ほしいまま-欲儘- 1 - 5
(1)
恋でもなく愛でもなく、ただ肉欲の為だけにそれをしたくなる時というのは
確かにあるんだとわかった。
塔矢は部屋に入った途端、オレを突き飛ばすようにして、布団の上に転がした。
息を荒げながら、のしかかり、シャツのボタンを外してくる。
最初の2、3個こそ、まともに外していたが、興奮して手が震えているせいで、
なかなかうまくいかず、だんだんイライラしてきたのか、最後の2個は結局
強引に引っ張って飛ばしてしまった。
そういうオレも、相当ギリギリに追いつめられてて、塔矢の背広を両手を背に回すついでに
脱がし、それからその首のネクタイに手をかけた。
ほどき方がわからなくて塔矢の首を閉めそうになる。
だが、それに気付いた塔矢が自らの手でネクタイをほどくと、布団の向こうに投げ捨てた。
(2)
塔矢のワイシャツを必死に脱がす。
気付かないうちに、こっちもボタンの一つや二つ飛んでしまったかもしれない。
次にお互いのアンダーシャツをこれもまた破りそうな勢いで脱がせあうと、
オレと塔矢はお互いに上半身は裸になった。
もう少し余裕があれば、ここで軽い前戯でもはじまる所だけど、今は二人とも
それどころじゃない。
塔矢は、顔をオレの股の間に持っていくと、ズボンの前のジッパーを口でくわえて、引き落とした。
その塔矢の様が、異様に官能的だと思っちまうオレも、そうとうイっちゃってる。
塔矢はそのままズボンの開かれた窓から見える、ブリーフに舌を這わした。
布越しの刺激なのに、むちゃくちゃ感じた。
もう待てない。
オレは塔矢のズボンに手を伸ばし、乱暴にそれを下着ごと引きずり落とした。
固くなり立ち上がっている塔矢の男が、あらわになった。
(3)
オレは、迷わず、塔矢のそこに手を伸ばした。
火傷しそうに熱かった。それが欲しくて欲しくてたまらなかった。
自分の体の中にそれをおさめてしまいたかった。
だからオレはそれを食べてみた。
口の中に塔矢を感じた。
このままこれを飲み込んで、ひとつになれてしまえばいいのに。
体だけじゃない、心も何もかも、全部。全部。
塔矢が、体をねじって器用にその体勢から、オレのブリーフのなかに鼻をつっこみ、舌を侵入させ、
前の布をこじ開けて、口でやんわりとオレのそれをくわえ出した。
おれのそこが、熱いものにつつまれた。
塔矢だ。オレのが塔矢の中にいる。
(4)
オレ達は布団の上で、体を重ね合って、必死にお互いのものをしゃぶりあっていた。
夢中で闇雲に、塔矢のものを嘗めて刺激する。
相手が気持ち良くなってくれたらいいなんて、お奇麗な考えは露程も頭に
浮かばなかった。
ただひたすら、自分が欲しかっただけだ。塔矢を喰らい尽くしたいんだ。
これはオレのもんだと、病的な独占欲に駆られて、口の中の塔矢のモノを
味わい、舌で嬲り、時には歯を立てた。
その度に、塔矢の腰がびっくりしたように飛び上がった。
だけど、塔矢もオレにおんなじ事してるんだからおあいこだろ?
(5)
塔矢のを根元まで頬張るだけじゃ物足りなくなって、今度は
その根元の袋まで舌を伸ばして転がした。
オレの上の塔矢も、おんなじ事をしだしたのを感覚でかんじる。
碁だけじゃない、こいつはこんなところも負けず嫌いだ。
気がつけば、声をあげていた。
気持ちいい。塔矢もオレと同じ独占欲を感じてくれているのがわかるから。
塔矢はオレのもんだ。オレは塔矢のもんだ。
口からもれる声のせいで舌を使えなくなったので、手で塔矢のをこすりたてた。
ここで単にやめちまうのは、負けた気がするからいやだ。
塔矢の舌が、股のさらに奥までなめてきた。その先にあるのは、男同士のセックスで使う場所だ。
そこに塔矢が近づいただけで、塔矢を受け入れるのに慣れたそこが、期待にひくついているのが
わかって、自分でもあきれちまう。
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