ルル3錠で我慢しとけYO 1 - 5
(1)
おはようアキラたん。
俺は風邪をひいてしまって新年早々ダウンだよ。
今日はアキラたんに会えるだろうか?
慶長の花器だから無理かー。でもくるくる廻るアキラたんは見られるか。
(2)
風邪を引いた時なんかは弱気になるもんだよな。
そんな時はアキラたんに添い寝をしてもらいたいなあハァハァ(;´Д`)
素っ裸で布団の中に入ってくるアキラたん。
「駄目だよアキラたん、風邪がうつってしまう。」
「いいんです。」
そう言って俺の体にしがみついてくるアキラたんハァハァ(;´Д`)
「駄目だよ、そんなことしたら…ハァハァ」急激に固くなった珍子がアキラたんの太ももにあたりにあたってる。
「ふふっ」
妖しく魅惑的に微笑しるとそのまま布団の中へと潜っていくアキラたん。
「美味しそう……んっ。」
俺の愚息は熱いアキラたんの口内に飲み込まれていく。
「あああああ〜アキラたん〜ハァハァハァハァ(;´Д`)」
――こんなんエエナ!
(3)
風邪をひいてしまった俺。熱は38度を超えてしまっている。
もうアキラとの待ち合わせの場所には行けない…這いずってでも
アキラに会いに行きたいが、自分の具合が悪化するよりもアキラに
移してしまうことのほうが辛かった。
最近積極的になってきたアキラと会って、紳士然としていられる自信はなかった。
「ごめん、今日は都合が悪くなって会えなくなった。by尚志」
電話をすると会いたくなるから、わざとそっけないメールを送る俺。
返事はすぐに返ってきた。
『わかりました』
うう、この素っ気無さも(・∀・) イイ! 俺は布団の中で更に携帯を握り締める。
「本当にごめんなアキラ」
『もしかして浮気?』
アキラが形の良い眉毛をきゅっと寄せ、ぷっくらとした唇を尖らせながら
メールを打っている様子が手に取るように判った。
あのプライドの高いアキラが、俺の浮気の心配をするなんて、晴天の霹靂。
暖冬といわれながらもこの寒いのも、全てアキラのせいか?
俺は布団の中で頭を振った。熱のせいでただでさえ割れるように痛む頭が
さらに痛くなってしまった。
(4)
「そんなわけあるかよ。熱が出て動けないだけだよ」
アキラを放っておいて、浮気なんかするはずがないじゃないかアキラたん。
俺はつい正直にメールしてしまった。
しかし、しばらく待ってもアキラからの返事はない。
呆れられてしまったか、それとも浮気を信じて携帯電話でも壊してしまったか…
そういうことを考えながら、俺はいつのまにか眠ってしまっていた。
「…さん、尚志さん」
冷たいものが顔に当たり、俺は突然目を覚ました。
「アキラたん!」
飛び起きてしまった俺の肩をそっとアキラが押し戻す。
綺麗なアキラの顔をぼんやりと見ながら、俺はまた布団の中の住人となった。
「熱が出たなんて…。ボク、さっきまで携帯の電源を切っていたから知らなくて」
ごめんなさい。と、アキラは俺の胸の上にコトンと頭を預けてきた。
「いいんだよいいんだよアキラたん。俺こそごめんよ」
喉がいがらっぽくて、どうもいつものような声が出ない。ガラガラの喉を
咳払いでごまかしていると、アキラは近くのビニール袋からアクエリアスを
取り出してキャップをあけた。
「ああ、アキラたんありがとう……?」
俺は伸ばしかけた手を引っ込めた。
俺に買ってきたと思わせたアクエリアスを、アキラたんがごくりごくりと喉を鳴らして
飲みはじめたからだ。
(5)
そんなアキラたん…。
俺はトホホな気持ちになった。だが、ペットボトルの影からそっと見える
アキラの瞳は俺を観察するように見つめている。
喉の動きを見ていると、いよいよ喉が渇いてくるような気がした。
「のど、乾いてますか?」
ちゅぱっとペットボトルの飲み口から口を離し、アキラは試すように笑う。
頷くと、アキラは再びペットボトルを口にし、そのまま俺の口を塞いだ。
――駄目だ。
駄目だよアキラたん! キミに移したくないから俺は……!!
俺は足掻いた。だがアキラの細い肩を押し返すことはどうしてもできず、
そのうちにその薄い肩を抱きしめてしまっていた。
何度も何度もアキラが口に含んで、俺に飲ませるアクエリアス。
歯の隙間、唇の隙間から少しずつ染み出してくる甘ったるいそれを
夢中で吸いながら、いつの間にか俺はアキラの舌をむさぼっている。
それどころか、俺の自制の聞かない両手は、アキラのセーターの内側の
滑らかな肌を摩っていた。
「尚志さん…いつもよりも熱い…」
それはそうだよ。いつもより3度も体温が高いからね。
俺は何も応えず、アキラを布団の中に引きずり込んだ。
アキラの手から離れた500mlのペットボトルは、もう空き瓶になっていた。
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