熱情少年 1 - 5
(1)
ヒカルが息苦しさに目を覚ますと、目隠しをされ、ベッドに手足をタオル地の
ような物で拘束されていた。
「え…?」
ぼーっとしてハッキリしない頭で何とか考える。
夕べは確か、久しぶりにアキラと二人で緒方のマンションに遊びに来た。
「他の人には絶対内緒だよ。」
とアキラが勝手知ったるという感じにカウンターの下から酒瓶を出してくる。
「おいおい、しょうがないなあ。」
言葉ではそう言いながら、緒方はアキラを制する気はないらしい。
そのまま囲碁の話をしながら適度にお酒で酔っぱらい、その時何か、
「目がすっきり覚めるから」
と、アキラから手渡された水に近い飲み物を飲まされた。味は良く覚えていな
かったが、それですぐ眠りについたのは間違いなかった。だが、何だか体が
ひどく熱くて、体の奥がモゾモゾして、それで起きてみたのだ。
初めのうちは自分が夢を見ているのかと思った。こんな事、あるはずがない。
頭を振り、固く目を閉じ、そして開けてみた。だが、暗闇のままだった。
「目…覚めた?進藤…、」
息がかかる程の耳元でアキラの声がした。
「塔矢…?一体これ…何の冗談…?」
ヒカルは手足を動かしてみた。痛くはないがかなりしっかり結ばれている。
それよりとにかく熱い。そして熱くて良く分からなかったが、自分が全裸で
ある事実にその時気が付いた。
(2)
「え、な、何でオレ…、ふ、服は…?」
そう大声を出しかけたヒカルの口を誰かの唇によって塞がれた。
「んっ…」
「アキラ君のちょっとした提案でね。」
緒方の話す声が聞こえた。という事は口を塞いでいるのはアキラだと思った。
アキラの舌が侵入して来て舌を愛撫され口内を舐め回されるとそれだけで
異常に興奮してきた。なぜだか理由は分からない。
「大丈夫…悪くしないから…」
アキラは口を離すと、フッとヒカルの耳に息を吹き掛けた。
「はあっ…あ!」
全身に微量の電流を当てられたように鳥肌が走り、ヒカルは悲鳴をあげた。
それに煽られるように体のあちこちが燃えるように熱く脈打つ。
「すごい…思った通り、進藤ってすごく感じ易いんだね…。あんな少量で
ここまでになるなんて…」
「言っておくけどアキラ君、今回一度だけだよ。進藤が可哀想だからね。」
何の話をしているのか分からなかったがとにかくヒカルは自由になろうと
手足をばたつかせた。
「ふざけるなよ塔矢…!緒方先生まで…!」
温かな舌先がヒカルの片方の乳首の先に微かに触れた。
「あ…っ」
微かに、ほんの微かにノックするように舌が触れてくる。ゾクゾクッと体の
表面がそこを震源地にして連動してざわめく。
(3)
「やめ…っ…ふっ…んんっ」
嬲られるような接触から逃れようと体をよじるが逃げる先へ舌がついてくる。
「やめろよっ…塔矢っ…!」
ただでさえヒカルは乳首に対する愛撫には弱かった。それはアキラが良く
知っている。
アキラとは何度かsexをした。お互いの同意において、ヒカルの部屋で。
ただ何となく、アキラは緒方ともそういう関係なんだろうな、とヒカルは
思っていた。アキラが当然の権利のように緒方の車の助手席に乗る事や、彼等
の交わす何気ない会話や行動から。でも今まで特にその事に触れなかった。
第一、自分がアキラと体で結びつく理由も本当は良く分からなかった。
アキラが積極的だったから、位にしか言えない。
別に嫌だとは思わなかったし、年相応に好奇心もあった。sexは大抵アキラが
女の役をやってくれた。
アキラのアヌスは柔らかくて、凄く気持ちが良かった。
ヒカルの弱いところを知り尽くしているアキラが、動けないヒカルのそれらの部分を
執拗に攻撃してくる。
「やめてよ…ッ、塔矢…、ううっ…ん…んんっ」
上半身をそうして攻められ、ヒカルのペニスが限界近くまで張り詰める。
「緒方さん…ッ緒方さん、助けて…!」
フッと、緒方の笑う声がしたような気がした。ヒカルはゾクッとした。
緒方はヒカルの片足だけヒモをほどくと、両足の間に体を入れ、そのヒカルの片足を
自分の肩に乗せたのだ。
(4)
「あ…あ…」
指が、やはり微かに触れるようにヒカルのアヌスの周囲を動く。そこは
波打つように蠢き、何かはっきりした感触を求めてじっとり汗ばんでいる。
やがて指先の第一関節まで抜き差しする行為を与えられた。
敏感になったアヌスが餌を与えられかけては口にできない鯉のようにパクパク
喘がされる。一向に曖昧なままのアキラの愛撫に対しても限界が来ていた。
「やあだあ…ハア…もお…止めて…よオ…」
呼吸を荒げて、目隠しの中でヒカルは涙ぐんだ。カタカタと全身が震え、弾け
る寸前なのに辿り着けない苦しさに悶絶する。
「可哀想、ヒカル…こんなになって…」
アキラの体が自分の上にまたぐ気配がした。
「良いよ…来ても…」
アキラがヒカルのペニスに手を添えて自分のアヌスにあてがい、ゆっくりと
体を沈めて来た。焦れったい程に、ゆっくりと。
「んん…はあっ、はあっ、…ああっ…あーっ!!」
ヒカルが叫び声を上げたのは、同時にヒカルのアヌスに侵入してくるものが
あったからだった。
アキラはヒカルに体重をかけないように体を浮かしてヒカルを受け入れ、緒方
が少しヒカルの腰を持ち上げるようにしてヒカルの中に進んで来た。
まるで事前に打ち合わせしたかのような絶妙のコンビネーションだった。
(5)
「はああっ、はあっ…やあっ…!!はっ…ああーっ!!」
瞬時にヒカルは到達したのだが、それを無視するかのように前後からの侵略が
続行される。
「だめっ…やあっ…う、ううーん!!」
ビクンビクンビクン…と痙攣を続けるヒカルの体をさらに満喫するように、
アキラと緒方は動き始める。あくまで呼吸を合わせて、アキラが腰を埋めると
同時に緒方が進藤の深い部分を突き上げる。
「あ…っふあっ…はあ…ああ…」
到達したばかりの進藤のペニスはその刺激に翻弄される。
「進藤…まだ元気だよ…。緒方さん…もっと激しく動いて…。」
「君も残酷だな、アキラ君…。」
「…なぜ?進藤、こんなに喜んでるよ…。ボクの中で…すごく…」
心の底からそう思っているらしいアキラの様子に、緒方は肩を竦める。
「進藤も気の毒に…とんでもない淫魔に魅入られたもんだ。…オレも気を
つけないとな…。」
アキラに聞こえないように呟く。アキラは自分自身のペニスを擦り上げ緒方の
動きによって進藤から突き上がってくる感触に夢中になっていた。
「は…あっ、ああ…!!」
アキラが一瞬仰け反るようにして到達し、ヒカルの上に倒れ込んだ。緒方は
それでも動かし続ける。そういう、アキラからの依頼だったからだ。
喘ぎで開きっぱなしになった口からよだれを流して失神しているヒカルに
顔を寄せアキラは囁く。
「16才の誕生日、おめでとう、ヒカル…。ボクからのプレゼントだよ…。」
(終)
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