粒くらべ 1 - 5
(1)
「どちらがいい?」
アキラにそう問われてヒカルは弱々しく首を捻って後ろを見た。
最初アキラが手にしているものが何なのかよく分からなかった。
自室のベッドの上で、ヒカルは全裸で四つん這いのポーズをとらされすでにもう
アキラの舌や指によってかなりの時間をかけて体の奥の部分を
探られ弄ばれていた。
「塔…矢ア…」
限界が近づき、アキラ自身を早くそこに深々と埋めてくれるのを乞うように呼んだ時
アキラにそのニ者選択を迫られた。
(2)
「このままじゃわからないかな」
アキラはそう言うと、指人形を扱うように両手に持っていた
それぞれのモノを左右親指を除いた4本の指に被せて見せた。
一つは、真珠のような球状のものがランダムに生えたような、
もう一つは野菜のゴーヤのように無数の小さな粒ツブが全面に
生えた両方とも半透明のゴム製品のようだった。
「な、何…?」
「面白いだろう、コンドームでこういうのがあるなんて。一度進藤に
試してあげてみたかったんだ。…さあ、どちらがいい?」
ヒカルは涙目になってふるふると首を横に振った。
「ヤ、ヤだよ…」
そして赤くなりながら小さい声で呟くように言った。
「…生の塔矢がいい…」
(3)
当然それは予測していた答えだったらしく、アキラは満足そうににっこり
優しく微笑んだ。
「それはちゃんと後であげるよ。ただし、これのどちらかの後で…ね」
ヒカルは再度イヤイヤと首を横に振った。だが同じようにアキラも
首を横に振り、指に装着した真珠の粒状コンドームの先端をぺろりと舐め、それで
目の前に突き出されているヒカルの白い双丘の奥の紅色の谷間を
軽く掠めるように擦り上げた。
「ふっ…ん!」
そしてアキラは次にゴーヤ状のコンドームでヒカルの内腿の付け根を軽く撫でた。
その時一瞬秘門の入口をつんと突いた。
「ふあっ…!」
ただでさえ十分に熱を含まされ、焦らしに焦らされたヒカルのその箇所は
僅かな刺激にも耐えられないように蠢きヒカルは甘く声を吐いた。
「ボクが君のここに入るのには違いないよ…ただ、そこにちょっとした
オプションが加わるだけだ。…だから、さあ、選んで、進藤」
(4)
そんなオプションいらねえと思いながらもアキラの性格から決して
妥協は許されないと観念したヒカルは、怯えた目で交互にアキラの
両手の指人形を見つめる。
「…ゴーヤみたいなの、それだけは絶対ヤだ…」
ご丁寧に淡く緑色に着色されたそれはとてつもなくグロテスクなモノに見えた。
なにより全体にびっしり生える細やかな粒ツブさが恐かった。
あんなものを自分のお尻の中に入れられるなんて想像するだけでもゾッとした。
「わかった」
意外にあっさりとアキラはヒカルの希望を聞き入れ、ゴーヤ状のものは手から外して
脇にやり、真珠状の方を雄々しい自分の分身に丁寧に装着した。
そしてその先端をヒカルの後ろの中心に当てがった。
(5)
「待たせたね進藤…、行くよ」
ヒカルの腰に軽く手を添えるようにして、アキラがゆっくりと自分の分身を
ヒカルの中に押し入らせていく。
「ん…っ」
まず先端の滑らかな丸い部分が吸い込まれるようにしてヒカルの中に潜った。
なおもアキラは慎重に腰を進めた。最初の突起が鮮紅色の門に差しかかろうとしていた。
「あっ…んんっーーっ」
だだでさえ張り詰めたアキラのモノを飲み込むのにヒカルはかなり無理をしているだけに
その周囲の腸壁をさらに局所的に押し広げていく存在にヒカルはうめいた。
「あ…ひっ…あ…あ」
一つ一つ新たにその異物が狭門をくぐる度にヒカルは切なく声を漏らした。
まるでいくつもの爪に内壁を軽く掻かれながら奥に進まれていくような、
奇妙な痛みを伴う恐怖感があった。
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