禁断の章 10 - 12
(10)
進藤を見るのは久しぶりだった。
あいつ痩せたな・・・・。
オレが中2であいつが小6の時、創立祭で初めて出会って無理矢理
囲碁大会に出させたんだっけ。
そして囲碁部に入り塔矢に失望され、塔矢を追う為院生になりとうとう
プロにまでなりやがった。今塔矢アキラと肩を並べるまでになっている。
まあ、プロへの後押しはオレ様がやってやったんだけどよ。
そこまで回想して顔がほころぶ。
いけね、思い出話に華を咲かせてる場合じゃなかった。
加賀は取り囲んでいた野郎どもに見覚えがあった。
ここいらを縄張りしているやつらどもだ。
ひったくりはするし目をつけられた女は、強姦・輪姦と
凄まじかった。警察の手を難なく抜けながら悪事を働いている
連中なので普通の不良どもと違い、凶暴で容赦がない。
おまけに喧嘩慣れしているやつらどもで、空手の経験者も
ボクシングの経験者もあの中にはいる。
まともに行って加賀に勝ち目はなかった。
スキをつけば・・・加賀は慎重にやつらに気づかれないよう近づく。
ちょうどやつらがいるその袋小路はだれかの敷地内で物置小屋の
ようなものが建っていた。
加賀はその小屋の影に回り込み、やつらの隙をついてどうやって
進藤を取り返そうか頭を悩ませた。
しかし、変だな・・進藤はあいつらの気に障ることをしたのだろうか?
加賀はちょっと不審に思った。
あいつらはとんでもないやつだが、素直に金を出すやつはそのまま
帰してた。まあ抵抗した奴向かってくる奴、女はひどい目に
遭わされてたけどな。
進藤も金を渡すのに渋ったのだろうか?まあ負けん気の強い奴だし。
そこまで見て進藤の顔をまじまじと見た。
その顔は加賀が憶えている進藤の顔ではなかった。
昔はいかにもガキですという感じでふくっらした頬に大きな瞳でからかうと
子供のようにむきになりオレ様に憎まれ口をたたく。
それがオレの知っている進藤。”でも今の進藤は・・・”
そこまで考え、今の進藤に見惚れて言葉をなくす。
あいつ美人になったな・・加賀は頭の中でそうつぶやいた。
進藤を取り囲み沈黙を守っていた連中だったが、リーダーたけしの
合図に一人が飛びかかった。
進藤は身体をくねらせ避ける・・・すると背後からもう一人が進藤の肩をつかみ
つづいて2・3人が進藤に襲いかかり拘束した。
暴れる進藤を難なく押さえつけそして地に進藤を貼り付けた。
そこまで見て加賀は確信した。
進藤に要求してたのは金でも落とし前でもない。
いわゆるやつらが女に向けていた行為・・・。
性行為だ!!!
(11)
加賀はごくりと唾を飲み込んだ。
暴れる進藤、興奮して息を弾ませる男達。
一人が進藤の両手を頭の上で交差させ、両足を二人掛かりで
押さえつける。
こうなるともう進藤は動けない。
「やめろー!!はなせよ!!!」
進藤は拒絶の叫び声をあげるが、ただやつらを煽っているだけのようだった。
自分が何をされるのか分かっているだけに、恐怖でだんだん涙声になっていく。
「や・やめてくれよ・・・・」
連中はそんな進藤を見て、ニヤニヤと笑った。
押さえつけられていた進藤を、ただ見下ろしていただけのたけしだったが、
「ちゃんと用が済めば帰してやるよ」とゾッとするようなイヤらしい
笑顔を浮かべ云った。
そして押さえつけられた進藤の横に回り、そっぽをむいている進藤の顔を
自分に向かせ、進藤のかわいらしい唇を乱暴に自分の唇に圧しあてる。
「ん!んんーーんんんー・・・」
歯列を割って侵入を試みようとする舌、だが進藤は意地でも抵抗し
口を開かなかった。
リーダーたけしは、おもしろくない。
自分の唇をいったん離すと、進藤の頬を一発平手打ちした。
(12)
平手打ちされた衝撃で、ヒカルの力が一瞬抜けた。
あんなにかたくなに閉じてた唇が少し開く・・・。
それを計算して見計らったようにたけしは、ヒカルの顎を乱暴に取り
舌を入れる。
「う・・んんんーーー!−!!」
ぐちゅ・・ちゅ・・ぐちゅぐちゅ・・
艶めかしい擬音のみが空間を木霊する。
たけしの舌がヒカルの口内を犯す。
縮こまるヒカルの舌をとらえ十分絡め取り、舌を吸った。
ヒカルは酒臭さと息苦しさに意識が何度でも飛びそうになる。
このまま意識を失えたらどんなに楽だろう。
頭の中がおぼろげでヒカルの意識は絶え絶えになっていた・・・。
だが、次の衝撃でヒカルは正気に戻されてしまう。
たけしの手が腰から順に下りていったかと思うと、ヒカルの中心を
握りこんだからだ。
「あ!」
ヒカルはあまりの快感に声を上げた。
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