夜風にのせて 〜惜別〜 10
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十
「驚きました。女性って化粧や服装でこんなにも変わるものなんですね。ひかるさんが新
宿のクラブで歌っているとは聞いていましたが、普段はボクより年下に見えるくらい幼か
ったから、てっきり冗談だと思っていましたよ」
明は驚いてひかるを見つめる。ひかるはどう見ても、自分の知っている可憐な少女ではな
かった。自分との記念撮影のために、はりきって着飾ってきたのだろうか。明は喜んだ。
「そうですね。明さんに会う時は、化粧とかしなかったですからね。寒かったでしょう?
中へ入りましょうか」
そう言うと連れの男性が写真館の扉を開けた。
ひかると明は中へ入る。
その姿を男性は悲しそうに見つめた。
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