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声の主はやはりヒカルが知らない奴らだった。
さっきヒカルの顔に当てたハンカチにはどうやら薬が染み込ませてあったようだが、それがなんの薬なのかは、もちろんヒカルにはわかるはずが無い。ヒカルに分かるのは、手も、足も自由にならない事と、相手が二人組みだ、ということ。ヒカルの意識も次第にはっきりとしてきた…
「おい、起きちゃったよ。どーする?」
「いいんじゃねぇ?そのほうがもっと反応良くなるかもよ?」
そう言って先ほどヒカルに飛びかかった方はヒカルの乳首を指で摘む。
もう一人もニヤニヤしながらその様子をじっとりした目で眺めていた。
「あんっ」
ヒカルはビクンッと体を震わせた。さっきよりも大きく。ヒカルの頬は桃色に染まり、形の良い唇からは甘い吐息が漏れる。
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