ヤシーロ登場 1 - 4


(1)
夜の生温かい風を頬に受けながら、僕たちは家路を辿る。
隣には関西棋院からやって来た社清春という、僕と同じ年の少年がすこし高い位置
で肩を並べていた。

「塔矢君って恋人とかいるのかな?」
寂れたちいさな公園に差し掛かった時、唐突に彼が問い掛けてきた。
なんの前触れもなく投げ掛けられたその質問に驚いて、つい返すべき言葉を探してしまった。


(2)
学校から帰るとすぐに電話で進藤に招かれ制服のまま彼の家へ向かうと、噂でしか
名を知らなかった彼を紹介されたのだった。
初めはただ単に進藤によばれた事が嬉しかったのだが、社という少年もなかなかの
打ち手でいつのまにか三人の時間が愉しくなっていた。
有意義な時は過ぎるのが早い。
三人での研究会がいざおひらきとなったところで、帰り道の方向が同じだった僕が
この土地に不慣れな彼の案内を携わることになったのだった

「いや…いてほしく無いな」
「えっ?」
聞き取った言葉の真意を上手く理解できなくて歩みを止めると、伸びてきた制服の手が僕の髪の毛に触れる。


(3)
「女の子みたいだ…」呟くような言葉が彼への不快を呼び、清悍な顔立ちの少年を下から睨み上げた。
無言の抵抗をやってやった僕に、彼は口の端を上げて笑みをつくり
「フッ、悪かった」
と指を離した。
だが下ろされるはずの手はつとそのまま唇をなぞっていく。
「進藤君にしようと思っていたら、君が眼の前に現れて驚きだよ。
塔矢アキラ…以前から気になっていたんだ…」
顎を引かれ、触れるだけのかるいくちづけをされた。
予想だにしない行為に眼を瞠っていると空いていた左手で腰を引き寄せられ、今度
は深く口づけられる。


(4)
「んっ…んぁっ…」
差し入れられ蠢く舌が切なさをよび、腰をまさぐる巧みな手の愛撫に喘ぎ声が漏れる。
離れた唇がうなじを這い、右手が乱暴にはだけさせた制服に潜り込む。
「あっ…」
敏感なところを執拗に愛撫され、身体の中心が熱くなるのを感じた。



TOPページ先頭 表示数を保持:

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル