座間×アキラ 強制フェラ 1 - 5
(1)
「大人をなめちゃいけねぇよ」
いやらしい笑みを浮かべて座間が近付いてくる。
アキラは抑え切れない恐怖に体を震わせながらも、
キッと座間を睨みつけた。
「そう、その目つきだよ。気に入らないのは」
座間との距離が縮まる。
少しでも離れようとして後ずさりすると、
落ちていた本に躓き、そのまま真後ろにあったソファに
座り込んでしまった。
―――どうしよう…体が動かない…。
アキラは無意識に両手で自分を抱きしめるようにした。
その手は小刻みに震えている。
「お前みたいなガキを見ると、めちゃくちゃにしたくなるね」
座間はアキラの目の前に立つと、パシっと乾いた音をさせて、
いきなりアキラの頬を打った。
それから、すでに熱を帯び硬くなっている
自身を、アキラの口元へ持っていった。
反射的にアキラは顔を背けようとする。
が、座間に髪を掴まれてしまった為にそれは叶わない。
「大人の味を教えてやるよ」
そう言って座間は自身を無理矢理アキラの口へ
捩じ込もうとする。
「…嫌だ…」
アキラの声は弱々しく、その目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「おやおや、もう降参かい?」
座間はいたぶるような口調で楽しそうに言った。
「全部飲めたら許してやるよ」
「や……っ!!」
激しく拒絶するアキラのその小さな口に
座間のものが押し込まれる。
「ん…ぐ…っ」
「ちゃんと舌使いな。噛んだら承知しねぇぞ」
―――こんなの嫌だ…!!
掴まれた髪も、無理矢理開けさせられた口も、痛くて仕方なかった。
(2)
―――なんでボクがこんな目に―――
座間に厭われている事は分かっていた。
でも、まさか。
こんな事―――――――。
「…チッ!仕方ねぇ」
何もしようとしないアキラに痺れを切らした座間は、
髪を掴んだままアキラの頭を前後に動かし、更に自分で腰を使った。
「…んん…っ…!」
先端が喉に当たって苦しい。涙が零れる。
しかし座間は止めてくれなかった。
程なくして絶頂を迎えた座間は、そのままアキラの口に
精を放った。アキラはのどの奥に迸りを感じ、
訳も分からずそれを飲み下す。
座間が腰を引くと、アキラは苦しそうに喘いだ。
その顔は涙と唾液と座間の精液とでぐちゃぐちゃになっている。
「良く飲めたな。今日はこれで勘弁しといてやるか」
座間はそう言い置くと、アキラはそのままに部屋を出て行った。
アキラはソファに身を沈めたまま、
いまだ涙で潤む目でじっとドアを睨んでいた。
(3)
―――眠れない…―――
アキラはベッドの中で、何度目になるか分からない
寝返りを打ちながら唇を噛み締めた。
傍らのスタンドを付けて時刻を確かめる。
午前4時30分。
座間から受けた仕打ちはアキラの心を屈辱で塗れさせ、
そしてそれは数日経った今も決して消える事は無かった。
―――どうして、抵抗出来なかったんだ!
アキラは枕に顔を埋めるとぎゅっと目を閉じた。
途端に浮かんでくる、あの日の光景。
アキラはしかしそれを振り払おうとはせず、
むしろ自虐に近い感覚で事細かに回想する。
それから重いため息をついて起き上がると、
碁盤に向かう時のようなあの冷たい目で暗闇を見据えた。
―――許さない。絶対に。
指が白くなるほどにきつく握り締めた手に、
涙が一粒零れ落ちた。
翌日、棋院を訪れたアキラがエレベーターを待っていると、
開いたドアからは今一番会いたくない人物が出てきた。
「おう、久し振りだな」
座間だった。
座間はまるで何事も無かったかのように、
いつも通りのふてぶてしい態度を見せた。
実際、彼の中であの出来事はたいした事ではないのだろう。
生意気な子供をからかってやった、程度の。
「…どうも」
本当なら無視してやりたいところだが、座間が他の先生を
連れていたのでそうもいかず、アキラは強張った顔で、
かろうじて言葉を返した。
「もっと愛想を覚えた方がいいぞ」
座間はそう言うとアキラの頭をポンポンと叩いた。
―――触るな…!
アキラは嫌悪感でいっぱいになって、
思わず座間を睨んでしまった。
(4)
座間は一瞬ねめつけるような視線をやり、
それから「先に行っててください」と、隣に促した。
連れの姿が見えなくなると、座間は低い威圧するような声で
アキラに言った。
「まだ仕置きが足りねぇようだな。なんだ、その目は」
「……失礼します」
アキラは座間の言葉を無視してエレベーターに乗り込もうとしたが、
腕を掴まれ引き戻されてしまった。
「今夜、オレの家に来い。お前みたいに礼儀ってもんを知らねぇ
ヤツはどうなるのか、じっくり教えてやるよ」
「お断りします」
顔を背けたまま冷たく言い放つアキラに、座間は喉の奥で笑った。
「バラしてもいいんだぞ?」
アキラの目が、少し見開かれる。
「お前は気付いてなかったと思うが…撮ってたんだよ、ビデオに。
一部始終をな」
「…な…っ!」
アキラが顔を上げると、意地悪く笑う座間の顔があった。
「上手く編集してやるよ。オレの顔と声が入らないようにな。
それをマスコミに送りつけてみろ。
凄いスキャンダルだぞ?ストイックな塔矢アキラが
こんなことを…ってな」
座間は煙草に火を点けると、ゆっくりとふかした。
「お前だけじゃない。お前の親父も大変な事になる」
アキラは座間を睨みながら小さく、しかし突き刺すような
声で言った。
「下衆め……!」
座間は全く動じる事もなく、むしろ楽しそうにしている。
「うれしいねぇ。虐め甲斐があるよ」
それから煙草を灰皿に押し付けながら、
「今夜だぞ。いいな」
脅すような口調で言うと、奥の部屋へと歩いて行った。
「……クソッ……!!」
アキラは端正な顔に似合わない言葉を吐いて壁にもたれかかった。
自分だけなら、まだいい。
しかし周りを巻き込む事は出来ない。
―――それに…。
何よりアキラは恐れていた。
“あの人”に座間との事を知られてしまのを。
―――知られてはならない。あの人だけには…―――
(5)
その夜、アキラは言われた通りに座間のマンションへと向かった。
両親は共に外出中だったので訝しがられる事なく家を抜け出せた。
アキラの足取りは重く、心はそれ以上に深く沈んでいた。
どんよりとした空が更に気分を陰鬱にさせる。
駅からの道をアキラはただ黙々と歩いた。
ふと前に目をやると、数メートル先に何か小さなものが佇んでいる。
猫だった。
白と茶の縞模様をした小さな猫が、こちらを向いて座っている。
―――ミャア。
その横を通り過ぎようとした時、猫が小さく鳴いた。
アキラは立ち止まってそちらに顔を向け、微笑んで見せる。
(まだ、大丈夫だ)
微笑む余裕がある内は、きっと大丈夫だろう。
それとも。
(ただ実感がないだけなのか…)
これから座間にされるであろう事の予想はついていたし、
覚悟も出来ているつもりだ。
それが理不尽で卑劣な仕打ちでも、あんな脅され方をしては
座間に従うより他に選択肢はないように思えた。
しかし「どうしてこんな事に」という思いは消えないし、
到底納得出来るものではない。
アキラは座間の顔を思い浮かべて重いため息をつくと、
地面に視線を落とした。
ポツリ、と一点が黒く染まる。雨が降ってきたようだ。
次々と落ちてくる雨が地面に小さな染みを作っていく。
傘を持っていなかったアキラは、心とは裏腹に少し歩調を速めた。
濡れても構わなかったが、そんな惨めな姿を座間に晒したくはなかった。
幸い、雨足はさほど強くなく、余り濡れずに着けそうだった。
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