Shangri-La第2章 10


(10)
「緒方さん、ごめんなさい……でも、じゃあ、あの…
 もう少しだけ、一緒にいてもいいですか……?」
アキラの声は今にも消えてしまいそうなほどだった。
緒方は大きく溜息をついて、リビングへ足を向けた。
「――好きにすればいい」
背中に感じるアキラの雰囲気が痛々しくて、
緒方はつい一言漏らしてしまった。
あぁ、またこれだ―――。アキラが子供の頃から、
厳しくなりきれずについ甘やかしてきた悪い癖は
今更抜けるものでもなかったようだ。
今晩、もう何度アキラを突き放す機会を逃しただろう。
今だって、突き放して終いに出来たはずなのに。
自分の詰めの甘さに、緒方は思わず舌打ちせずにはいられなかった。



TOPページ先頭 表示数を保持: ■

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル