平安幻想異聞録-異聞- 番外 1 - 5
(1)
がさがさと、竹やぶから男達が出てくる音がする。
わかっていても 疲れて弛緩した体はピクリとも動かない。
このまま目を開けないでいようと思った。見なければ、
これから自分に何がされるのかわかって怯えることもないだろう。
だが、反対にいきなり腰をつかまれ、熱い男の猛りで
刺し貫かれた恐怖は、目をあけていた時以上だった。
「あ…ひっ…」
見知らぬ男の肉鉾が、無遠慮にヒカルの奥深くまで侵入して、
最奥の壁をまで到達した後、内壁を擦るようにしてわずかに引く。
そして、また抉るように中まで入ってくる。
その振幅はだんだんと大きく大胆になり、男の抜き差しの動きに合わせて、
ヒカルは顎をそらして悲鳴とも喘ぎともつかない声ををあげた。
「ひんっ…やっ…あ、…あんっ」
「オレは、…男をやるのは初めて…なんだが、なかなか…いい味じゃねぇか」
息を荒くしながら言う男の声に、ヒカルは思わず薄く目を開いてしまった。
見なければよかったと思った。
自分の上にまたがって腰を振る男の目は濁って血走っていた。
人というよりは妖の物の目だとヒカルは思った。
(2)
足に痛みが走った。見るともう一人の男が、突き上げられる度に
ゆれるヒカルの足に噛みついて、なめ回していた。
更にもう一人の男がヒカルに覆いかぶさり、ヒカルの鎖骨にかみついた。
そこから男のガサガサに乾いた唇と、ぬめる舌が、その肌を喰らうようになぶりながら
ヒカルの胸へと下っていく。
その間にも、ヒカルの中に入った男は息付く暇もなくヒカルを攻め続け、
ヒカルが悲鳴を上げるのを楽しんだ。
「…やだ……やめ……あぁっ…はっ……あっ…」
まるで、野犬の群れに、群がられ、よってたかって引き裂かれる、野うさぎのようなさまだった。
抵抗したくても、繰り上げられた手足は、更に男達に押さえ込まれ、
痛みと、無理やり与えられ続ける快楽のために、手にも足にも力が入らない。
「その辺の女より、よっぽど綺麗な肌じゃねぇか」
「おうよ、ここの締めつけ具合も尋常じゃねぇ」
「早くオレと代われよ」
「せくな、せくな」
「オレのを口に銜えさせてもいいか?」
「やめとけやめとけ、食いちぎられるぞ」
揺すられて、嬌声を上げ続けるヒカルの髪を、男の一人が
つかんで、ヒカルの顔を持ち上げた。
目の前に反り返った男のモノが押し付けられた。
「くわえろよ」
顔をそむけると、強く頬を打たれた。
強い力で、無理やり顎をつかまれ、口が開かされる。
そこに固くなった男のものが押し込まれた。
(いやだ!)
ヒカルは口の中に入ってきたそれに重いきり噛みついた。
「このガキ!」
(3)
男が慌ててそれを引き抜き、再びヒカルの頬を打った。
「なんてことしやがる!」
持ち上げられていたヒカルの頭が、今度は、万力のような男の力で
グイグイと地面に押し付けられた。
「おいおい、それくらいにしとけよ。後の楽しみが無くなるだろ」
ヒカルのももをなめ回していた男が言った。
同時にヒカルを突き上げていた男は、いよいよ最後の時が近づいたらしく、
さらに抜き差しする腰の動きを激しくする。
「やっ、あっ、あっ、あぁっっ!」
断続的にあがるヒカルの悲鳴は高くなり、竹の根元にくくられたままの足先が、
おこりにかかったように震えた。
「あん、ああぁ!」
ヒカルの高い声と同時に、男が秘門の奥に、自らの精を放つ。
いつしか勃ち上っていたヒカル自身のモノも、耐えきれないように、
その先から白い液体を飛ばした。
ヒカルの体がぐったりと弛緩し、荒い息が収まる間も無く、
最初の男のモノが引き抜かれると、次の男の固いものが押し入ってきた。
「う…くっ……」
苦しい。
これからされることを避ける事ができないなら、せめて休ませて欲しい。
(4)
ヒカルの明るい色のさらさらとした前髪は、今や、土にまみれ、見る影もない。
二人目の男は腰を激しくゆすりながら、
まだ大人になりきっていない少年検非違使の体を攻め上げた。。
快楽を拾うことに慣れてしまった内壁は、痛みに悲鳴を上げながらも、
すでにそれを止められず、ヒカルはただ全身をさいなむ苦痛に似た快楽と、
快楽に似た苦痛とに声を上げた。
「なるほど、……く…きつい、きつい。わしも男とまぐわうのは初めてだが、
これほど美味いものとはな」
「んぁ、…はっ、や…ん……ンッ…」
すでに呼吸さえも辛い。
何人もに立て続けに犯された体は、限界をうったえていた。
解放されることも、許されることもかなわないなら
少しでいい……休みたい。
「はっ…休…ませ……て…ぁんっっ……おね…が…いっ…んっ……んっ……ぁ…」
「聞こえねぇなぁ、なんだって?」
息をあらげながらも、男が可笑しそうにヒカルに問い返したのに、
ヒカルはもう一度訴えを試みる。
「…休ま……あ、あ、ああ!」
(5)
ヒカルの言葉の途中で男の腰の動きが急にはげしくなった。
強く根元までその陽根を差し入れ、大きく乃の字をかくように腰を回し、
一瞬浅くまで抜いたと思うと、ヒカルが1番感じてしまう内壁の部分を
容赦なく犯しながら、再びその陽根で、ヒカルを奥深くまで突き刺す。
「あ、や、やだっっ」
その動きのはげしさに、ヒカルが頭を強く左右に打ち振る。
「どうした、何かオレにいいたいんだろ?言ってみろよ」
そう言いながら、男はさらに大きく腰を回転させる。
「ひぁっ、ああん!」
「さぁさぁ!」
「ああぁ、ああ、あん!ひゃんっ!」
男の一物がヒカルの体をくし刺しにせんばかりの勢いで大きく動き、
同じ強さで1番敏感な神経のかたまっている場所を圧迫しこすり上げる。
次には大きく回転させる。さらに大きく揺すり上げ、
その一連の動きを変化をくわえながら繰り返す。
揺すり上げられる勢いで、ジュプリと音をさせて、
ヒカルの中に放たれてそのままになっていた、座間や菅原、
先の夜盗風の男達の放った白い液体が秘門の奥からあふれ出した。
「さぁ、言ってみろ!」
「あぁ、あぁ、あぁ、あぁ!」
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