで恐ろしい。
ココロは恐怖で竦みあがりそうなのに、カラダは激しい快楽で震えている。

…気が、狂いそうだった。

この対局を早々に終わらせトイレに駆けこめば、どうにかなる。
早く終わらせたい。
アタマの中はそれしかなかった。

対局者には申し訳ないくらいの非情な碁で勝ちをもぎ取ると、オレは礼もままならないまま
ふらつく足で逃げ出すように対局場を出た。
貼りつくように追ってくる視線には、気付かないフリをした。

トイレの個室に飛び込んで、震える指でジッパーを下ろす。
湿った下着がひっかかり、思うように取り出せない。
もどかしさに半ば半狂乱になりつつ、下だけ着衣を脱ぎ捨てた。
下半身だけを晒した姿で蓋をした便器に座り込み 自らのモノを掴む。
ソレは後ろからの刺激で既に硬く張り詰めていた。
「はっ、…あぁっ、ん」
触れるだけで 思わず吐息が漏れた。
カラダの芯がじんじんと疼く。たまらない。
我慢できない。

「あぁッ!!」
両手で激しく竿の部分を扱くと 声を抑えるのも忘れ
堪えていたものを一気に吐き出した。



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