墨絵物語 1 - 5


(1)
男は黙々と墨を磨っていた。
数年前から始めた水墨画にまんまとハマり、
今では自宅の庭にアトリエをこしらえる始末。
家人から離れ、一人墨を磨っているこの瞬間が
男にとって唯一のやすらぎであり、至福の時でもあった。
さて、今宵は何を描こうかと絵筆に手を伸ばしかけ、
男はその動きを止めた。あることに気付いたのだ。
(そういえば、最近『作品』を仕上げていない)
最後の作品を仕上げたのはいつだったろうかとそう遠くない記憶を辿り、
近頃は山水画ばかりであちらの方は全くご無沙汰だったなと一人ごちた。
男は長い指を脇の書棚へと滑らせ、一冊のファイルを引き抜く。
パラパラとめくり、そして一人の少年の記事に手を止めた。
(塔矢アキラ──そろそろ声をかけてみようか)
男はファイルを閉じる。
丁度明日は本因坊リーグ戦。
塔矢アキラと一柳棋聖が対局する日だ。
好都合とばかりに男は端正な顔に相応しい、優雅な微笑みを浮かべた。


(2)
「キミ!ちょっとそこの!」
男は棋院会館を出たばかりの少年に声をかけた。
それは塔矢アキラではない。
学生服に身を包んだすらりとした体躯の少年─対局場で見かけたとき
一目で気に入って、後を追いかけたのだった。
「何ですか?」
振り向いた少年の愛らしい無垢な瞳がさらに男の絵心に火を点けた。
「キミはさっき、塔矢君と一柳先生の対局を見学に来ていたね。
 院生かい?それともプロ?」
「プロです。進藤ヒカル、初段です」
「へぇ、塔矢君とは友達?」
「いえ、──ライバルです」
塔矢アキラ相手にライバルだなどと自信満々に言える初段はそうはいない。
しかもなかなかの上玉ではないか。
(予定変更、今日はこの少年にしよう)
男はヒカルに自己紹介をし、それを聞いてすっかり恐縮したヒカルを
類稀な話術でいとも簡単に車の中に誘い入れた。
(いい『作品』ができそうだ…)
二人を乗せた車は颯爽と闇の中へと消えていった。


(3)
男はアトリエに着くなりヒカルのリュックを取り上げ、
その腕を和タオルで縛り上げた。
「ッ…検討するんじゃなかったのかよ、オレを騙したな!」
「悪く思わないでくれたまえ、これも『作品』の為なんだよ」
さらに男はヒカルに猿轡をかませ、縛った両腕の間に長紐を通し、
柱へと巻きつけた。
釣上げられた魚のようにジタバタと抵抗する『モデル』を、
男の目は上から下まで冷静に観察した。
「これだけの逸材をどうしていままでチェックしていなかったんだろう…。
 私の情報網もまだまだだな」
そう言うとヒカルのベルトに手をかけ、これまた冷静に制服のズボンを引き下ろした。
火がついたように激しく暴れだすヒカル。
男は何も言わずいきなり下着の中へ手を差し込むと、
まだおとなしくしているヒカルのペニスをぎゅうっと握り締めた。
「───!!!」
あまりの激痛にヒカルが身を捩らせる。
その眦に、滴となった涙が光っていた。
いやいやと幼子のように首を振って懸命に何かを訴えるヒカルの様子を
男は満足げに眺め、
「キミはおとなしくそこで足を開いていればいいんだ」
痛いことはしない─甘い声でそう付け加えた。


(4)
茶室を参考にして作られたという純和風なアトリエに、
ズボンも下着も靴下もすべて奪われ、下半身を露出させた状態のヒカルが、
まるで昆虫のように畳の上に留められていた。
右足首に括られた紐はデッサン用机の脚に巻かれ、
自由なはずの左足は男の膝によって押さえ込まれている。
男が大筆を取った。
そしてはだけた学ランの下のTシャツをめくり上げると、
筆の先でピンク色の乳輪をなぞり始めた。
何度も何度も柔らかいタッチで繰り返される動きに、
ヒカルの体がわなわなと震え、不規則に背を反らす。
「───ッ!ウ、ウーッ!!」
ヒカルの反応に喉の奥で笑いを押し殺し、男はさらに筆先で乳首をつついた。
微細な毛の痛痒い刺激にヒカルの尻が浮く。
押し寄せる快感の波にピクンピクンと跳ね上がる身体と共に、
ヒカルのペニスもむくりと顔を上げ、小さく揺れだした。
男はその変化を目で確認すると、筆を下腹部へと移動させ、
腹の上で円を描いた後、その下の薄い蔭りに白い毛先を絡ませた。
強くもなく弱くもない、いままで与えられた事のない類の愛撫に、
ヒカルはどうする事も出来ず、ただただすすり泣くばかりだ。


(5)
大きく開かされた足の間にそそり立つヒカルの分身を、
男は手助けするように大きな筆で何度も何度も上下になぞった。
可愛らしいサイズのそれは、くすぐられる度に角度を変え、
固くなる毎に先端を潤ませる。
泣き声すらも禁じられたヒカルの目から溢れ出た涙が頬を伝い、
畳を濡らしていく。それと同時に先端からも白い露が
少しずつ吐き出され、その量を増しては性器を濡らしていく。
「まだ、イッてはダメだよ…。いい子だからもう少し我慢してごらん」
筆先がペニスから逸れ、隠れた秘所へと進路を変える。
アヌスの周辺を触れるか触れないかの微妙さで毛先がくるくると
回転すると、敏感な箇所がキュッと口を窄めた。
それを見るなり、男はいきなりその狭口へと大筆を突っ込んだ。
「ンンッ!!」
入口をチクチクと刺した毛先は中に入ると驚くほど繊細な動きで
あらたな快感を生み出し、ヒカルの身体を桃色に染め上げる。
男は筆を両手で高速回転させ、ヒカルの内部を上下八方自在に擦った。
「ふう、ンッ…んん…」
泣いていたヒカルの声が段々甘い響きを帯びてくる。
さらに筆を前後に動かすと、自らも腰を動かす豹変ぶり─。
(そろそろだな)
男は準備に取りかかった。



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