馬妄想 1 - 3


(1)
朝起きたら俺は馬になっていた。

しかも塔矢邸のアキラたんの部屋の前の中庭に居る。
雨上がりの庭は湿った草木の匂いでむせ返りそうで息苦しい。
思わず俺は咳払いをした。
「ヒッヒーン!ヒン!」
───そうか、俺は馬だった・・・・・

俺の咳払いを聞いてアキラたんが部屋からパジャマ姿で顔を出した。
「あれっ?馬だ」
───さすがはアキラたん、馬を見ても落ち着いてる。

庭に出てきたアキラたんは、俺のシッポをつまみ上げて、
「牡馬か・・・」
と呟く。
俺は局所を見られて恥ずかしくて恥ずかしくて思わず泣いた。
「ヒッッヒーン」
俺の顔を見て、涙が流れているのを確認したアキラたんは、優しく
頬を撫でてくれて、
「お腹がすいてるのかな?」
と言って、慌てて家の奥に消えて行った。

アキラたんをこんな近くで見られて、しかも撫でてもらって
俺は馬になって良かったと思い始めていた。

戻ってきたアキラたんはニンジンを二つ持っていた。
「二本しかないけど、足りるかな・・・」


(2)
アキラたんはたてがみを撫でながら、ニンジンを俺の口に持って来て
くれた。
余りの嬉しさに俺は大きく顔を振ってアキラたんの頬を舐めた。
───なんてスベスベして美味しいんだ!!
「コラコラ。食べるのはボクではなくてニンジンだろ?フフフ」
目を細めてアキラたんは俺がニンジンを食べるのを嬉しそうに見ている。
あまり美味しいニンジンでは無かったが、アキラたんをがっかりさせたく
無くて一生懸命にニンジンを頬張った。

俺がニンジンを食べてる間、アキラたんは俺の全身を撫で回していた。
特にお尻から背中にかけての俺の一番感じやすい所を、
「綺麗な毛並みだね・・・」
とか言いながら丁寧に愛撫する。
───あぁぁん!ダメだよ、アキラたん・・・
アキラたんのしなやかで暖かい手の感触を体中で感じて俺は身悶えた。
「ヒィィイーン、ハァハァ ・・・・」

アキラたんは笑いながら、
「面白い鳴き方をする馬だな・・・・、だが大人しそうだから乗ってみよう
かな・・・・、無理かな?」
と呟いた。
俺は必死で脚を曲げて背を低くしてアキアたんを背中に誘った。
「ヒン、ヒン、ヒン!」

アキラたんは縁側まで俺を誘導すると、縁側に上がって俺の背中に
乗ってきた。


(3)
───うわッ!アキラたんの股間が俺の背中に乗ってる!!ハァハァ
アキラたんは落ちないように前屈みになって俺の首に手をかけて来た。
前屈みになると、敏感な俺の背中は、アキラたんの宝玉の重みと熱さを感じて
思わす身震いしてしまった。
「おっと!」
アキラたんは必死で俺の首筋にしがみついて、俺の肩の辺りを宥めるように
撫でてくれる。
───気持ちいい〜〜〜!!!
アキラたんは囁くように、
「いい子だ、いい子だ・・・・静かにしててくれ」
───うん!うん!いい子にしてるよ!アキラたん!

アキラたんは俺の首筋を撫でながら頬摺りをして、さらにキスの嵐を
降らせてくれた。 
「ヒッヒッヒッヒ、ッヒィーン」
「気持ち良いの?いやに色っぽい鳴き方をするんだね・・・・」
そういうアキラたんの様子がおかしい・・・
俺の背中に棒で突かれたような新たな感触が・・・・
───ア、アキラたん!!!!まさか!!!盛ってるのかい???

俺はアキラたんにキスをしたくて、頬擦りをしたくて、棒を舐めたくて、
抱き締めたくて、思い切り手足を動かして体を捻って想いを遂げようとした。
───ああああー!!アキラたんハァハァハァハァ、アキラたんアキラたん!!!!!

目が覚めたら俺はベッドから落ちていた。



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