Birtday Night 10
(10)
「塔矢。それって、そういう意味にとってもいいんだよな」
「…うん…」
頷いたボクを進藤はまじまじと見つめている。
その様子に、ボクは僅かに苦笑して、
「――ボクのいうことが信じられない?」
言ってみた。
すると進藤は慌てて、
「あ、わわ!そんなことっ、いやだって何か今日、塔矢、変だし」
「…変?」
「だって、妙に素直じゃんか。いつも何かにつけては怒ってばっかなのに」
ボク、そんなに怒ってたかな。
確かに進藤とはしょっちゅうケンカしていたけれど。
「――そうだね。ボクがおかしいとしたら、きっと誕生日のせいだ。
誕生日が終わったら、気が変わるかもしれないよ?」
ボクがいたずらに口にすると、進藤は、
「なっ、もうあんま時間ないじゃんか!」
時計を見て、大慌て。その様子にボクは小さく笑った。
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