初めての体験 1 - 6
(1)
日曜日の午後、ヒカルは和谷のアパートへと出かけていった。
借りていたCDを返すためだ。元気よく階段を駆け上がる。
部屋の前まで来たとき、中から話し声が聞こえてきた。
「伊角さんも来てるんだ。」
ヒカルはノックもせず、いきなりドアをあけた。
二人は驚いて振り返り、ヒカルの姿を認めると、
「な、何だよ。進藤。ノックぐらいしろよな。」
と、慌てて何かを隠した。ヒカルは和谷の許しも得ず、ずかずかと
部屋の中に上がり込み、座っている二人の間に割り込んで、訊ねた。
「何、隠してんだよ。新しいマンガ?なら、オレにも見せてよ。」
と、二人が隠しているものに手を伸ばした。
「だ、だめだよ。進藤。」
伊角がヒカルを制した。見せて見せてと伊角に突っかかっていくヒカルを
和谷はいたずらっぽく眺めた。
「進藤。ほら!」
後ろからヒカルに声をかけた。振り向いたヒカルの目の前に、大きく足を
広げた裸の女の姿が飛び込んできた 。
「うわっ!わわわわ・・・。」
ヒカルが慌てて和谷の手を払いのけた。和谷は、顔を真っ赤にして
目をそらすヒカルを面白がって、ますます、ヒカルの眼前に女の局部を
突きつけた。
「もう!やめろよ和谷!」
ヒカルが怒って、和谷の手からグラビアをたたき落とした。
「あ〜〜っ 何すんだよ進藤!折れ目がついたらどうすんだ!」
「しらねぇよ!和谷が悪いんだ!」
ヒカルは完全にすねてしまった。
(2)
そんなヒカルの様子を見て、二人はおもしろそうに目配せした。
いきなり、伊角が後ろからヒカルを羽交い締めにした。
「わっ!何すんだよ。伊角さん離してよ。」
「いいから、いいから。」
と、和谷が、ヒカルのジーパンのベルトに手をかける。
「!!やだ!やめろよ!和谷!やめろってば!」
ばたばたと暴れるヒカルの膝に、馬乗りになって、和谷はファスナーを
おろし、ヒカル自身を取り出した。
「和谷・・・やめてよ・・・」
ヒカルが涙声で訴える。伊角がヒカルの耳元で
「すぐ、気持ちよくなるから。」
と、囁いた。
和谷が、ヒカルのそれを優しく掴むと、ヒカルの体がビクッとふるえた。
和谷はそんなヒカルを見ながら、そのまま上下にゆっくりと動かした。
「・・・ん・・んふぅ・・・」
ヒカルが、鼻から抜けるような声を上げ始めた。和谷は感じ始めたヒカルに
満足して、そのまま行為を続けた。
(3)
「あ・・・んん・・・あん・・・やだ・・・」
和谷はおとなしくなったヒカルの上からどくと、ヒカルのジーパンと下着を
取り去った。竿だけではなく二つの袋もやわやわと揉み始めた。
和谷の行為に、ヒカルの体がビクッビクッと痙攣するようにふるえた。
「あ・・・やぁ やめて伊角さぁん・・・や」
と、言うヒカルのあえぎ声に、和谷が顔を上げると、伊角が後ろからヒカルを
愛撫していた。ヒカルの細い首筋に、ゆっくりと舌をはわせ、Tシャツを
胸までまくり上げ、小さな乳首を指で弄んでいた。
くりくりと摘んだり、つぶしたりする刺激に耐えかねて、先がそそり立ち始めた。
和谷は誘われるように、その突起にくちづけた。
「ひゃん」ヒカルが小さな悲鳴を上げた。手の中のヒカルがはねた。
乳輪にそって、舌をはわせ、小さな先端をなめあげた。和谷と伊角が与える快感に、
ヒカルは断続的に甘い声を上げ続けた。
ヒカルの頬は上気し、目は潤んでいた。口の端から涎が幾筋も流れている。
ヒカルのそんな媚態に、和谷の手の動きはますます早くなった。
「ーーーーー!!」
ヒカルは声にならない悲鳴を上げて、和谷の手の中ではてた。
(4)
「気持ちよかった?」
伊角は胸にもたれかかって、ハアハアと荒く息をつくヒカルに聞いた。
ヒカルは息を調えながら、和谷と伊角をうっとりと見つめて言った。
「うん・・・やっぱり、・・・してもらうと気持ちいい・・・。」
ヒカルの言葉に和谷と伊角は顔を見合わせた。
ヒカルは伊角から離れて、のろのろと衣服を整えながら言った。
「女のアソコって、色とか形とかエグイじゃん。感触もなんか気持ちわりぃしさ。
それに、あいつヘタクソなんだもん。」
『アイツって誰?』二人の疑問に気づいているのか、いないのかさらにヒカルは続けた。
「オレ、やっぱ、男とやる方がいいな。」
ヒカルはリュックを持って玄関に向かった。
「ほんとは、二人にもお返ししたいんだけど、今日オレ時間ないんだ。
これから塔矢と約束してるから。」
と、二人を振り返って言った。ヒカルは「じゃあな」と、一声かけて、出ていこうとしたが、
「あっ」と呟いて、戻ってきた。
「そうそう。和谷、CDサンキュゥ」
ヒカルは笑顔で、和谷にCDを手渡した。
そして、呆然と固まったままの二人を残して、元気よく出ていった。
<終>
(5)
「和谷」
手合いの後、帰ろうとした和谷を後ろから、ヒカルが呼び止めた。
ギクッと振り返った和谷にヒカルは、笑顔を見せた。その天真爛漫な
笑顔を見て、あの時のことは夢だったのではないかと和谷は思った。
このヒカルが実は・・・だったなんて。
「なあ。今からかえんのか?この後暇?」
と、ヒカルが顔をのぞき込んで聞いてきた。その仕草が妙に色っぽく
見えるのは、和谷の気のせいだろうか?
「い、忙しいんだ。オレ。こ、この後、約束があって!」
和谷は、顔を思い切り左右に動かし、両手をちぎれるくらい振った。
あまりに首を振りすぎて、ちょっと気分が悪くなった。
ふらついた和谷をヒカルが支えた。
「ちょ・・・!大丈夫かよ、和谷。」
和谷は、慌てて体をヒカルから離そうとしたが、ヒカルはがっちり腕を
掴んで離さなかった。そして、和谷を見て、
「気分が悪いんだったら、トイレで吐いた方がいいぜ。」
と、何か含みのあるような顔で言った。・・・ように見えた。
和谷は、ヒカルに引きずられるようにして、トイレに連れて行かれた。
(6)
トイレに入るなり、ヒカルは和谷を強引に個室に連れ込んだ。
「な、な、な、何すんだよ!進藤。」
和谷は、ひっくり返った声で怒鳴った。そんな和谷にヒカルは嫣然と微笑んで見せた。
そして、和谷の体を壁に押しつけながら言った。
「和谷・・・ホントはわかってんだろ?」
上目遣いに和谷を見る、その瞳の妖しさに股間がゾクリと疼いた。和谷は、
自分の中にわき上がった衝動に狼狽えた。
ヒカルが和谷のジーパンのファスナーに手を伸ばした。
「し・・・進藤・・・」
和谷は苦しげにあえいだが、ヒカルを止めようとしなかった。
「この間はしてもらったからな。今日はオレがしてあげるよ・・・」
ヒカルの手が和谷をやんわりと掴んだ。片手を添えるようにして、
緩急自在に手を動かす。その手の動きに反応して、和谷がゆっくりと
立ち上がり始める。
「う・・・あぁ!」
ヒカルの手淫に和谷は懸命に耐えた。眉間にしわを寄せ、顔をしかめている。
「和谷・・・我慢しないで。素直にオレを感じて・・・」
和谷の耳元でヒカルが囁いた。和谷の血液が一気に股間に集中した。
ヒカルは口元に笑みを浮かべると、和谷の前に跪いた。
「進藤・・・」
ぼうっとした顔でヒカルを見た。ヒカルの唇が和谷に触れた。
「!!進藤・・・!」
体中に電流が走った。ヒカルが舌先で和谷の先端をちろちろとなめた。
一旦、口の中に先端を納め、舌で愛撫した。唇を移動させ、下から上へ舐めあげる。
ヒカルの舌の感触に和谷自身がますます堅くなる。
手でするのとは違う温かくて、滑らかな口腔内の感触が、和谷を追い立てた。
「ああ・・・進藤・・・うぅっ・・・気持ちいい・・・」
ヒカルが和谷に軽く歯を立てた。ヒカルの口の中で和谷はまた大きくなった。
ヒカルが和谷を深く呑み込んだ。和谷の腰を掴んで、頭を前後に激しく移動させた。その動きにたまらず、和谷が進藤の頭を掴んだ。
「ああ!!進藤!で・・・でる・・・!」
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