禁断の章 10


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進藤を見るのは久しぶりだった。
あいつ痩せたな・・・・。
オレが中2であいつが小6の時、創立祭で初めて出会って無理矢理
囲碁大会に出させたんだっけ。
そして囲碁部に入り塔矢に失望され、塔矢を追う為院生になりとうとう
プロにまでなりやがった。今塔矢アキラと肩を並べるまでになっている。
まあ、プロへの後押しはオレ様がやってやったんだけどよ。
そこまで回想して顔がほころぶ。
いけね、思い出話に華を咲かせてる場合じゃなかった。
加賀は取り囲んでいた野郎どもに見覚えがあった。
ここいらを縄張りしているやつらどもだ。
ひったくりはするし目をつけられた女は、強姦・輪姦と
凄まじかった。警察の手を難なく抜けながら悪事を働いている
連中なので普通の不良どもと違い、凶暴で容赦がない。
おまけに喧嘩慣れしているやつらどもで、空手の経験者も
ボクシングの経験者もあの中にはいる。
まともに行って加賀に勝ち目はなかった。
スキをつけば・・・加賀は慎重にやつらに気づかれないよう近づく。
ちょうどやつらがいるその袋小路はだれかの敷地内で物置小屋の
ようなものが建っていた。
加賀はその小屋の影に回り込み、やつらの隙をついてどうやって
進藤を取り返そうか頭を悩ませた。
しかし、変だな・・進藤はあいつらの気に障ることをしたのだろうか?
加賀はちょっと不審に思った。
あいつらはとんでもないやつだが、素直に金を出すやつはそのまま
帰してた。まあ抵抗した奴向かってくる奴、女はひどい目に
遭わされてたけどな。
進藤も金を渡すのに渋ったのだろうか?まあ負けん気の強い奴だし。
そこまで見て進藤の顔をまじまじと見た。
その顔は加賀が憶えている進藤の顔ではなかった。
昔はいかにもガキですという感じでふくっらした頬に大きな瞳でからかうと
子供のようにむきになりオレ様に憎まれ口をたたく。
それがオレの知っている進藤。”でも今の進藤は・・・”
そこまで考え、今の進藤に見惚れて言葉をなくす。
あいつ美人になったな・・加賀は頭の中でそうつぶやいた。
進藤を取り囲み沈黙を守っていた連中だったが、リーダーたけしの
合図に一人が飛びかかった。
進藤は身体をくねらせ避ける・・・すると背後からもう一人が進藤の肩をつかみ
つづいて2・3人が進藤に襲いかかり拘束した。
暴れる進藤を難なく押さえつけそして地に進藤を貼り付けた。
そこまで見て加賀は確信した。
進藤に要求してたのは金でも落とし前でもない。
いわゆるやつらが女に向けていた行為・・・。
性行為だ!!!



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