海王中学 1−B 23番 塔矢アキラ 1 - 3


(1)

僕の朝ご飯は『我が家のビストロ 荒引きポークウィンナー』に決めた

何時もなら、朝ご飯はお母さんが用意していてくれるのだが、今日は僕の考えを
実行に移すために、作らないでいいと伝えてあった。
そのお母さんもいまは庭で洗濯物をほしている。
お父さんは朝早くから、出かけている。

はやる気持ちを抑えて、棚から小さいなべを取り出した。
ながしでその鍋に水を張る。
鍋の半分くらいになったら、水を止め、コンロで火にかける。
心臓のドキドキがだんだん大きく聞こえるようになってきて、
自分の手が震えているのがわかる。

冷蔵庫のドアを開け、ポークウィンナーを捜す。
確か昨日買っておいたんだけど…
「あっ、あった」
はさみで封を切ると、8cmくらいの茶色いウィンナーが何本も入っている。
なんだか、これから自分がイケナイことをするのだ、という気持ちがふつふつと
涌いてきたけど、その気持ちには目をつぶることにする。

ポークウィンナーを一本取り出すと、手にとって見てみる。
ちょっとしわしわで、薄皮に覆われてて、ほんの少し反っている。
自分が興奮してきているのが分かる…


(2)
なんだかまじまじと見つめていたことが恥ずかしくなって、さっさと鍋で
煮ることにした。

椅子に座って時計を見る。
八時四十ニ分。
三分くらい茹でればいいらしいから、その間、進藤のことでも考えていよう。

進藤…
桜が散る中、進藤に投げつけられた言葉。
切ない気持ちになる。
今まで恋とかしたことなかったから、わからなかったけど、僕は恋をしていたんだな。
あれから進藤とは会っていないけど、比例して、どんどん彼の事を考える時間が
増えていく気がする。
進藤の窓にかけられた指……かわいかったなぁ

はっとして時計を見ると、とっくに三分経っていた。
湯気のたっているウィンナーを皿にのせる
さっきよりも色が濃くなったきがする。
そして、さっきよりもさらに反っている。

鼓動がすこしずつ早まってくる。
マヨネーズを皿に移して、まだ熱いウィンナーに人差し指だけで塗ってみる。
すごいヌルヌルする。
そして、光にあたってテカテカしていた。
塗っていると、また興奮が増してきて、張り詰めたウィンナーを指でしごいてみる。
手でその感触を試したあと、今度は口に含んでみた。


(3)
出し入れしたり、吸ったり、舌で下から上までなめあげたりしてみる。
台所に僕の荒い息と、唾液の音が響いて……なんかイヤラシイ
口に含んでいるうちに、プツッという音がして、口のなかに熱い汁が広がった。
どうやら歯が当たって皮が破れてしまったらしい。
それから僕は、ズボンの前がキツクなっていたからトイレで進藤の事を考えながら
ヌいてきた。

しばらくして台所へ戻ってくると、お母さんがいて、アキラさんご飯はもう済んだの?と
聞かれた。恥ずかしくなった僕はテキトウな返事をして、ウィンナーを食べ終えると、
早々に自分の部屋へ戻った。でも、やっぱり怪しかったかな?

お母さん、まさか気付いたりしてないよね?



TOPページ先頭 表示数を保持:

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル