初めての体験+Aside 10
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「おおきに…進藤…」
社はヒカルに礼を言った。そのせいで、アキラに虐められたことは伏せておこう。格好が
悪い。
「ビックリしただろ?」
ヒカルの問いかけに、社は驚いた。さっきことを言われたのかと思った。
「地図書いたの塔矢なんだあ。心配性でさ。大丈夫だって言ってんのに。」
そう言いながら、ヒカルはすごく嬉しそうだった。
なんやそっちか……ホッとした。ん?…心配性?ふと疑問が浮かんだ。
「……進藤…もしかしてスタンガン持っとるか?」
ヒカルは一瞬キョトンとしたが、すぐに頷いた。
「何で知ってるの?」
「ほら」と、ヒカルが見せてくれたものは社の想像とは違った。可愛いマスコット型の
一見普通のキーホルダーだ。
「コレ、塔矢がくれたんだ。オレ、電車でよく女の子と間違われて触られるから…」
「結構役に立っているよ。ちょっとあたるとビリビリってして、みんなビックリするから。」
アレはヒカルに渡すためのものだったのだ。アキラは社で実験したのだ。そして……
結果、ヒカルに持たせるのは危ないとふんだのだ。
『塔矢…結構イイヤツ…』
自分のされたことも忘れて、社はそう思った。やっていることはメチャクチャだが、ヒカルの
ためという一点に置いては好意がもてる。ホントに…そこだけしか好きになれない。
―――――向こうはオレのことは、全部気にいらんやろうけどな
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