ほしいまま-欲儘- 1 - 2
(1)
恋でもなく愛でもなく、ただ肉欲の為だけにそれをしたくなる時というのは
確かにあるんだとわかった。
塔矢は部屋に入った途端、オレを突き飛ばすようにして、布団の上に転がした。
息を荒げながら、のしかかり、シャツのボタンを外してくる。
最初の2、3個こそ、まともに外していたが、興奮して手が震えているせいで、
なかなかうまくいかず、だんだんイライラしてきたのか、最後の2個は結局
強引に引っ張って飛ばしてしまった。
そういうオレも、相当ギリギリに追いつめられてて、塔矢の背広を両手を背に回すついでに
脱がし、それからその首のネクタイに手をかけた。
ほどき方がわからなくて塔矢の首を閉めそうになる。
だが、それに気付いた塔矢が自らの手でネクタイをほどくと、布団の向こうに投げ捨てた。
(2)
塔矢のワイシャツを必死に脱がす。
気付かないうちに、こっちもボタンの一つや二つ飛んでしまったかもしれない。
次にお互いのアンダーシャツをこれもまた破りそうな勢いで脱がせあうと、
オレと塔矢はお互いに上半身は裸になった。
もう少し余裕があれば、ここで軽い前戯でもはじまる所だけど、今は二人とも
それどころじゃない。
塔矢は、顔をオレの股の間に持っていくと、ズボンの前のジッパーを口でくわえて、引き落とした。
その塔矢の様が、異様に官能的だと思っちまうオレも、そうとうイっちゃってる。
塔矢はそのままズボンの開かれた窓から見える、ブリーフに舌を這わした。
布越しの刺激なのに、むちゃくちゃ感じた。
もう待てない。
オレは塔矢のズボンに手を伸ばし、乱暴にそれを下着ごと引きずり落とした。
固くなり立ち上がっている塔矢の男が、あらわになった。
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