フランダースの犬ごっこ 2 1 - 3
(1)
ある日アキラたんは、愛犬のぱとヤシロを動物病院へ連れて行きました。
「ハイ次の方どうぞ」と、獣医が言うとアキラたんとぱとヤシロは診察室へ
入りました。
首輪・鎖をつけ、おとなしくお座りしている大柄な少年に、
それを平然と連れまわしている女の子と見違うような美形のアキラたんという
異様な光景・組み合わせに獣医はギョッとしました。
(これはどう対処したらいいのだろうか!?)
獣医は生まれて初めての事態に戸惑いました。
「こんにちは。今日はどうされましたか?」
あえて獣医は冷静に振舞おうとしました。
「ボクの大切な愛犬が風邪をひいたようなんです」
「そうですか。ところでこの・・・」
「この犬の名前は、ぱとヤシロといいます」
(どう見てもこれは犬じゃなくて人間だよなあ・・・・・)
場はシーンと沈黙に包まれました。
「じゃあ〜、とりあえず診察しましょうよセンセエ〜」
獣医の女助手が間延びした口調で獣医に助け舟を出しました。
「里美君、いったいどこをどう見ればいいのだろうか」
「適当にあしらえばいいんですよオ〜。最近おかしな人が多いですから、
まともに相手してたら身が持たないですよオ〜」と女助手は小さな声で
話しました。
それもそうだなと獣医は、ぱとヤシロを診察台の上に乗せました。
(2)
「どれどれ、フム。確かに目は充血して鼻水も出ていますね
確かに風邪のようですね。喉のほうはどうかな?」
ぱとヤシロは、バウッとひと鳴きすると、あんぐりと口を開けました。
「やや腫れているようですねえ」
心配顔で様子を伺うアキラたんに、ぱとヤシロは二コリと笑いながら
アキラたんの頬を舐めました。
その行為にアキラたんは微笑みながら、ぱとヤシロの頭を撫でました。
「心温まる情景ですねエ〜」
「そ・・・・・そうかね。診断の結果は風邪初期症状です。
滋養のある物を食べさせ、よく休ませてください
薬は無くてもこの感じでは、数日で治りますよ。
(犬の薬を人間に処方してたまるかっ!)」
顔をひきつりながら獣医は、なんとか笑顔をつくりアキラたんに説明しました。
「そうですか。どうもありがとうございました
よかったね、ぱとヤシロ」
バウバウと少しかすれた声で、ぱとヤシロは返事をしました。
「あの〜、お客さん。この子、何か芸とかできますウ〜?」
女助手はアキラたんとぱとヤシロに大きな興味が湧き、話しかけました。
「そうですねえ。舌技が得意です」
「舌技ァ〜? ああバター犬ってことですかァ〜」
「まあ大まかに言うとそうですね」
あっさりと平然とアキラたんは答えます。
(3)
「あとコレも自慢ですよ」
アキラたんは、ぱとヤシロのズボンをいきなり下ろしました。
「わあコレは本当に立派ですねエ〜!!」
大きなぱとヤシロの珍子を見て、女助手はビックリしています。
ちなみにぱとヤシロは、ポッと顔を赤らめました。
「ねえセンセエ〜、見て見て! 凄いですよォ〜」
「里美君いいかげんにしなさい! 次のお客さんを通してくれ!!」
獣医は怒鳴り散らし、アキラたんとぱとヤシロを診察室から追い出しました。
翌日からこの動物病院の看板には、『動物は動物でも人間お断り』と注意書きが
新しく付け加えられました。
数日が経ち、ぱとヤシロの風邪が治りかけた頃、アキラたんとぱとヤシロは、さっそくバタープレイにとりかかりました。
「ぱとヤシロ、今日はバターじゃなくてハチミツにしよう。
こっちのほうが喉にいいだろうしね」
ワンワンと嬉しそうにぱとヤシロは吠え、アキラたんの体にまぶされた
ハチミツを自慢の舌と珍子で丹念にご奉仕しました。
このハチミツプレイは、ぱとヤシロのご奉仕メニューに加わることとなりました。
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