やりすぎ☆若゙キンマン〜ヒカルたん癒し系〜 10
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「キミがヒカルたんかい?」
突然声をかけられたヒカルたんは目を開けた。いつのまにかそこで眠ってしまったらしい。
ヒカルたんは目をこすりながら声の主を見上げた。
黒いマントに身を包み、眼鏡をかけた長身の男がそこに立っていた。
ヒカルたんは誰だろうと小首をかしげて見つめる。
「なるほど。確かにかなりの上玉だな」
男はかがんでヒカルたんの顔をクイッと持ち上げた。
「あの…オレに何か用ですか?」
今まで見たこともない男が自分の名前を知っていることを不審に思ったヒカルたんは、万
が一のために戦闘体勢をとった。
「いや、ただどんなヤツなのか見てみようと思ってな。あの若゙キンマンを夢中にさせたと
いうヒカルたんとやらの顔を」
男は眼鏡を光らせてヒカルたんを見る。
「若゙キンマン? おじさん若゙キンマンのこと知ってるの?」
「おじさんじゃなくてお兄さんだ」
男は少々怒った顔をする。
「あ、ごめんなさい。えっとお兄さんは若゙キンマンのこと知ってるの? オレ今そいつの
こと探してるんだ。知ってたらどこにいるのか教えてくんない?」
何一つ手がかりがない今、若゙キンマンのことを少しでも知っている人に会えただけでもヒ
カルたんはうれしかった。
その笑顔を男は興味津々に見つめる。
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