初摘み 10
(10)
アキラは、ヒカルの背に手を回し、強く引き寄せた。少し、身体が冷えている。今、
自分の体温が高いから余計にそう感じる。
「冷えちゃったね…」
「……温めてくれるんだろ?」
上目遣いに見つめられて、理性が飛んだ。ヒカルの鼻と言わず頬と言わず、所かまわず
キスをした。
ヒカルの身体から力が抜け、アキラに寄りかかってくる。ヒカルの身体を支えながら、
そっと布団の上に彼を横たえさせた。
「電気消してくれよ…」
ヒカルが眩しそうに、目を細めた。だが、アキラはかまわず、ヒカルの着ているものを
脱がし始めた。パジャマのボタンを外し、ズボンをずり下げた。
「や…やめてくれよ…」
ヒカルはアキラから身体を隠すように身を捩って、両腕で自分を抱きしめた。はだけた
胸元を懸命に合わせようとする。
胎児のように身を縮めているヒカルのその手を強引に広げ、自分の真下に組み敷いた。
アキラが想像していたより、ヒカルはずっと華奢だった。抱きしめた感触からわかっては
いたが、それでもあらためて自分の目で確認すると、ちょっとした感動があった。
「あ…やだ…見るな…灯り消せったら…!」
ヒカルの身体が桜色に染まった。アキラの遠慮のない視線に、羞恥のあまり身悶えする。
「塔矢……!」
アキラに懇願するその唇を塞いだ。
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