ピングー 10
(10)
物足りなさに、ヒカルは無意識に、自分の指をもう一度そこに戻そうとした。
その手をそっと押しとどめて、男が言う。
「そんなに気に入ったのか。待ってろよ、もっといいものをやるぜ、進藤」
ヒカルに覆いかぶさって、その体を押さえつけていた緒方が身を起こす。
すばやくシャツを脱ぎ捨て、白のズボンを脱ぎ捨て、全裸になった。
その股間には、使い慣れているのであろう、色の濃い一物がそそりたっている。
緒方はもう一度、例のチューブを取ると、中身をたっぷりと出して、自分の熱くなって
いるそれに塗りこめた。
その光景に、さすがにヒカルも正気に返る。ボーッとされるがままになっている場合じゃ
ない。
このままでは……
「いやだ!」
ベッドから飛び降りようとした、ヒカルの腰を緒方が手早くつかまえて、再びベッドの
上に放り投げた。
「何をいまさら……。ここまできて放っておかれるのは、お前のこいつだって承知しない
だろうよ」
緒方はきつく、立ち上がっているヒカルのモノをつかんだ。
痛みに近い刺激に、ヒカルはギュッと肩をすくめた。
口の端にうっすらと笑いの色をためて、緒方が、ヒカルの足を開かせて、その間に膝を
割り込ませる。
最後の抵抗とヒカルは起き上がろうとしたが、次の瞬間には緒方に両の膝を高く抱え上げ
られ、ヒカルはバランスを崩して後ろに倒れた。
「先生っ! 先生っ! ホントに、俺……、やめてよっっ!」
「なぁに、さっき入っていた指より少し太いぐらいのものさ」
大嘘だ。と、緒方の怒張したそれを見ながら、ヒカルは心の中で罵倒した。
このたちの悪い大人に抗おうと、ヒカルは足をバタバタと動かして悪あがきをする。
その暴れる少年の足を、自分の脇にしっかりと抱えて、緒方は何も言わずに、固く張り
つめた自分の武器を、ヒカルの中に押し入れた。
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