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(10)
声の主はやはりヒカルが知らない奴らだった。
さっきヒカルの顔に当てたハンカチにはどうやら薬が染み込ませてあったようだが、それがなんの薬なのかは、もちろんヒカルにはわかるはずが無い。ヒカルに分かるのは、手も、足も自由にならない事と、相手が二人組みだ、ということ。ヒカルの意識も次第にはっきりとしてきた…
「おい、起きちゃったよ。どーする?」
「いいんじゃねぇ?そのほうがもっと反応良くなるかもよ?」
そう言って先ほどヒカルに飛びかかった方はヒカルの乳首を指で摘む。
もう一人もニヤニヤしながらその様子をじっとりした目で眺めていた。
「あんっ」
ヒカルはビクンッと体を震わせた。さっきよりも大きく。ヒカルの頬は桃色に染まり、形の良い唇からは甘い吐息が漏れる。
(11)
それでもまだはっきりとした言葉はだせなかった。
吐息と共に押し出される声にならない声が一層男達の欲望を掻き立てた。
「は・・あっ・・・ふっ・・うっ・・・」
硬く尖った両の乳首をなおもしつこく弄ばれ、洋式の便座の蓋をした上に座らされて両手をだらしなく下げたまま抵抗する事もできずにただヒカルは胸部をそらし切ない刺激にうち震わせ続ける。
「体はその気になっているぜ…」
1人の男の手が、ズボンの上からヒカルのその部分の形状を探り出す。
先端を指で突き、カリカリと掻く。
「はっ・・ああ」
ビクリと下半身を疼かせ、うっすらと開いた目で男達の輪郭を捕らえようと黒目が動くが、意識が朦朧としたままではそれも出来ない。
ハアハアと頬を染めて呼吸をするその表情は男達の下半身も同じように反応させた。
男達はヒカルのズボンのファスナーに手をかけた。
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